麻生氏「戦う覚悟」で抑止力強化
台湾訪問中に講演
8/8(火) 11:06配信/共同通信電子版
【台北共同】自民党の麻生太郎副総裁は8日、訪問先の台湾で講演した。軍事的圧力を強める中国を念頭に、台湾海峡の平和と安定には強い抑止力を機能させる必要があり、そのために日米や台湾には「戦う覚悟」が求められていると主張した。挑発的な発言と受け取られかねず、中国のさらなる反発を招く可能性もある。
昨年8月に当時のペロシ米下院議長が訪台した際、反発した中国が台湾周辺で大規模軍事演習を強行し、日本の排他的経済水域(EEZ)内を含む周辺海域に弾道ミサイルを撃ったと指摘。「平時から非常時に変わりつつある」との認識を示した。
その上で「今ほど日本、台湾、米国などの有志国に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時代はない」と力説した。「最も大事なのは、台湾海峡を含むこの地域で戦争を起こさせないことだ」とも語った。
インド太平洋地域で「法の支配」に基づく自由で開かれた国際秩序の実現が死活的に重要だと指摘。岸田政権の防衛力強化路線に関し「戦争を未然に防ぐ揺るぎない抑止力となり得る」と訴えた。
コメント総数;4,114件
♦山口亮(東京大学先端科学技術研究センター特任助教)
抑止において重要なのは、相手に痛い目に遭わせ、膨大なコストを負わせる能力を示すことである。「台湾有事」においては、状況によって我が国の役割が大きく変わる。中国は「統一」に向け、台湾に対し軍事的圧力と政治的・経済的・社会的懐柔・操作を伴ったハイブリッド戦を進めている。将来、中国は台湾に対し、断れないオファーを出すと同時に、台湾が「独立」を宣言し、「外部勢力による干渉」を許したと見做した場合、実力行使に出る恐れがある。また、問題は、中国がどの様な状況や状態で侵攻に踏み切るかだ。中国が計画通り政治的、経済的、軍事的キャパシティーを整え「今なら確実に台湾を獲れる」と判断した上で侵攻を実施するか、あるいは状況が不利になり、「今の内にやるしかない」と判断し、武力行使に踏み切るかである。
一、麻生氏の発言はネットで見る限り「今ほど日本、台湾、米国などの有志国に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時代はない」「最も大事なのは、台湾海峡を含むこの地域で戦争を起こさせないことだ」であって、「戦う覚悟」のニュアンスとだいぶ異なる。麻生氏と言うことでマスコミが面白おかしく取り上げていないと良いのだが。
二、日本にとって重要なのは、一つは台湾海峡を始めとする地域の安定と我が国の主権を守る事。そして二つ目は、中国の力による現状変更を牽制しつつ、中国としたたかに結び付きを維持して、日本として経済的な国益を得る事です。
日本と中国の経済的な結び付きは、貿易の面から見ても大きく、台湾海峡で紛争が発生すると、日本にとっても、台湾にとっても、そして中国にとっても多大な経済的ダメージが発生してしまいます。
今年は日中平和友好条約が締結されて45周年となります。節目の年に抑止力強化を述べるという事は、中国の力による現状変更を許さないという、日本からの強烈なメッセージになったと思います。
先月下旬には、年内を目標に日中韓の首脳会談を各国の外務高官が調整しているという報道もありました。今回の発言は、一見挑発的に思えるかもしれませんが、調整中の日中韓首脳会談を見据えた、高度な駆け引きだと考えています。
三、戦う覚悟の前に憲法改正や国内の工作員を洗い出すスパイ防止法が急務じゃないですか?
これすらやれない国が何が戦う覚悟だ…
そこまで言うなら、しっかり法整備して相手は核保有国でもあるんだから、同等…もしくはそれ以上の核を保有し、通常兵器も万全に揃えてから言ってくれないと、今の日本の状況で国民に戦えは先の大戦と同じ事を国民に要求してる事になります。
明らかに米国との軍事的、物量的に差があるにもかかわらず戦わせた….あの苦い経験がいきてないじゃないですか?
