中国の“ナンバー4”と台湾野党幹部が会談
蔡英文政権をけん制
2/11(土) 11:28配/毎日新聞電子版
中国国営新華社通信は10日、共産党政治局常務委員の王滬寧(おうこねい)(党序列4位)氏と台湾の最大野党・国民党の夏立言副主席が北京で会談したと報じた。中台関係が緊張する中、双方が関係強化をアピールし、台湾の与党・民進党の蔡英文政権をけん制したかたちだ。
新華社通信や国民党の発表によると、王氏は会談で、「台湾独立は平和と相いれず、断固として反対すべきだ。両岸(中台)の交流を一刻も早く正常化することが急務だ」と強調した。夏氏は「対話を継続し、相互の信頼を築き上げ、台湾海峡の平和維持を重要な目標とすれば克服できない困難はない」と応じた。昨年10月に習近平指導部が3期目に入って以降、両党幹部による会談は初めて。双方が対話を継続していく姿勢を示した。
国民党は、中国との対話を通じて台湾海峡の緊張を緩和させる方針を示し、2024年の次期総統選に向けて支持拡大を図る。「台湾独立勢力」とみなす民進党が政権を維持することを阻止したい中国側は、中台が「一つの中国」で合意したとされる「92年コンセンサス」に基づく対中政策を進める国民党を厚遇する。
王、夏両氏が会談した10日には、新型コロナウイルスの影響で運休していたフェリー便(福建省泉州市-台湾・金門島)が3年ぶりに再開した。
夏氏は8~17日の日程で訪中している。9日には中国で台湾政策を主管する国務院(政府)台湾事務弁公室トップの宋濤(そうとう)主任と会談した。
【台北・岡村崇、北京・岡崎英遠】
コメント総数;26件
一、台湾の対中国民世論は仲良くしたいけど、中国共産党の一党(独裁)支配は嫌だというものだろうと思う。習氏もかつては二制度を継続させると話していたが、蔡総統が頑なに拒否し、アメリカが支援に回ったことで軍事的な揺さぶりをかけているが、日米欧がほぼ台湾支持に回ったことで、軍事侵攻は世界を敵に回す事になると台湾野党を味方につけようとしているのだろうが、目論見どおり行かないと思う。
二、滬寧は中国共産党最高指導部では宣伝担当だよね。「中華民族の偉大なる復興」などのスローガンを立てた人。中国のプロパガンダ担当です。中国は夏副主席の訪中にあえてこの人を対応させた。
た共産党も大きな誤解がある。例え国民党が総統選挙に勝てたとしても、そるだけで台湾が中国に入ると手を挙げるわけではない。統合には国民への直接の国民投票が必要です。国民投票まで行くとは思えないが、行ったとしても、統合は否決されるでしょうね。
中国は民主主義を理解していない。いくら手厚くもてなしても国民がついてこないです。
更にこんな選挙、必ず西側から選挙監視団は来ます。また、国民投票も過半数では決めないと思います。2/3以上の賛成とか、多分、そんな感じで決めます。
なので、やっぱり国民党でも和統は100%無理です。
三、私は思います。台湾は民主主義国家として、すでに形成された社会を築いています。
今回、台湾の国民党が中国本土を訪問したのは、あくまで台湾国民の安全を守る為であると思います。
なぜ、民主主義の道を築いてきた台湾が、中国の一部になる必要があるのですか?
