日本保守党きょう結党の集い
党員数5万人迫る「予想しなかった」百田氏
、有本氏「自公政権では日本は沈む」単独インタビュー
10/17(火) 17:00配信/夕刊フジ電子版
ベストセラー作家で保守論客としても知られる百田尚樹氏と、ジャーナリストの有本香氏が立ち上げた「日本保守党」はきょう17日夜、都内で「結党の集い」を開催する。党員登録スタート(先月30日)から時を置かずに党員数が5万人に迫るなど、その勢いには既存政党もメディアも驚くばかりだ。世界が「100年に一度の大変革期」を迎えるなか、国民は日本の政治や政党に不安や不満を抱えている。「日本を豊かに、強く」と訴える日本保守党は何を目指し、どのような戦略を立てているのか。夕刊フジは、代表の百田氏と、事務総長の有本氏に単独インタビューした。(取材・矢野将史、海野慎介)
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――日本保守党は、公式X(旧ツイッター)アカウントのフォロワー数が31万人超(16日時点)で、政党でトップ。党員数も募集開始から20日もたたずに5万人近くになっている
百田氏「この勢いは予想していなかった。党員になった方々から、『やっと支持できる党ができた』『ようやく投票にいける』といった声が聞かれる。与野党関係なく、今の既成政党に足りない、できないものを日本保守党が持っているのかなと思う。そもそも、国政選挙の投票率は50%あるかないか。こんなのは選挙じゃない」
有本氏「国民がそれだけ、現在の政治に何の期待もしていないということ。それでも日本は一定の国力を保ち、社会が安定しているのは、ひとえに国民の頑張りや民度によるが、そんな頑張りもこのままでは持たない。だから今こそ、皆が投票に行かなくてはならない。7割ぐらいの投票率がないと、政治はますます悪くなる。政府与党は国民の実態とかけ離れた、好き勝手なことをするようになる」
――百田氏は6月上旬、ユーチューブ番組で「LGBT法が成立するなら、新党を立ち上げる」と宣言した。「自民党への怒りだ」と言っていた。その怒りはどうなった
百田氏「怒りは強まっている。自民党はあの後、さらにおごりが強くなっている。自民党女性局長らのフランス研修旅行での一連の騒動と、その対応にはあきれた。一方、自民党の幹部らはここに来て、選挙をにらんでか『減税』『減税』と言い出した。党内若手から『消費税5%』という意見も出てきたが、『減税が必要なら、もっと早くやれよ』という話だ。本当はやる気はない。ずる賢い政党だと思う」
有本氏「いまの自民・公明政権の状況では、日本はどんどん沈んでいく。国際社会の動きや『外の脅威』への感度も鈍すぎる。一方、国民の『大変なことになるだろう』という危機感は強まっている」
――岸田首相が行った内閣改造・党役員人事(9月13日)をどう見た
百田氏「あの顔ぶれからは、日本を立て直す気概が見えてこない。『暫定内閣』という感じがする。『これで新しい政治をやっていく』というよりも、『近く解散するから、この程度のメンバーでいいか』という気の抜けた人事の感じがする」
有本氏「そう見える半面、来年の自民党総裁選をにらんだ人事にも見える。派閥均衡だし、新しいリーダーを決められない最大派閥・安倍派の5人衆(松野博一官房長官、西村康稔経産相、萩生田光一政調会長、世耕弘成参院幹事長、高木毅国対委員長)を留任させ、総裁選で自分の敵になるかもしれない人たちを押さえ込んだ。岸田首相が最も重要視したのは、ご自分の権力基盤の安定だろう」
――日本保守党の結党宣言や綱領、理念に記された「日本を豊かに、強く」「ふさわしい国防力」「憲法改正」などは基本政策の一部か
百田氏「基本姿勢ですね。政策じゃないですよね。背骨です」
――「減税」や「行政の適正化」とも書かれている。「小さな政府」を目指すのか
有本氏「すぐ、『小さな政府か、大きな政府か』という話になるが、私たちは『適正な政府』という観点だ。誰が見ても無駄遣いと思う分野がある一方、もっと支出を増やさなければいけない分野もある。例えば、男女共同参画に多額の予算が割かれているが、一部の人々の利権になっていませんか? 半面、自衛隊の予算は足りないし、インフラの再整備や、科学技術の発展にはもっと財政支出が必要でしょう。何でも、『ゼロか、100か』の議論をしたがるが、その陥穽(かんせい=落とし穴)にはまってはならない」
一番に考えるのは「国民の可処分所得をいかに増やすか」
有本氏「私たちが一番に考えるのは『国民の可処分所得をいかに増やすか』だ。30年前と今を比べて、日本の国民の年収はほとんど変わっていないのに、負担が増えている。使えるお金が少ない。これを改善しないと、少子化も進む一方」