中国が先に台湾そして日本の尖閣などに手を出したならば戦わなければなりません、しかしながら、その準備を国がしっかりしてるとは到底思えません。
******************************
麻生元首相の台湾巡る発言、中国が厳重抗議
8/9(水) 17:20配信/ロイター通信(英国)日本語電子版
[北京 9日 ロイター] - 中国は9日、麻生太郎元首相の台湾を巡る発言に対して厳重に抗議したと発表した。
在日中国大使館は声明で「日本の一部の人々が中国の内政問題と日本の安全保障を結びつけようとすれば、日本は再び方向を見失うことになる」と非難した。
コメント総数;439件
♦山口亮(東京大学先端科学技術研究センター特任助教)
元はと言えば中国の一方的な現状変更の試みが問題である。ただ、中国の反発は想定内だが、やや控えめなのは、麻生自民党副総統が閣僚ではないからかと見られる。中国にとって台湾問題は「内政問題」かもしれないが、インド太平洋地域への影響は計り知れない。また、問題となるのは、中国がどの様に統一を試みるかだが、まずは台湾に対し、断れないオファーを出すと同時に、台湾が「独立」を宣言し、「外部勢力による干渉」を許したと見做した場合、実力行使に出る恐れがある。
イ、近年米国やオーストラリアだけでなくNATO諸国も日本で共同演習を行い、国際的な包囲網を形成する意志を示しているのに対し、中国にとって頼みのロシアはウクライナ相手に手一杯の状態。
これまで北京が喝をいれればすぐに日本のメディアはこぞって共産党独裁者にひれ伏し自国の政権批判を繰り広げていたが、もはやそれも通じない。
中国の帝国主義的覇権拡大を続ける一方で経済的にはバブル崩壊に近い状態の中国にとって暴発させないよう、台湾にとって最も近隣国かつ友好国である日本が確固たる意志を示したことは極めて重要だ。
ロ、記者「岸田総理!中国からの抗議に関してお考えを聞かせてください」
総理「えー、まずこういった内容の抗議に関しましては、んー、深い懸念と共に憂慮しており、あー、然るべき対応をするように検討するよう関係省庁に指示した次第です、えー、重ねて国民の不安等の払拭に全力を注ぎ検討を加速するよう検討してまいりたい、えー、また中国の主張は自由で開かれたインド太平洋の根底を揺るがしかねない喫緊の課題であり我が国としましては状況を注視し、また必要にあっては防衛費増大施策の更なる拡大が予測される為、国債に頼らない形での、えー、よりいっそうの力強い財源を確保する為にも増税という選択肢も排除はしない、様々な可能性も含め慎重かつスピード感をもって検討に検討を重ねてまいりたい、ということです」
岸田総理、ぜひ会見しましょう笑
ハ、たぶん麻生氏は、中国から抗議が来るのは承知でこの発言をしたと思う。日本政府の考え方や、中国に対する懸念を、真正面から首相が直接言うのは影響が多いから。(中国でも、習氏の直接の発言が伝わることはなく、たいてい外相とか他の政府要人たちによる発言だ)台湾の総統に会い、これぐらいの事を言わねば、台湾からの日本への信頼は薄れる。台湾の選挙も近いのだし、台湾には親中派も結構いるからね。
******************************
二戰後最嚴峻安全情勢 麻生太郎籲台灣展現捍衛意志
(第二次大戦後最も厳しい安保情勢 麻生氏「台湾がまず防衛意志を示すべき」)
2023/08/08 11:29配信/自由時報(台湾)電子版より
******************************
戦後日本人は、GHQ占領軍の策謀によって軍事力を悪と思い込まされている。しかし、麻生太郎(終戦時4歳)氏は所謂「自虐史観」に染まらなかった数少ない政治家の一人である。指導層の中核が公職追放されたとは言え、昭和30年代頃までは戦前・戦中を知る教育勅語世代が指導的立場にあった。表向きは面従腹背せざるを得なかったにせよ、GHQのプロパガンダが噓八百であることを見抜いていたのだ。
それは、自分の義務教育期(昭和29~38年)と符合する。20歳代のガリガリ日教組教師もいたが、人気があったのは40歳以上の苦みばしった先生方であった。
現代台湾では、①『聯合報』、②『自由時報』、③『蘋果日報』、④『中国時報』が四大日刊紙とされる。夫々の政治スタンスは、②③が民進党(=与党)寄り、①④が国民党(=最大野党)寄りの論調で知られている。支持政党の違いが〝反中・親日米″か〝親中・反日米″かに分かれていて或る意味判り易い。なお、日本語があって便利な中華民国国営中央通訊社の電子版「フォーカス台湾」は、もともと中国国民党御用達のメディアだった。しかし、今日では政権与党(つまり民進党)寄りに宗旨替えしている。
戦後日本と台湾との間には似通った点がある。片や中華民国(=中国国民党)軍、此方米軍主体のGHQと、占領者が異なるものの、ともに占領軍統治下にあったということ。日本の場合、1952年に主権回復を果たしたが、それも形式的なもので実態は軍事・経済両面で米国に頼ったまま今日に至っている。独立不羈の観点からは有るまじき事態と言わざるを得ない。
台湾の場合は更に酷く、民主化により土着政党の民進党が政権を掌握しているものの、現在もなお中華民国の占領下にある。中国共産党にせよ中国国民党にせよ、台湾人=中国人と考えているフシがあるようだが、とんでもない。チベット人、ウイグル人、蒙古人も中国人なのか? 中共は同化策に反抗する彼らを迫害・虐殺しているではないか。民族的にも文化的にも「中国人」とは異なるからに他なるまい。台湾人も然り。
自分の父方を遡れば祖父母がカナダ移民者という事情があって、叔父叔母。従弟妹たちは全員が日系カナダ人である。父だけが幼児期に日本に帰されて祖母方実家で育ったため、祖父母一家のうち唯一人の日本人(戸籍復元)なのだ。顔貌が似ているからといって、日本語さえ話せぬ従弟妹たちを「日本人」と思ったことなど一度もない。皮肉なことに従妹の旦那(英国系二世)が日本贔屓で、経営する船舶部品工場の工作機械は総て日本製、カタコトの日本語なら話せる。
こんな個人的昔話など興味なかろうから、ニュースに戻ろう。麻生氏の地元福岡八区は我が亡母の故郷(飯塚市)と重なるので子供時分によく連れられて行った。昭和30年代頃まで炭鉱町として賑やかな熱気を感じたものだが、炭鉱閉山に伴って今やすっかり寂れてしまった印象だ。どうでもいいけど、1990年代初頭に旧東独を訪れた際、そこかしこで石炭の臭いが漂って妙に懐かしかった。当時、エネルギー(燃料)と言えば、木炭・石炭・豆炭などで、石油製品は車輛用が主で家庭向けには殆ど使われてなかった気がする。
またもや昔話に戻ってしまった。ニュースの核心は、麻生氏【戦う覚悟】発言をどう観るかだろう。批判的なのは中国共産党をはじめとするアチラ系の人たちばかり。当の台湾メディアなどは好意的に捉えているようだ。その意味で、左翼地球市民(グローバリスト)どもを炙り出すよきリトマス試験紙になったのではないか。
コメント