日本のEEZにミサイル着弾も脅威軽視
危機感欠いた沖縄知事選 テロ行為正当化の風潮「現代日本の縮図」か
八重山日報編集主幹・仲新城氏が緊急寄稿
9/9(金) 17:00配信/夕刊フジ電子版
沖縄県知事選(11日投開票)は、報道各社の世論調査で、玉城デニー氏(62)=立民、共産、れいわ、社民、沖縄社大推薦=がリードし、元宜野湾市長の新人、佐喜真淳氏(58)=自民、公明推薦=が猛追する展開となっている。「台湾有事は日本有事」といわれるなか、習近平国家主席率いる中国軍は先月、台湾を取り囲むように大規模軍事演習を強行し、日本の排他的経済水域(EEZ)に弾道ミサイル5発を撃ち込んできた。沖縄の安全保障環境は緊迫しているが、なぜか知事選の主要争点にはなっていない。八重山日報編集主幹である仲新城誠氏が緊急寄稿した。
沖縄県知事選は、革新系の玉城氏に対し、下地氏と佐喜真氏は保守系で、保守分裂選挙の様相が強い。投票日まで時間があるので流動的な面もあるが、玉城氏が優勢である。
1カ月前の8月4日、波照間島周辺の日本のEEZに中国が弾道ミサイル5発を撃ち込み、住民に衝撃を与えた。中国は「台湾有事に介入すれば、沖縄の島々にミサイルを降り注ぐぞ」と日本政府を脅したのである。
このタイミングでの知事選だが、玉城氏は「米軍基地や自衛隊基地があると狙われる」などと日米の抑止力向上に反対する考えを明言した。米軍普天間飛行場の無条件返還と、辺野古移設中止を求め、石垣島などで進む自衛隊配備計画にも否定的な姿勢を強めた。中国にとっては願ってもない発言だろう。
一知事の信念としてはそれもありだろうが、沖縄は「対中最前線」に位置する要衝であり、玉城氏の政策は、必然的に日本全体の安全保障に影響を及ぼす。「台湾有事」勃発が現実味を帯びるなか、地理的に最も近い沖縄で「親中県政」継続の是非が問われる選挙である。
だが、主要メディアでは、3候補の「辺野古移設への賛否」ばかりが争点としてクローズアップされている。本来、辺野古移設は沖縄の基地負担軽減に向けた方法論の話であり、真の争点は日本の安全保障でなくてはならない。天王山とも呼ばれる大事な選挙で、本質を見失った議論しかできない沖縄の現状がもどかしい。
選挙中には、反基地派の女性が街頭演説中の佐喜真氏に、銃弾のようなものを投げ付ける事件が起きた。女性はSNSで、米軍北部訓練場の返還区域に米軍廃棄物が残されている現状に抗議するためだと表明した。
女性の行為から、2カ月前に発生した安倍晋三元首相暗殺事件を想起した人も多いはずだ。
暗殺事件について、SNSでは今、「旧統一教会と政治家の癒着を暴くきっかけになった」と容疑者を擁護する声が氾濫している。女性がこの事件に触発されなかったとは言い切れない。
沖縄周辺へのミサイル着弾という事態を受けても危機感に乏しく、枝葉末節の議論に狂奔するメディア。テロ行為を正当化するような風潮。沖縄の知事選は、そのまま「現代日本の縮図」ではないか。
現在、誹謗(ひぼう)中傷の嵐にさらされている安倍氏が「台湾有事は日本有事」と警告し、自身の暗殺1カ月後のミサイル着弾を事実上予言していたことも、歴史の皮肉に思える。
【沖縄県知事選立候補者(届け出順)】
下地 幹郎 61 元衆院議員 無新
佐喜真 淳 58 元宜野湾市長 無新
玉城デニー 62 知事 無現
■仲新城誠(なかしんじょう・まこと)
1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。現在、同社編集主幹。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。
コメント総数;175件
一、米軍や自衛隊の基地があると狙われるという理屈が分からない。
ロシアのウクライナ侵攻を見てもNATO、ひいては米国と事を構える事に消極的で、双方直接対決を避けている。中国が台湾に侵攻する場合は米国の関与が限定的か無いと判断しないとありえない。
米国基地に攻撃を仕掛けるのは米国に戦争を仕掛けるのど同じなので、中国と米国のパワーバランスが極端に崩れないと仕掛ける事は無い。
沖縄戦で多くの人が家族を失っていて米軍への蟠りがあるのは理解するが、米軍基地があるから狙われるという理屈は全く現実的ではない。
ニ、>米軍基地、自衛隊基地があるから攻撃される<
だから沖縄から基地をなくせ?