百田氏「このところ物価も上がっているから、二重三重に国民所得が実質的に減っている。一方で、国民負担率は高い。言葉を変えているだけで、社会保険料(年金や医療、介護保険など)も事実上の税金だ」
有本氏「エネルギー政策もそうで、再エネ賦課金があることで、どんどん生活が圧迫される。こういうものは是正しなければならない」
百田氏「日本経済を強くする。生産拠点の国内回帰も絶対ですね」
――これまでの新党と、日本保守党の決定的違いは
有本氏「第1は、立ち上げるといった人間が政治家ではないこと(笑)。過去の新党の多くは、政治家の都合で作られてきた。しかし、私たちは、いわば政治の素人だから、既存の政治や政治家のやり方に『ちょっとおかしいんじゃないの』と、根底から疑問を呈することから始まっている。素人だから言えること、できることがあると思う」
百田氏「いま政治家から、びっくりするような政策が出てくる。例えば、物流業界で人手不足が深刻化する『物流2024年問題』。この対策として、再配達を減らすため『置き配』にポイントを付与する制度が検討されている。そんな制度ができると、国民の中には、ポイントを貯めるために、一度に複数頼むのではなく、1個ずつ頼む人が出てきて、むしろ配達は大変になる。また、ある野党幹部は『制限速度を緩和したらいい』と言っていた。あまりにもズレている。現実を知らんのかと思う。与党も野党もこんなんばかり」
有本氏「普通の生活をしたことがないのかと思う」
百田氏「今の国会議員で、一般社会で10年以上飯を食った人間がどれだけいるのか。民間で働いたことがないと、知恵や常識がなくなるのかと思う。埼玉県議会に自民党県議団が、小学3年以下の子供だけでの留守番や公園で遊ぶことを禁止する条例を提出して、(猛批判を受けて)取り下げた。真剣に考えた案だったようだが、バカ丸出し」
――日本保守党の違い、第2は
有本氏「まず、目指しているのは直近の選挙で議席を得ることよりも、自立した意志を持った党員の数を増やすことだ。全国津々浦々に私たちの考えに共鳴して、党員になってくれる仲間を増やす。『日本を守らないといけない』と思っている人たちに投票所に行ってもらう。これを増やしていけば議席はいずれ必ず付いてくる」
「日本を守る」意志を持った党員を増やす
――年内の衆院解散もささやかれているが、短期決戦には乗らないと?
有本氏「直近の選挙をただ傍観するつもりはない。ただ、そこで刺客だなんだという『お祭り騒ぎ』をやろうという煽りに乗るつもりもない。一部の人たちの高揚感のためではなく、本当に日本を守るために行動する」
百田氏「私たちは生まれたばかりなので、本当にゼロからだ。半年足らずで大自民党と互角に戦えるはずがない。相手はチャンピオンで、こっちはデビュー前の状態だ。4回戦ボーイが、タイトルマッチのリングに上がるわけがない。チャンピオンに挑戦するまで、何試合も戦っていかなければならない。じっくり鍛え上げていくつもりだ」
――2人は選挙に出るつもりなのか
百田氏「まだ選挙がいつあるか分からない。年内にあるのか、来年にあるのかで、全然僕らの作戦の立て方が変わるから。とりあえず、今の補欠選挙(衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区)には出ません。見送り決定(笑)」
――衆院選なら、小選挙区、比例区を含めてかなり立てるのか
百田氏「まだ」
――ネット番組「ニュース生放送 あさ8時」はどうなる
有本氏「もちろん続ける。この番組の発信はますます大事になりますから」
――政治活動と執筆活動、どっちがやりがいがあるか
百田氏「いやぁ、難しい。全然違うことだから。これは『睡眠と飯食うのがどっちが大事?』といわれていると一緒だ。ただ、(政治活動に)やりがいがなかったらやりません。楽しいかどうかは話は別だが、やる限りは頑張りたい」
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一、自民党を支持してきたがもう懲りた。
稼いだ収入から真っ先に所得税と市民税。
さらに使ってもいないのに異常に高額な年金と健康保険料が徴収される。
残った所得で生活をするがとにかく使えば消費税。
何をするにしてもさまざまな名目で課税を受けまくる。
やりくりで残った僅かな金で社会不安や老後のために備えて貯められる。
だが折角貯めた金なのに異常な長期ゼロ金利で利子も付かない。
年金の支給年齢は遅れ支給額は据え置き、
円安物価高で貨幣価値はどんどん下がりまくり買える物はどんどん減っていく。
先進国の中でも貧富の差、男女間格差、世代間格差まで大きい日本。
こんな酷い先進国なんてあるか?
