中国で習近平氏の〝独裁完成〟
異例の3期目が決定 台湾有事迫る
胡錦濤前総書記が強引に連れ出されるような動画も拡散
10/24(月) 17:00配信/夕刊フジ電子版
第20回中国共産党大会で習近平総書記(国家主席)が「異例の3期目」を決定し、「台湾有事」の緊張感がさらに高まっている。習氏は、施政方針となる政治報告で「祖国の完全統一」を明言したうえ、党規約に「台湾の独立に断固反対し、抑え込む」との文言も盛り込み、武力行使を辞さない姿勢を示した。新たな最高指導部は、習氏の側近など〝イエスマン〟で固められ、習氏の「独裁・絶対的権力」はさらに強固になった。3期目の任期となる2027年までに、台湾侵攻に動く可能性は十分ある。「台湾有事」は「日本有事」に直結するだけに、岸田文雄政権による「抑止力強化」「防衛費増額」は待ったなしだ。
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「中国式現代化によって、『中華民族の偉大な復興』を全面的に推進する。われわれは常に意気揚々とした精神状態で、社会主義現代化国家を築かなければならない」
中国共産党は23日、重要会議の第20期中央委員会第1回総会(1中総会)を開き、習氏をトップとする最高指導部を構成する新たな7人の政治局常務委員「チャイナ・セブン」を選出した。習氏は新指導部を引き連れてメディアの前に現れ、こう語った。
現在69歳の習氏は、引退年齢の慣例を破り異例の3期目に入った。最高指導部メンバーも、側近やかつての部下ら関係の深い人物で固め、権力集中をアピールした。一方、序列2位の李克強首相ら距離のある政治局常務委員は退任した。
独裁を象徴するような出来事はほかにもあった。
党大会最終日の22日、胡錦濤前総書記(前国家主席)が閉幕を待たずに会場から退場した。国営通信新華社(電子版)は英語版のツイッターで「体調不良」と報道したが、会場係によって強引に連れ出されるような動画が拡散している。政治手法などをめぐり習氏と胡氏に対立があったとの憶測が広がった。
こうしたなか、習氏は「台湾への圧力」をますます強める見通しだ。
習氏は党大会初日の政治報告で、台湾問題について、「必ず実現しなければならないし、実現できる」「決して武力行使の放棄を約束しない」と述べ、武力統一をほのめかして、威嚇した。
党大会では、党の最高規則に位置づけられる「党規約」を改正した。これまで、「祖国統一を完成する」という言い回しにとどまっていたが、「台湾独立に断固、反対し食い止める」という踏み込んだ記述に強められた。
1中総会では、中国軍の最高指導機関、共産党中央軍事委員会(7人)の人事も行われた。習氏への忠誠度に加えて、台湾を担当する地域や実戦での経験を重視する「台湾シフト」が目立った。
習氏の新たな任期中(~27年)には、米大統領選と台湾総統選が重なる24年がある。「権力の空白」を狙った中国の暴走が懸念され、台湾の蔡英文政権と、米国のジョー・バイデン政権は警戒を強めている。
■島田氏「中国は、日本と米国の動向を強く意識」
宮崎氏「習氏は歴代皇帝に並びたい」
一連の人事を、識者はどう見るのか。
中国情勢に詳しい評論家の宮崎正弘氏は「習氏の『歴代の中国皇帝に並び立ちたい』という願望が『台湾統一』への衝動につながっている。人事では、台湾問題に取り組んでいた人物が多く登用された。米国は『27年までに中国が台湾侵攻に踏み切る』と分析しているが、『台湾シフト』が明確化し、有事は早まる可能性がある。一方、習氏は周囲を完全な『イエスマン』で固め、改革派や経済通はほぼ外れた。結果として中国経済はさらに落ち込む。国民の不満をそらすためにも、台湾統一に走らざるを得なくなる」と語った。
実際に、党大会に前後して発表される予定だった国内総生産(GDP)の公表は、突然延期された。新型コロナ対策をめぐる失政などで、経済悪化は如実ともされ、不都合な数値の表面化を避けた可能性もある。
習氏の願望と失政が、複合的に台湾危機を加速させる皮肉な構図となるが、米国や日本は、どう対応すべきなのか。
国際政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「アントニー・ブリンケン米国務長官は『中国はずっと早い時期の統一を追求する決断(をした)』と指摘した。香港と同じように、軍事以外の方法を含めたあらゆる手段で台湾に浸透を図り、既成事実を積み重ねるだろう。米議会は、台湾との軍事・経済関係を強め防衛強化を支援する『台湾政策法』の成立を急いでいる。中国は台湾を威嚇した軍事演習で、日本の排他的経済水域(EEZ)に弾道ミサイルを撃ち込んできた。中国は、日本と米国の動向を強く意識している。日米台の連携強化、抑止力強化が一層不可欠になる」と語った。
コメント総数;15件
一、中国は絶対勝てる戦争しかしない。
米国の軍事力は未だ中国を圧倒している。
日本近海に展開する戦力は中国より劣ってしまうが、それでも三倍五倍のレベルではない。
自衛隊もいる。北朝鮮は韓国軍と在韓米軍が睨みを効かせている。
問題はロシアだが、しばらくはウクライナ戦争により軍事力が激減しており、日本に攻め込む事は困難だろう。
となれば、日本が今後五年間でやるべき防衛力強化は自ずから明らかだ。右翼などが望む軍事力はそこには登場してこない。物凄く地味な強化が優先されるはずだ。
中国の国恥地図を見ると沖縄含まれているが、仮に台湾を武力で我が物にしたとして、日本まで進出する余力が果たしてあるだろうか。そこまでするなら、全世界に散らばっている米軍が集結し中国軍と対峙するに違いない。もしかするとNATOも動く可能性だってある。習近平がよほど気が狂わない限り現実的ではないと思われる。
二、台湾有事台湾有事言うけど
自衛隊が北方領土に上陸したらそれは有事だろうか。
竹島に上陸したら?
