ロシアの核威嚇「許さず」 サミット開幕
対中・AI議論 ゼレンスキー氏、20日にも来日
5/19(金) 17:34配信/JIJI.COM(時事通信社)電子版
先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は19日開幕し、広島市内のホテルで討議を行った。
ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、核兵器の威嚇や使用は「許されない」と明記した首脳声明を発表した。威圧的な動きを強める中国への対応や核軍縮、人工知能(AI)についても議論。日本政府関係者によると、ウクライナのゼレンスキー大統領が20日にも来日し、21日に対面出席する。
岸田文雄首相は討議の冒頭、「分断と対立ではなく、協調の国際社会実現への貢献を打ち出す」と指摘。法の支配に基づく国際秩序維持の重要性を世界に発信する意向を示した。「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国への関与強化も訴え、各首脳は同意した。
最重要課題であるウクライナ情勢に関する首脳声明は、ロシアを「最も強い言葉で非難」し、即時、完全かつ無条件の撤退を要求。対ロ制裁の強化とウクライナ支援の継続で一致した。ロシアに武器を供給する第三者を阻止するための連携強化も盛り込んだ。
核軍縮に関し、首相は自ら提唱した「ヒロシマ・アクション・プラン」を説明。核兵器の不使用継続や各国指導者の被爆地訪問の意義について各首脳の理解を得て、ライフワークとする「核兵器のない世界」実現へ機運を醸成したい考えだ。
一方、各首脳は対話型AI「チャットGPT」に代表される生成AIに関し、国際的なルール作りに向けた枠組み「広島AIプロセス」創設で合意。担当閣僚が議論し、年内に報告させることを申し合わせた。
討議に先立ち、首相は広島市の平和記念公園でバイデン米大統領らを出迎えた。初めてG7首脳がそろって平和記念資料館(原爆資料館)を視察し、被爆者とも面会した。20日は韓国、インドをはじめとする招待国首脳を交えて食料問題などを協議。21日に首脳声明を採択して閉幕する。首相はゼレンスキー氏との個別会談も調整している。
コメント総数;484件
■石川智久(日本総合研究所上席主任研究員)
広島から「核は許されない」というメッセージを発信できたことはとても意義深いと思います。実際、海外のメディアもその象徴性をかなり重視しています。米中対立が深刻化し、国連やG20では強いメッセージが出せないなか、日本の主張したいことはG7を使うという方法が確立できたことはとても良いことと思います。これを梃子に様々な国際会議の場で、日本の国益を主張していくことが重要です。また、声明文の中で、「ロシアが我々や世界に対してエネルギーの入手可能性を武器にすることをもはやできないようにする取組」について言及がありますが、こうした経済的威圧について文言が盛り込まれたことも注目されます。経済、エネルギー、資源、安保が不可分となるなか、今後はG7で経済などを含めた広義の安保について具体的な枠組みを作ることが求められます。
■高橋浩祐(国際ジャーナリスト)
G7首脳声明は、「15か月に及ぶロシアの侵略は、何千もの命を奪い、ウクライナの人々に甚大な苦難を与え、世界の最も脆弱な人々の多くのための食料とエネルギーへのアクセスを危険にさらした」などと指摘し、最も強い言葉でロシアを非難している。その一方で、「我々は、ウクライナの人々の損失と苦難に、心から同情と哀悼の意を表明する。我々は、ウクライナの人々の勇敢な抵抗に敬意を表する」と述べ、ウクライナ支援を続行する姿勢を改めて示している。
声明では、ロシアがダイヤモンド輸出で収入を得ていることから、ロシア産ダイヤモンドの取引制限を目指すと新たにうたわれた。
この声明に魂を注入するのが、ゼレンスキー大統領による劇的な広島訪問だろう。CNNは「新たなドラマが始まる」と報じていた。ロシアのプーチン大統領がこれをどう受け止め、どう出てくるか。核の脅しを繰り返すプーチン大統領への強いけん制になるのは間違いない。
一、ロシアの侵攻は決して許されない。
核で威嚇し、外部からの介入を弱める方法は卑劣である。
残虐な行為も厭わず行ってきた。
ロシアに必ず代償を支払わせることが求められる。
ロシアには天然資源もあり、多くの農産物も輸出している。
ウクライナに賠償が可能であり、資源の権利をウクライナに無償で譲ることも1つの案になるだろう。
ゼレンスキー氏とG7でよく話し合って、
勝利するウクライナの今後の新しい道を描くことが重要であろう。
二、これは歴史的なサミットになりそうですね。
ゼレンスキーも加わり、韓国大統領やクアッド首脳会談もある。
ゼレンスキーを手ぶらで帰らせるわけもないだろうから、かなり大規模な新規の支援提示があるのではないだろうか。軍備・資金両面で。
そしてプーチンには「おいてめえ核だけは使うんじゃねえぞ」という強いメッセージを発信できた。
岸田外交というよりも日本の外交史に残るサミットになりそうだ。
三、ゼレンスキー大統領の訪日決定により、今回のG7サミットがウクライナ戦争に与えるインパクトは格段に上がったと考えます。
サミットにはG7首脳のみならず、G20議長国インドやブラジル、AU・ASEANの議長国といった国々も招待されており、これらの国々とウクライナが一堂に会して世界へ発信を行うことができれば、その影響力は絶大でしょう。
そしてゼレンスキー大統領が原爆資料館を訪問するかどうかも、大きな注目ポイントとなりそうです。核使用を牽制する観点からウクライナがこのチャンスを利用しない手は無いですし、岸田総理としても核軍縮を広島からという長年の悲願を実現するこれ以上ない機会となることでしょう。