そして死んだら相続税。
もう何のために働いてきたんだが。
誰か、日本を普通の国に戻して。
二、ひな壇の日本保守党幹部が記者の質疑に対して、手元原稿なしに正面を見据えて自分の言葉できちんと応答する姿が清々しい。
何はともあれ新しい風である。これからの活動に期待したい。
三、それだけ保守層が自民党に愛想を尽かしているということだと思います。
安倍元総理が健在であれば、何とか繋ぎ止めていたと思うけど、今の岸田政権は完全に信用を失っていると思うし、旧安倍派は未だに後継を定められない体たらく、こんな政党に誰も期待するわけがない。
有本氏の発言の通り、このままだとこの国は沈み続けると多くの国民が思い始めていると思います。
後はこの動きが、きちんと政治の舞台に立てるように体制の整備に全力を尽くしてほしいと思います。
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嘗て安倍元総理が『戦後レジーム(体制)からの脱却』を唱えたことがある。詳細は不知だが、聞くところによると民主党(与党)と自由党(最大野党)が合流(1955年11月)して自民党が結党され、左派右派に分裂していた社会党が再統一(1955年10月)を果たした所謂「55年体制」を指すとする見方が一般的だ。ただし、批評家西村幸祐氏だけは、日米安保の賛否を巡って国論を二分した「60年体制」だと主張している。
★第27回衆議院議員選挙(1955年2月27日)結果-定数467-
民主党(鳩山一郎内閣与党)・・・185
自由党(吉田茂)・・・・・・・・・・・・ 112
左派社会党(鈴木茂三郎)・・・・・ 89
右派社会党(河上丈太郎派)・・・ 67
諸派・無所属・・・・・・・・・・・・・・・・14
★第29回衆議院議員選挙(1960年11月20日)結果-定数467-
自民党(池田勇人内閣与党)・・・・・・・・・・・・・296
社会党(浅沼稲次郎/選挙前暗殺) ・・・・・・145
民社党(西尾末広/右派社会党から)・・・・ 17
諸派・無所属・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
★最新衆議院会派別議員数(2023年10月10日現在-定数465-)
自民党(岸田文雄内閣与党)・・・・・262
公明党(山口那津男/与党)・・・・・ 32
立憲民主党(泉健太)・・・・・・・・・・・ 95
日本維新の会(馬場伸幸)・・・・・・・・40
国民民主党(玉城雄一郎)・・・・・・・・10
日本共産党(志位和夫)・・・・・・・・・・10
有志の会(-)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
れいわ新選組(山本太郎)・・・・・・・・・3
無所属・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
欠員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
欧米流二大政党政治を大義名分に小選挙区比例代表制に変更されたのが1996年だが、むしろ一強多弱化が進行する皮肉な結果になっている。つまり、我国には政党(看板)でなく、候補者の人柄(人物)で選ぶ伝統があり、政党政治は根付かないのだ。論より証拠、野党系候補者が当選後与党系政党に鞍替えするなど、欧米では考えられないことだ。
何が言いたいかというと、民主主義は西洋発の政治形態に違いないが、導入されて凡そ二百年しか経ってないのである。重要なのは、民主制が採り入れられた歴史的経緯なのだ。近世までの西洋諸国は、概ね絶対君主制下で国王・貴族らの専制独裁政治が当たり前で、一般国民は蚊帳の外だったのだ。それを革命などによって一般国民まで参政権を得るようになったわけ。
ところで「大正デモクラシー」の固有名詞について、既に民主主義という訳語があったにもかかわらず、「大正民主主義」でないのはなにゆゑなのか長年の疑問であった。今回調べてみたら、大正デモクラシー運動を主導した吉野作造が唱えたのが「民主主義」ではなく「民本主義」だったからと判明した。どちらも英語《democracy》の邦訳だが、決定的な違いは欧米型民主主義が国民主権を前提としているのに対し、民本主義は天皇主権としている点。
我が國體に照らすなら、民主主義ではなく民本主義とすべきなのだ。日本国憲法下の戦後民主主義がどうも肌に合わないのは、天皇主権が自覚もないまま国民主権に改変されてたせいであることがよく分かる。
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