基地は本土にもたくさんある。
沖縄さえ攻撃されなければ、本土などどうでも良い、沖縄さえ無事ならそれで良い・・・・という意味にもとれる。
相手が中国の場合、基地が無ければ攻撃されないなどという保障がどこにあるのか。
軍事作戦に、基地がないから無視、あるから攻撃などという理屈はない。
必要な個所は全て制圧するのが常道である。
沖縄の地理的条件を見ても、台湾占領のためには尖閣、南西諸島、沖縄本島は台湾の同盟国の反撃阻止の為にも制圧が必須の地点である。
残念ながら、自分達だけが攻撃から逃れれば良いという考えは通用しないと思うが。
三、ペロシ下院議長が台湾を訪問したことに対する報復措置として、中国が日本の EEZ 内に弾道ミサイルを着弾させたことは、決して容認されることも正当化されることもありません。
また、自衛隊を始め米軍は中国の脅威から沖縄を守るために駐留しており、玉城デニー知事の「日米に否定的な」見解は本末転倒と言えるのではないでしょうか。
更には、沖縄をはじめ全国に米軍基地を構える日本も台湾有事は決して対岸の火事ではありません。
沖縄県知事候補者は沖縄県民であるとともに、日本国民であることを認識する必要があると思います。言い換えれば、周辺国の利益よりも日本の利益を優先するべきです。それは、中国海警が尖閣諸島周辺の海域に侵入を繰り返し、近くで漁をする沖縄の漁船を威嚇している状況を見れば明らかです。
いずれにしても、沖縄県知事候補が非難する相手は米軍や自衛隊ではなく、中国であることを認識するべきです。
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習氏3選で本腰「台湾奪取」
軍事的脅威に戦略的発想ゼロで“国際的地位低下”の岸田政権
同盟国は林外相にも疑心暗鬼 円安加速も危うさの背景に
2022.9/10 10:00配信/夕刊フジ電子版
安倍晋三元首相が凶弾に倒れて、8日で2カ月となった。中国やロシアによる軍事的脅威が高まるなか、永田町では「国葬(国葬儀)」の意義や、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と政治の関係ばかりに焦点が当たっている。岸田文雄首相と林芳正外相の「ケジメなき外交」によって、日本の国際的地位は急激に低下した感がある。「台湾有事、日本有事」が現実味を帯びるなか、日本と日本人は大丈夫なのか。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が警鐘を鳴らした。
安倍氏が急逝して2カ月が経過した。暗殺事件の真相が明らかになったかと言えば、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者が精神鑑定を受けているせいもあって、事件直後に報じられた内容以外、メディアには事件に関わる情報が、ほとんど漏れてこない。
その代わり、テレビなどが連日、報じているのは旧統一教会の実態と、「国葬」をめぐる是非論だ。意味がない、とは言わないが「それより、もっと大事な国益に関わる話を伝えてくれ」と思っている国民も多いのではないか。
日々のニュースを対象に仕事をしている私でさえ、最近の報道には食傷気味どころか、関心が薄れてしまった。
こうなったのは、岸田政権に理由の一端がある。いま日本にとって、何が一番大事なのか、発信力があまりに乏しいのだ。
例えば、台湾問題はどうか。中国共産党は10月16日から北京で党大会を開くことを決めた。習近平総書記(国家主席)が「3選」される見通しなので、習氏は党大会以後、いよいよ「台湾奪取」に本腰を入れるだろう。
先週も指摘したが、もしも、このたくらみが成功すれば、日本は原油を輸入するシーレーン(海上交通路)の首元を抑えられ、「潜在的なエネルギー危機」が常態化する。だからこそ、原発の再稼働や新増設を含めて、いまのうちからエネルギー確保の多様化に全力を挙げなければならない。
あるいは、ロシアのウクライナ侵略戦争はどうか。
米国のジョー・バイデン政権は「ウクライナ防衛」だけでなく「ロシア打倒」を目指して、数年先を見越した軍事支援を本格化させている。
だが、米国内には「ウクライナに入れ込みすぎるな。真の敵は中国だ」と警鐘を鳴らす意見もある。私が米国でインタビューしたハーバード大学のステファン・ウォルト教授がそうだし、共和党のジョシュ・ホーリー上院議員もそうだ。彼らは、中国に対する軍事対応力がそがれる事態を心配しているのだ。
米国は「ウクライナ後の世界」をにらんで、戦略論争を活発化させているが、日本は電力不足のような目先の事態に追われるばかりで、戦略的発想がまったくと言っていいほど、感じられない。
中国との距離的近さを見れば、「台湾危機(台湾有事)」でもっとも深刻な打撃を被るのが、日本であるのは明らかではないか。
