WBC日本&台湾、2種類のお辞儀文化を海外称賛
「本当に尊敬する」「この文化が大好き」
3/12(日) 6:13配信/THE ANSWER 電子版
野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は連日熱戦が繰り広げられている中、日本と台湾のお辞儀が脚光を浴びた。両チームとも試合後に客席へお辞儀。一列に並んだ日本に対し、台湾はマウンドに集まって円をつくった。大会公式が動画を公開すると、国内外のファンは「本当に尊敬する」「日本では見ないスタイルだ」と注目した。
国によってスタイルが違った。一列に並んだ侍ジャパン。大谷翔平、ラーズ・ヌートバーらが帽子を取り、客席に一礼した。くるりと振り返り、反対サイドにも。一方、台湾はマウンドの周りに集まった。マウンドの形に合わせて円をつくると、外を向いて360度取り囲んだファンにお辞儀。振り返り、今度は円の中心に向かって頭を下げた。
WBC公式インスタグラムが動画を公開。文面に「ホームの観客に感謝」と記した。海外ファンからは「この文化が大好き」「日本のこれは本当に尊敬する」「文化」「アジアの観客は最高!「これを米国ではやらないMLBのスターたちは本当に良くない」と称賛のコメントが相次いだ。
同じく同公式のツイッターの投稿には、日本人ファンの間でも「台湾にも礼ってあるんだ」「試合後の客への挨拶ひとつをとっても異なる文化があることがわかる」「日本では見ないスタイルだな」と違いが話題を集めていた。
コメント総数;74件
一、台湾は第二次世界大戦時に日本が統治していたこともあって根本的な文化は日本と似てるのだと思う
やはりスポーツの基本は『礼に始まり礼に終わる』と『相手への敬意を忘れない』こと
そういった考えを共有できるから台湾と日本は友好関係を保ち助け合えるのです
二、こういう、基本的な礼儀作法というのは、世界にも通じるものなんだなということが改めて分かる。W杯で有名になった日本式礼儀作法ではあるが、今後も続けていってほしい。
もちろん、我々もね
三、まさしくお辞儀をするというのは相手を敬うという日本の文化そのものだね。日本の国技と言われる相撲や柔道では礼に始まり礼に終わるのは当然で当たり前すぎて外国人選手も普通に行っていても違和感はない。最近では女子ゴルフの古江や原、その他の選手も1番ホールと最終ホールでは当然のようにお辞儀をして礼を尽くすし記憶の新しい所ではマスターズの松山が優勝した際のキャディーが18番で自然にお辞儀したことが海外では話題になった。ラグビーでもグランドに入る前にグランドにお辞儀をして入場するリーグワンの選手もいるが、これらも日本人の中にお辞儀をすることが生活の一部になっているからでわざとらしくなく違和感を感じさせないから海外から称賛されるのかもしれない。タイなどでは両手を合わせお辞儀をされることが感謝の意を込めてよく行われるがこれもその国の文化でタイ人がするから絵になると思うことが多い。
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開催中のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に纏わるニュースだが、試合の行方とは何の関係もない純然たる文化論である。W杯ラグビー日本大会(2019)に始まり、東京五輪(2021)、W杯サッカーカタール大会(2022)と続いた一連の国際スポーツ大会において、こうした日本文化高揚論的な報道が一種の流行りになっている。
それは好いとして、日本代表を「侍ジャパン」とか「なでしこジャパン」などと軽いノリで呼ぶのは止めてもらいたい。日本語記事だから読者の圧倒的大多数は当然ながら日本人。なのに自国を〝ジャパン″と外国人感覚で書くのは可笑しい。それに、「侍」とか「なでしこ」とかは、日本人なら誰しも特別な思い入れがある語なのだ。おのれのイメージに合致していればいいが、そうでないと莫大な違和感に苛まれる。
本記事はともに大会ホスト国でありながら、日本と台湾では文化が異なるという角度で捉えている。果たしてそうだろうか。自分は「コメント;一」に近い意見だ。スタイルこそ異なるものの、精神の根柢にあるものは同じだと思う。即ち、対戦相手への敬意と観客(ファン)に対する感謝の表現である。
第二次大戦後の日本と台湾は同じように過酷な道程を辿ってきた。即ち、此方GHQ、片や中国国民党と異なるものの、ともに外国軍占領下に置かれた。日本の場合、昭和27年4月に独立(?)を果たし、後に沖縄・小笠原諸島も返還された。しかし台湾は、李登輝総統時代に民主化が進み、現政権こそ台湾人の掌中にあるものの、国家体制(国号や憲法など)自体が現在も中華民国(=中国人)による占領(不法占拠)下のままだ。
GHQ占領下の日本に主権がなかったドサクサで、北方領土はソ連(ロシア)に、竹島は韓国に、台湾は中華民国に領土を盗まれたのである。日本が台湾の領有権を放棄したのは、1952年4月のこと。それ以前から中華民国が不法占拠していたにも拘わらず、何故日本政府は中華民国に台湾を割譲(返還)しなかったのか。以下は推量に過ぎないが・・・。
① 台湾人(国籍上の日本人)と残留日本人を大虐殺した二・二八事件の犯罪国家中華民国(=中国人)には、人道的見地から返還したくなかった。
② 大陸に国家未承認の中華人民共和国が成立したため、「二つの中国」に交渉がややこしかった。
③ 台湾の帰属先は、独立を含めて台湾人(中国人ではない)の意思に委ねたかった。
台湾の文化は、日本のそれとは違うし況やシナ(中国)をおいておや、である。どちらかと言えば中国文化より日本文化と親和性があるのではないか。謎を解く鍵はテンニースの社会学説に出て来る「本質意志」である。
【本質意志】-(独語)Wesenwille-
ドイツの社会学者 F.J.テンニースの用語。彼は人間の精神的意志活動の特質を,情意と思惟の2要素のからみ合いと認識し,本質意志と選択意志の2類型に分けた。本質意志にあっては,情意は人間を一つの全体の部分として結合させる特殊な社会的衝動であり,その結合力は「有機的な愛の力」であると考えられている。こうした本質意志の結合は,総人格的な親和関係や,共同体的な癒着関係,すなわちゲマインシャフトを生んでいく。本質意志の結合形式として彼は血,地,精神の3種をあげ,それぞれの結合契機に基づくゲマインシャフトの例を示している。
ゲマインシャフト(共同体)形成の接着剤が「有機的な愛の力」とあるが、〝有機的″または〝愛″とは何ぞや?
【有機的】
有機体のように、多くの部分から成り立ちながらも、各部分の間に密接な関連や統一があり、全体としてうまくまとまっているさま。
【愛】
① 親子、兄弟などが互いにかわいがり、いつくしみあう心。いつくしみ。いとおしみ。
② (品物などに)ほれこんで大切に思うこと。秘蔵して愛玩すること。
③ 人との応対が柔らかいさま。あいそ。
④ キリスト教で、神が人類のすべてを無限にいつくしむこと。
また、神の持っているような私情を離れた無限の慈悲。
⑤ 男女が互いにいとしいと思い合うこと。異性を慕わしく思うこと。恋愛。ラブ。
また一般に、相手の人格を認識し理解して、いつくしみ慕う感情をいう。
なるほどねえ。こうしてみると、日本と台湾の文化に「愛」を感じるから近似性を見出すというより、「愛」の裏返しである「憎しみ」しか感じさせない無機的な中国文化が異質、と言ったほうが正確かもしれない。
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