その後も鳩野家夫婦は10個ほど卵を産んだ。翌年正月にツギオが誕生し、3月にはトメコとスエオが生まれた。残りの卵は雛のうちに凍死した一羽を除き、みんなカラスにやられてしまった。
それにしても、鳩の一生なんて実にはかない。現在、鳩野家の一族でたまに姿を見せるのはスエオしかいなくなってしまった。見分け方は簡単で、私を見て寄ってくるのはみんな鳩野家一族である。よそ者は例外なく逃げていく。
鳩は“平和の象徴”とされるが、結構気性が荒い。エサは常に独り占めにしようとするし、寝床を巡っての争いごとも絶えない。いわゆる弱肉強食の世界である。たまに、ヤクザバトと名付けた脚をなくしても強がる鳩もいるが、身体に障害を持つような弱い鳩はとても生きていけない。だから、せめて我が家だけでも、恵まれない鳩のよりどころにして護ってあげたい。
あっ、いまスエオが帰って来ました。
2006年1月30日(月)の記事
コメント