当事者がこの調子では、日本の存在感が薄れるのも当然だ。林芳正外相が「政界随一の親中派」であることは、同盟国がみな知っている。存在感発揮どころか「日本は頼りにならない。いつ裏切られるか」と、半ば疑心暗鬼で見られているのだ。
最近の円安加速も「日本の危うさ」が背景にある、と私はみている。地政学的にも、かつ経済面でも、まだ中国に入れ込んでいるからだ。
そんななか、英国にエリザベス・トラス新首相が就任した。彼女はロシアだけでなく、中国に対しても強硬派で知られ、中国を「英国にとっての脅威」と認定する見通しだ。日本の力強い味方になるに違いない。
ぜひ、早い機会に日英首脳会談を開いて、岸田首相に「喝」を入れてもらいたい。
■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ)
ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。
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夕刊フジは親米右派系紙である。ゆゑに、我国があたかも米国の保護下にあるかのような西洋被れの記述が鼻につく。それは別として、二つのジャーナルは、危機意識に欠けた政治家を問題視しているわけだが、果たして政治家だけの責任なのだろうか。
妙な話だが、自分はクラシック音楽愛好家を自認している。とりわけJ.S.バッハが大好物である。当然ながら、教会カンタータやマタイ・ヨハネ両受難曲なども聴き知っている。だが、自分は宗教に関心はなく、神道や仏教の信者でないし、ましてクリスチャンなんかではない。然しながら、教会カンタータや受難曲を聴くと、宗教的な感動を覚えるのも事実なのだ。
これは論理的におかしな話ではあるが、そうなのだから仕方あるまい。そもそも、キリスト教の教義たる聖書でさえ、「旧約」と「新約」では矛盾することが書かれている。なお、「旧約」はユダヤ教・キリスト教・イスラム教に共通する聖典である。つまり、この三宗教の本を糺せばユダヤ(イスラエル、ヘブライとも)人の民族宗教であるユダヤ教なのである。
ゆゑに、ユダヤ人にとってのキリスト教とイスラム教は異端の宗教と見做される。イエス・キリストは『新約聖書』上の〝神の子″であり〝救世主″なのだが、〝人間″としてはユダヤ人の両親(ヨセフとマリア)に養育されている。だからキリストもユダヤ人ということになる。キリストはなにゆゑ、磔刑に処せられたのか? 裁判自体はローマ帝国占領軍総督ピラトが決裁したわけだが、ユダヤ民衆に処断を委ねた結果、彼ら自身がキリストの磔刑を要求したわけで、キリストは恩を仇で還されたのである。
受難曲では、キリストの神々しさと人間の愚かさ醜さが、ユダヤ民衆を通して対照的に描かれている。勧善懲悪ドラマに喩えると、キリストが正義の味方で絶対善の主人公であるのに対し、ユダヤ民衆は愚かで卑怯で醜悪な敵役に過ぎない。ところが、ドラマと違って主人公キリストのほうが、ユダヤ民衆の裏切りに遭って磔刑に処せられてしまうのだ。だが、ドラマはここでお終いにはならない。何と、死んだはずのキリストが甦る(復活する)のだ。この時、ユダヤ民衆曰く【キリストは真に神の子であった】と(マタイ伝第27章第54節)。
話が妙な方向に飛んでしまった。何が謂いたいのか? 戦後の蹉跌は、GHQの口車に乗せられて戦前を全否定したことにある。戦後77年を経て、GHQ焚書図書を復活させる動きが活発化している。これこそが、聖書上のユダヤ民衆化した現代日本人が、本来の姿(縄文精神)に立ち戻れるきっかけになるかもしれない。我らの御先祖様(縄文人)は、利他心に溢れた天上人だったのだ。現代人は世俗に毒され、余りにも穢れてしまった。祓い清めなければなるまい要するに、天然自然で清らかな縄文精神が、西洋世俗の作為的毒牙に罹って損なわれてしまってたわけである。
【穢れ】-けがれ-
不浄,汚穢ともいう。出産,死,月経,あるいは動物食をはじめとする異常食事などによって,当事者およびその関係者に付与される異常状況をいう。穢れた者が神社などに接近することや祭祀に参加することを拒否したり,また産屋,喪屋,月経小屋などに隔離し,別火の食事を強制するなど,穢れていない者との社会的断絶をはかることが広く行われている。穢れた者も一定期間が経過すれば,穢れが晴れて正常な状況に復帰する。
【御祓】-おはらひ-
① 災厄を除くために神社などで行う儀式。
② 毎年6月と12月のみそかに、神社で行う祭事。
③ 神社から出す災厄よけのお札。特に、伊勢神宮からの大麻。それを入れる箱。
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《沖縄知事選結果》-9月11日(日)-
玉城デニー 無現 339,767 立憲民主・共産・社民・社会大衆党推薦
佐喜真 淳 無新 274,844 自民・公明党推薦
下地 幹郎 無新 53,677
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