両岸には親戚がいたり、民間人の交流、商売もなされている事でしょう。だからと言って、それが統合の理由にはなりません。
ヨーロッパを見てください。元々は同じ民族でありながら、国家として、違う国を形成してきた国々があります。
声高に叫び、屈服させたいならお門違いでしょう。
中国本土の人々が、自由を求めて昨今デモを中国各地で起こしています。
中国は大きい国で力があるというのも、国民あってこそです。国民の自由、安全、平和を守れない政権を、世界中が見ているのです。
強権主義による力の支配は、すでに時代遅れになるべきです。国民に悲劇しか生みません。
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訪中の国民党副主席、中国序列4位と会談
游立法院長、台湾の団結訴え
2023/02/11 16:53:12配信/フォーカス台湾(中央通訊社)日本語電子版
(台北中央社)中国を訪問している野党・国民党の夏立言(かりつげん)副主席(副党首)は10日、北京で中国共産党序列4位の王滬寧政治局常務委員と会談した。これを受け游錫堃(ゆうしゃくこん)立法院長(国会議長)は11日、共産党は台湾侵略のためにあらゆる手段を講じていると指摘。「台湾は団結すべきだ」とくぎを刺した。
夏氏は会談の席上、台湾海峡の平和維持を重要目標とし、交流と対話を続ければいかなる困難も解決できると語ったとされる。
游氏はこの日、台米関係をテーマにしたシンポジウム出席前にメディアの取材を受け、台湾が自分の生活と民主主義を守るためには、自衛の方法を考えなければならないと主張。共産党に侵略された場合、台湾の自由や民主主義、基本的人権などの普遍的価値はなくなってしまうと警鐘を鳴らした。
また与党・民進党も10日、両岸(台湾と中国)は平和や対等、民主主義、対話の原則の上でこそ秩序ある良好なコミュニケーションができると指摘。国民党は共産党の期待に応えられるか否かだけを気にしており、台湾の主流の民意と乖離(かいり)していると批判した。
(蘇龍麒、黄雅詩/編集:齊藤啓介)
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媚中派偏向マスゴミ毎日新聞は信憑性に乏しい。そこで同じニュースソースの台湾メディア(中央通訊社)も併載しておく。中央通訊社は、1924年中国広東省広州市にて創業した中華民国(「台湾」ではない)国営通信社である。歴史的経緯から中国国民党寄りかと思いきや記事を読む限り、すっかり台湾土着の報道機関に脱皮しているようだ。それに比べて中国共産党の下僕と化した国民党は情けない。反共を唱えて中共と対峙した蒋介石が草葉の陰で怒っていよう。
中台間軋轢の一つに【一つの中国】論がある。1972年の中国国連代表権問題が発端となっている。「中華人民共和国北京政府」と「中華民国台北臨時政府(台湾政府ではない)」がともに〝中国″の正統性を争っていたからである。その意味では、同床異夢とは言え、曲がりなりにも論争が成立していた。毛沢東も蒋介石も未だ存命だった頃の話である。
台湾は1952年4月にサンフランシスコ講和条約が発効するまで日本領であった。この条約で日本は台湾の領有権を放棄させられたわけだが、日本軍の武装解除を名目に中華民国軍が戦後直ぐ台湾に進駐し、そのまま不法占領していたにも拘わらず、台湾の帰属(返還)先を明記していない。その理由として、次のような事情が考えられる。
① 独立も含めて台湾人の意思に委ねたかった。
② 二二八事件を起こした「中華民国(中国国民党政府)」には返還したくなかった。
③ 大陸に「中華人民共和国(中国共産党政府)」が出来て交渉先が複雑化した。
【二二八事件】
1947年2月28日、日本領台湾で起きた中華民国占領軍(=中国国民党軍)による台湾人(=国籍上は「日本人」)及び残留日本人を標的とした大虐殺(所謂「白色テロ」)事件。
1950年代の中国共産党と中国国民党のスタンスは次のとおり。
[中国共産党]
① (中華民国は消滅したのだから)「中国」は世界に唯一つ、中華人民共和国だけ。
② 消滅した中華民国を僭称する台湾は、当然ながら中華人民共和国固有の領土。
③ 国連中国代表権は、世界に唯一つの「中国」である中華人民共和国のもの。
[中国国民党]
① 中華民国は滅びず、中華人民共和国より先に「中国」を名乗っている。
② 大陸は言うに及ばず、実効支配する台湾は中華民国固有の領土。=大陸反攻
③ 中華民国が存続している以上、国連中国代表権を譲り渡すつもりはない。
論点を整理すると、双方が虚構(ウソ偽り)の上で言い争っていることがお分り頂けよう。
① お互いが「中国」を名乗り合う関係だから、「一つの中国」はウソ。
② 台湾は国際法上日本領(当時)なのに、お互いが「中国領」と言い張るウソ。
③ 国土も国民も失った中華民国が国連中国代表権を有する(当時)ウソ。
中国共産党が宣う「一つの中国原則」は、現在も変わらない。では、中国国民党に代わって現代台湾を実効支配する蔡英文民主進歩党政府のスタンスはどうか。
[民主進歩党]
① 自国を「中華民国台湾」と称するものの、「中国」と呼ぶことは一度もない。
② 大陸を侵攻する言説は一度もない。台湾の将来は台湾人が決めること。
③ 国連加盟の意志はあるが、国連中国代表権を奪い返すとは言っていない。
何のことはない、今や台湾は自国が中国であることを暗に否定しているわけだ。にも拘わらず、、未だに「一つの中国原則」を声高に叫ぶ中国共産党のオツムは何処か可笑しいのではないか。まるでマンガの世界である。なぜなら、「一つの中国原則」は複数の中国がない限り、論争にさえなり得ないからである。
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