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G7サミットが岸田総理の地元広島で開催されている。G7(先進七か国)会議自体は、ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)同様、金満者(国)のヒマツブシ的位置づけで、左右両派からの否定的な観方が大勢を占めている。が、議長を務める岸田総理にとっては、世界のトップリーダーとしての存在感を示す絶好の舞台となった。
'91年の東側盟主ソ連崩壊により東西冷戦時代は終わったかに見えたが、今世紀に入ってからも「ソ連復活」を目論むプーチン露西亜と西欧シフトを強める旧ソ連圏独立諸国との間で紛糾の火種が絶えない。最たる例が烏(ウクライナ)露(ロシア)戦争であろう。
我ら(西側)の眼には、れっきとした独立国ウクライナへ攻め入ったロシアが100%悪いと映るが、〝盗っ人にも三分の理″でロシア側にもそれなりの言い分がある。曰く「(ウクライナは)もともとソ連(現ロシア)の領土」というとんでもない理窟だから呆れてモノが言えない。この理窟が通るなら、『南樺太・千島列島は元々日本の領土』ということになる。
自分は世の中(人間社会)を相互信頼に基づく役割分担(分業)型社会だと位置付けている。人間は一人では生きて行けないし、如何な偉人賢人であれ〝弘法も筆の誤り″の俚諺があるが如く神仏ではない人間は、失敗するし過ちも犯す不完全な生き物なのだ。
西洋哲学が「全知全能(=完全無欠)の神」に近づこうとしたのに対し、我国の哲学は「人間は所詮が不完全な生き物」という諦観から始まったと観ている。前者はニーチェの【超人(スーパーマン)】という概念を産んだが、賢人でも愚人でもない凡人の集まりに過ぎないとする聖徳太子は【和(やわらぎ)】を基本概念に据えた。役割分担を有機的に機能させるためには相互信頼が不可欠だからだ。実はこの〝相互信頼(=信義)″こそ、神仏に近い利他主義的国民性を培ってきたシラス思想の精華なのである。或る意味で自発性集団的倫理道徳観念の誕生とも言える。そこへ行くと西洋哲学は、飽くまで神と自己しか念頭になく、どこまでも個人主義(≒利己主義)的であり、集団倫理道徳観念には成り得ていない。
【利他主義】-altruism-
利己主義に対して、他人の幸福や利益を図ることを第一義とする考え方。
[愛他主義]・・・一般に、思いやりの衝動や感情、あるいはそれに基づく行動。
【利己主義】-egoism-
自分の利益や自分の立場だけを考え、他人や社会一般のことは考慮に入れず、わがまま勝手にふるまう態度。身勝手。エゴイズム。
【十七條憲法の一】
一曰、以和爲貴、無忤爲宗。人皆有黨。亦少達者。以是、或不順君父。乍違于隣里。然上和下睦、諧於論事、則事理自通。何事不成。
一曰く、和をもって尊しとし、逆らわないのを教義とせよ。人は皆、群れるし、また頭の達者な者は少ない。 それゆえ、あるいは父たる天皇に従わず、背くにおいて隣の里。しかれども、上が和らぎ下と睦まじく、戯れにおいて事を論じれば、すなわち事の道理は自ら通じる。何事も成し遂げられない。
G7の話題から甚だしく逸脱してしまった。輪番制のG7議長国が今年度日本に巡って来ただけのことで、加えてG20議長国(インド)や韓国・豪州・ベトナム・インドネシア・ブラジル・ウクライナなどの首脳を招待したのは議長国(日本)特権で驚くには当たらない。言いたかったのは、これだけの各国首脳が集められたから世界が注目しのだろうか?
確かに政界・財界・マスコミ界の関心は高かったかもしれない。とりわけヤリ玉に挙げられた形のプーチンロシアと習近平中国共産党は、内心穏やかではなかったに違いない。おそらく岸田総理の眼目もその辺りにあったと推察できる。ロシアはともかく、中共が早速狂ったように喚き散らしていることから、目論見は成功したとみてよいだろう。
だが、それだけではないと思う。スナク英国首相が広島東洋カープ靴下を履いて岸田総理と握手したり、広島名物〝お好み焼き″のPRを務めたりの燥ぎようで人気を博している。単なるパフォーマンスに過ぎないのだが、ニッポンが好きで好きで堪らないといった風情にウソはないように映った。
飽くまで想像に過ぎないが、彼ら西洋人にとって、神と見紛う利他的精神を一般庶民に至るまで具備する日本が「神の国(=天国)」のように思えるのだろう。西洋先進国を中心に、我国の利他的国民性が世界的な関心を惹き付けているのだ。利己主義は争いをもたらすが、利他主義は平和に導く。ようやく世界中の人々が、そこに気付き始めているのではないか。
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-追伸-《LGBTQ》なる案件について
「和(やわらぎ)」や「睦(むつみ)」は、相互信頼の関係があって初めて成り立つ。男女を機能から判断すれば済む問題だ。子を産む機能は女の特権、しかし男が居なけりゃ子は成せない。つまり、お互いを尊重しない限り子は成せないだけの話。L(レズ)G(ゲイ)B(両性愛者)T(心体性不一致者)Q(性指向不定者)の主張を受け容れるのは筋違い。もとより彼らへの差別があってはならないが、否応なく「区別」しなければ始まるまい。圧倒的大多数である普通の男女(所謂「公共の福祉」)に迷惑が及ばない限り、どうぞ自由ご勝手に、で終わりの案件なのだ。
「男女別トイレ」「男女別公衆浴場」の他に、多目的と称する「共用トイレ」や「車椅子トイレ」「混浴風呂」などを別途設けるのは差し支えないが、「同性婚」となると、伝統文化の根幹を破壊する愚案として絶対反対。
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