「反日暴挙」棚上げのまま日韓スワップ再開
岸田政権、韓国支援の側面も日本にメリットなし
「外交の原則、国家の根幹揺るがしかねない」松木國俊氏
6/30(金) 17:00配信/夕刊フジ電子版
日韓両政府は29日、東京都内で「日韓財務対話」を開き、金融危機時に外貨を融通する「通貨交換(スワップ)協定」を約8年ぶりに再開させることで合意した。同協定は、経済危機に陥る可能性のある韓国にはメリットがあるが、日本に実利はない。岸田文雄政権は、隣国による数々の「反日」暴挙を棚上げして、なぜか関係改善に急いでいる。ジョー・バイデン米政権の〝圧力〟なのか。日本国民への明確な説明が必要だ。
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「いざというときの備えが、円と(韓国の通貨の)ウォンの信認にプラスに働く」
鈴木俊一財務相は対話後、記者会見でこう語った。
通貨スワップ協定は、金融不安に伴う資本流出や為替変動に備える仕組み。自国通貨と引き換えにドルなど外貨の融通を受け、対外債務を支払ったり自国通貨を買い支えたりする。今回は、100億ドル(約1兆4000億円)を上限にしている。
日韓の通貨スワップ協定は、1997年のアジア通貨危機が韓国を直撃したため結ばれた。「反日」姿勢を強めた朴槿恵(パク・クネ)政権から「協定延長は不要」との声が出て、2015年に打ち切られた。
岸田政権としては、韓国にメリットがある協定再開を、日韓関係改善の象徴としたいようだ。ただ、韓国は「島根県・竹島の不法占拠」や「韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件」など、数々の「反日」暴挙のケジメを付けていない。
朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「外交は本来、仲良くするだけではなく、互いの国益をぶつけ合うのが原則だ。日本にメリットがない協定を結ぶとすれば、日本は一連の『反日』暴挙など、懸案事項について韓国側に国内での解決や説明を求め、『譲れない条件』を示すのが普通の外交姿勢ではないか。バイデン政権の圧力も指摘されるが、岸田政権が他国の要請を無原則に受け入れる姿勢を続ければ、国益が損なわれ、『日本の自主独立』『国家の根幹』を揺るがしかねない」と語った。
岸田政権はスワップ協定以外に、韓国を輸出手続き上優遇する「グループA(旧ホワイト国)」にも再指定した。韓国が19年に指定除外となったのは、大量破壊兵器に転用可能な戦略物資について、韓国側の輸出管理に疑わしい事案が続出したためだ。
一連の動きをどう見るか。
経済評論家の渡邉哲也氏は「今回のドルスワップの場合、岸田政権は米国の要望に応じたとみられる。米国は専制主義国への半導体輸出を望ましくないと考えるが、多くの半導体を製造する韓国の輸出管理能力を怪しんでいる。日本主導の協議体をつくる狙いもあるだろう。日韓間には懸念があるが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が倒れればリスクも増す。総合的判断で米国と歩調を合わせたのではないか」と語っている。
コメント総数;237件
一、百歩譲って竹島問題解決のための国際司法裁判所への共同付託に韓国側が応じたのならまだしも、完全にアメリカの言いなりで日本政府は動いているとしか考えられない。そして菅首相時代まで首脳会談に日本が応じないほど一貫した立場だったのにそれは間違いだったと認めるような岸田政権の舵取りは国家の運営としても相当まずい状況だ。ホワイト国復帰、スワップ再開、レーダー照射は謝罪なしなど韓国が利することばかりであり、日本の国益を著しく損ねた。
二、今回のスワップだけは、納得いかん。根幹の解決なしのなし崩し。個人的にはレーザー照射の責任所在の明確化と謝罪は必須でしょ。こんなんだから日本は舐められる。今回ばかりは、いつも行かない選挙に行ってささやかな抵抗をします。
三、他社の記事によると期間は3年らしい、岸田政権には怒りしかない。
どう駆け引きすれば3年100億ドルになるのだ? 有り得ないだろ!
