中国・李克強前首相、北京で2日火葬
「追悼ムード」拡大が政権批判につながらないよう当局は警戒か
11/2(木) 12:46配信/FNNプライムオンライン(フジTV)電子版
先週亡くなった中国の李克強前首相は、2日、首都・北京市で火葬される。
「追悼ムード」の拡大が政権批判につながらないよう、当局が警戒を強めているとみられる。
先週心臓発作で亡くなった、中国の李克強前首相の追悼のため、2日、天安門広場や人民大会堂などの中国全土の政府機関で、半旗が掲げられた。
火葬場周辺では、葬儀に参加する関係者が乗った車が一斉に入っていく様子が確認され、市民が「安らかにお眠りください」と呼びかけていた。
一方、李氏が少年時代を過ごしたとされる安徽省の住宅前には、朝から多くの人が追悼に訪れている。
動員されている警察官などの数が大幅に増えていて、「追悼ムード」の拡大が政権批判につながらないよう、当局が警戒を強めているとみられる。
コメント総数;136件
★中島恵(ジャーナリスト)
亡くなった翌日から報道が減少し、SNSのコメント欄が閉鎖されたり、ごく一部の無難なものしか掲載されないなど、情報統制が行われたようです。過去に胡耀邦元総書記の死去後、追悼の動きが民主化運動へとつながったことなどもあり、政府は警戒しているのでしょう。
李氏の故郷の安徽省の住居前には、膨大な数の市民が押し寄せて花束をささげていますが、こうした動きからも、李首相への追悼だけでなく、いまの息苦しい社会に対する「声なき声」があることがうかがえます。
★高口康太(ジャーナリスト)
中国では「人の死」が大規模な抗議運動の発火点になることが何度もありました。1989年の天安門事件も、胡耀邦元総書記の死がきっかけでした。昨年の抗議運動「白紙運動」も新疆ウイグル自治区で多数の死者を出したビル火災がきっかけでした。社会に漂う不満が一つの方向に向かい、一気に爆発する起点となることを中国共産党は強く警戒しています。今回の李克強前首相の死が大規模な抗議運動につながる兆候は現時点で見られませんが、そうした動きが起きれば担当者の責任問題になるだけに、各地方やネット担当などの部署は今、厳戒態勢をしいているのでしょう。
一、
心臓発作で、亡くなったのなら何も警戒する必要がないのに。
生前確執があったと報じられていたから、やはり関係は余り良くなかったのだろうか。
昨年の共産党大会で胡錦濤氏が途中退席させられた際、李克強氏の肩をポンと叩いたのが何やら象徴的だったね。
二、
恒大集団の件など中国は経済面で大波乱が控えてる現状、
更に経済が悪化し国民の間で「まだ李克強前首相が生きてれば」と話になれば
必然的に「習近平じゃダメだ」て話が続くため政権批判の導火線に成りかねないから当局が警戒してるって事ですな。
国や国民のためではなく権力維持のために経済通の李克強前首相を闇に葬った、となれば習近平にヘイトが向かうのも自然かと。
3月まで元気だったという状況的を鑑みても、暗殺のようにしか見えないしねぇ。
三、
習政権を表立って批判できない。
李克強前首相を盛大に追悼することで間接的に批判しているようにも伺える。
それにしても花束の数が凄まじい。
中国人は自分の味方側だと判断している人に対しては義理堅い。
花束の様子から習政権がなぜ李克強前首相を煙たがっていたかよく判る。
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東西冷戦期の昔、ソ連の〝鉄のカーテン″に准えて国交のなかった中国(当時「中共」と呼称)は〝竹のカーテン″と言われるほど謎の多い國だった。鄧小平の改革開放路線以降、往来が頻繁になるとともに、西側諸国とは異質の社会であることが露呈してきた。習近平独裁政権により、再び毛沢東時代の〝竹のカーテン″へと回帰したかのような今日である。
李克強は暗殺されたのか?第3次天安門事件は?
近藤大介の見解はいかに!?-別冊!ニューソク通信-
チャイナウオッチャーの近藤大介氏は、中国共産党中枢とも交流があるため、ジャーナリスト仲間から冗談半分に「中国のスパイ」呼ばわりされている人物である。まあそんなことはないだろうが、自覚がないまま取り込まれている可能性は否定できない。なぜなら、この件に関して習政権擁護の立場を採っているからだ。少なくとも物言えぬ中国人民側に立って事態を観ているわけではないことを示している。
思想的には相容れないが、個人的には憎めない〝好い人″と思われるので面白く拝聴している。日本と中国では〝好い人″の捉え方が微妙に違うことは3月3日付記事で既に書いた。
【好い人】-いいひと-
① 好感の持てる人物、性格や人となりの好ましい人物を指す語。
② 恋人や愛人を指す語。
【好人】-hǎorén-
① 善い人,立派な人.
② 健康な人.
③ お人よし.
盲目的な親米・反中で凝り固まった自称「保守派」の多くは、願望もあって「第三次天安門事件」に発展する、と近藤氏とは真逆の予想をしているようである。そうした人たちには気の毒だが、近藤氏予想のほうが、現実になるように思われる。何故なら李克強前首相は、失礼ながら'76年周恩来首相、'89年胡耀邦総書記ほど大物ではないし、以前に増して監視統制が強化されているからである。
台湾の著述家黄文雄氏に言わせると、日本が「誠」の国家とすれば中国は「詐」なのだとか。高信頼型環境に育った日本人は、他人を信じて疑わない嫌いがある。だが、ヤクザ社会が表舞台化したような中国では、詐欺師・騙し屋などの闇稼業が跋扈する有様で、〝お人好し″だと格好の餌食になりやすい。近藤氏の著書に『ふしぎな中国』というのがある。未読だが、言い得て妙なネーミングである。
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