歴史を振り返ってみても、日本型社会は「滅私奉公」を是として成り立ってきたように思う。主なWEBサイトを覘いてみたところ、肯定的な用例は一つもなかった。多くは左翼系サイトで、軍国主義思想と結びつけて頭ごなしに批判する。伝統破壊が目的の彼らなら、否定するのは当然であろう。しかし、普通の庶民が著述する記事でも、忌み嫌われる言葉のようだ。肯定的内容を書いておきながら、それが滅私奉公そのものだと気づいていない。言葉のもつ意味が誤解されている。
「滅私奉公」=私利私欲を減らして公(世の中)のために尽くす。
現実を踏まえたしごくまともな考えで、どこが間違っているのか。それとも、みんなが私利私欲に凝り固まって、わがまま放題の社会を目指しましょう、ってわけか。そんなことしたら、世の中の秩序が保てるわけがない。思慮深いご先祖様は、そのことをお見通しだったからこそ「滅私奉公」を是としてこられたのだ。
世の中は、ギブ・アンド・テイクである。公に尽くす(ギブ)から、公の恩恵(テイク)に浴することができる。公の恩恵をもっと知り、謙虚であらねばならない。歴史に名を残した偉人たちは、みんな世のため人のために尽くした人ばかりである。私利私欲に凝り固まった人は嘲笑されこそすれ、だれ一人として尊敬されたためしはない。
2006年2月6日(月)の記事
コメント