100億ドルって1.4兆円をドブへ捨てたに等しい、回収できない確率が高い。
数々の反日暴挙をほとんど棚上げにしてスワップ再開だなんて愚策すぎる。
関係改善の象徴的意味合いが大きいって楽観視している場合じゃない、
日本は少し強く押せば簡単に折れると誤ったシグナルを発したも同然、
対韓だけでなく米中北露を含む全世界が同様に考えるだろう。
国益の損失は100億ドルどころか桁外れなダメージを負ったと思う。
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アジア太平洋諸国に於いて、政府間公式ルートはいざ知らず、少なくとも民間(一般国民)レベルで我が日本に非友好的かつ敵対的な所謂「反日国家」は極めて少ない。概ね好意的であるか無関心のどちらかである。近代(明治時代)以降、共存共栄・互助互譲互恵を旨とする八紘爲宇(≒シラス)思想に基づく積極的な外交政策を執って来た成果が、今になって顕在化していると言えなくもない。
『和戦両様』という言葉がある。和睦するにせよ、戦争になるにせよ、相手があることだから、どちらに転んでも対処できるように準備を整えておくことを言う。聖徳太子が『十七条憲法』で説いたように、〝和(やわらぎ)を以て貴しとなす″のが我国の伝統だから、侵略意図はないにせよ、今をときめく西洋先進国でさえつい最近まで侵略戦争(所謂「帝国主義(植民地支配と原住民奴隷化)」)に明け暮れていたことから、容易には真意を理解されないのがオチである。近代化が遅れた所謂「特亜三国(中国・韓国・北朝鮮)」は、西洋帝国主義の悪しき思想を猿真似しようとしているに過ぎない。
世界史的に観れば「奪い合い(≒戦争)」の歴史だが、我国に限っては特殊で互助互譲互恵を旨とする共存共栄・共生型の高信頼で成り立つ世の中を形成してきた。どうでもいいけど、我国独自の言い回しとして、「世の中」「世間」「世」という表現がある。これに対して「社会」「世界」などは概ね西洋語の訳語で、近世(江戸時代以前)には存在しなかった語である。
【世の中(世間・世)/社会・世界】
①「世間」は、生活の場の範囲を漠然と示すが、「世間の目」「世間の口」のように、そこにいる人々のこともさす。
②「世」は、仏教では三世があるとされ、「さきの世」「この世」「あの世」とよぶ。ある支配者が治めている時代も「世」とよぶ。「徳川の世」
③「社会」「世界」は、人の集合体をその仕組みなども含めた総体としてとらえていうが、「学問の世界」「勝負の世界」のように、その範囲を限定する意味合いの強いときは、「社会」では置き換えられない場合もある。
④単に「世界」というと、地球上の国々のことをさす場合が多いため、「世界」を「世間」の意味で使う場合は、「広い世界にはばたく」「住む世界がちがう」など、なんらかの修飾語がつくことが多い。
話が飛躍するが、その昔、TBSの時代劇に『水戸黄門』(1969年放送開始)『大岡越前』(放送開始1970年)という看板番組があった。講談や落語にもなった古典的物語だが、スポンサー松下電器の創業者松下幸之助の意向を反映して、修身教科書を映像化したような作品に仕上がっていた。両番組とも平成の御代にも続いたが、後年になるにつれて娯楽色が強くなり、面白可笑しいだけの三流作に堕したのが惜しい。
それで以て両番組とも、〝世のため他人(ひと)のため″とか〝子は国の財産(たから)″といった言葉が頻出する。これぞ正しく我が國體(こくたい)を端的に表現せし言辞である。即ち、「悦服統治」を指す。その根幹を成すのが所謂「シラス」なのだ。シラス思想は利己より利他的精神を貴ぶ。
【國體】-こくたい-
記紀神話の天孫降臨の神勅に原理を置いた天皇統治の国家のあり方
日本は天照大神を祖とする万世一系の皇統が統治するものと定められているという考え。
【悦服統治】
強権で強制的に従わせる屈服統治に対し、心から悦んで自発的に従わせる統治方法。
【利他】
他人を顧みず、自己の利益や幸福だけを追求する利己(エゴ)に対し、他人の利益や幸福を第一義とする考え方。
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