尖閣諸島に上陸したら?
日本の自衛隊が日本領を移動しても
それはただの移動です。
どこかがそれに攻撃を加えてきて初めて有事。
中華人民共和国が中国の領土である台湾に軍を動かしても同じこと。
それと同時に中華民国が軍を中国の領土である上海に軍を動かしても同じことです
三、周りにイエスマンしか置かない体制は崩壊の一歩手前だよ。
あらゆる歴史を見てもそういった体制を築いた君主は内戦で沈んでいる。
僅かな反対意見すらも潰そうとするノミの心臓には言っても無駄たろうけど。
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今夏頃から風雲急を告げる台湾海峡情勢だけに、台湾に関する投稿頻度が増えている。が、本稿は中国(=中国共産党)の動向である。中国と台湾を隔てる政治体制最大の相違点は、一党独裁(中国)と複数政党制(台湾)だろう。ただしこれは今日現在の話であって、初訪台した1980年(昭和55年)当時、信じられないだろうが台湾も中国国民党(蒋介石息子の蒋経国政権)による一党独裁制であった。その後、1984年に初訪中した際、中国国際旅行社南京現地ガイドは、中共一党独裁制が後ろめたいのか、「中国は、複数政党あって、一党独裁ではありません(ウソではない)。謂わば御国(日本)の自民党と同じです。」などと、尋ねもしないのに頻りに抗弁していた。〝(日本軍による)南京大虐殺″なる記念館がでっち上げられる以前の話である。
この辺りが、我ら日本人とシナ・チョ~セン人を区別する精神的境界線かもしれない。自国民を虐殺されながら、事件そのものを見世物(博物館)にするような非人間的風習を我らは持ち合わせていない。死者に対する敬意さえあれば、慰霊・鎮魂・平和祈念などの建造物にするはずだ。なお、旧南ベトナム・サイゴン(ホーチミン市)には「ベトナム戦争記念博物館」があったが、米国との国交樹立直前に取り壊されている。因みに、北部タイ・メーホンソン近くにも「クニャン戦争博物館」がある。ミニ博物館だが、正面には昭和天皇皇后と、プミポン泰国王夫妻の御真影が飾られ、インパール作戦に参加した日本将兵の遺品が展示されている。前庭には墓石のような慰霊碑がある外、日章旗・タイ国旗が並んで掲揚されている。
話が逸れた。人間は本来、ジコチュウで利己主義者(エゴイスト)な生き物である。このことは、物心(分別)が付かない子供を観ればよくわかる。成長するに従い、経験を積むにつれて人間関係の機微を理解するようになり、互助互譲互恵・共存共栄などの利他的な智慧を養ってゆく。つまり、妙な言い方だが、「ジコチュウ」「エゴイスト」は未成熟な人間ということになる。我儘勝手な人間を観ると、何処か子供っぽく映るのはそのためだろう。
【ジコチュウ】-「自己中心的」の略-
何事も自分を中心に考え、他人については考えが及ばないさまをいう。
自分勝手。利己的。
【利己主義】-egoism-
社会や他人のことを考えず、自分の利益や快楽だけを追求する考え方。
また、他人の迷惑を考えずわがまま勝手に振る舞うやり方。
独裁者は究極の「シコチュウ」「利己主義者」というわけである。北朝鮮の主体(チュチェ)思想はその最たる例だ。ところが我が日本国に限って、歴史に残る独裁者は不思議に現われないし根付きもしない。シナ・チョ~センでは、専横(独裁)政治が当たり前のようになっているのに、何故か?
『神国日本』と宣ってクビになった(森喜朗)総理大臣が居たが、実はホントの話なのだ。『記紀』に顕われた〝建国の精神″こそ「神の国」と称するに相応しい。要するに、「利己主義」に依らず「利他主義」で生きるよう説かれているからだ。
【利他主義】-altruism-
利己主義に対して、他人の幸福や利益を図ることをまず第一とする考え方。
洋の東西を問わず、神や仏が尊崇されるのは、存在そのものが「利他」であるからに他ならない。つまり、我ら日本人は、御先祖様がそうであったように、意識せずとも神や仏に通じる利他的精神を受け継いでいるのである。具体的には「(他者に対する)思い遣り」「公共物を大切にする」「立つ鳥跡を濁さず」「滅私奉公」などなど。例えば、W杯サッカーでの日本代表サポーターの試合後ゴミ掃除は恒例化していて、開催国や諸外国のサッカーファンから称賛されている。やってる本人は普段からやり慣れているから何とも思わないが、誰の指示でもない自発的な行動が外国人を感動させるのだ。誰のためでもない、汚したままだと自分の気が済まないだけなのだろう。しかし、結果として後から入る他の観客にも不快な思いをさせずに済む、というわけ。利己主義者どもには、逆立ちしてもこんな芸当は出来まい。
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