市立船橋を「しりつ」呼び...甲子園実況に違和感も
なぜ「いちりつ」じゃない?NHKと高校に聞いた
8/9(火) 19:43配信/J-CASTニュースWEB版
夏の全国高校野球選手権に6回目の出場を果たした千葉県船橋市立船橋高校について、実況中継したNHKのアナウンサーが「しりつふなばし」と呼んだことについて、ネット上で違和感を訴える声が続出している。
「強豪ぞろいの千葉、その混戦の千葉大会を15年ぶりに制しました『しりつふなばし』高校です。この夏勝てば、初戦勝ちますと、25年ぶりの勝利ということになります、『しりつふなばし』高校です」
■応援曲については、「市船(いちふな)ソウル」と紹介
2022年8月8日夕、この日最後の第4試合目となる興南(沖縄)との試合が始まると、NHKアナは、このように市立船橋について紹介した。
試合中も、「しりつふなばし」と言い続けたが、4回裏の市立船橋の攻撃で、3塁側応援席の様子をリポーターが伝えるときは、ちょっと違った。同校の愛称「いちりつふなばし」を使った応援曲について、その略称を使った「市船(いちふな)ソウル」と紹介した。
続いて、試合の実況に移ると、NHKアナが次のように略称について説明した。
「『いちふな』というような呼ばれ方もしますが、学校名は『しりつふなばし』です」
この試合は、市立船橋が劇的なサヨナラ勝ちで接戦を制し、6対5で興南を下して2回戦に進んだ。
ところが、試合中から「しりつふなばし」との読み方はおかしいと、ネット上で疑問の声が相次いだ。「しりつふなばし?どこの高校?」「『いちりつ』って読んでくれないとむずむずして気持ち悪い」「千葉県民は『いちりつふなばし』と読む」といった反応だ。もっとも、「アナウンサーだからこそ敢えて『しりつふなばし』と読まなきゃいけない」と擁護する声もあった。
千葉県の地元紙のスポーツ担当公式ツイッター「千葉日報スポーツ」も8日、「『しりつふなばし』じゃないですよね。千葉県内ではありえないですが...」と投稿したほどだ。
どう呼ぶのが正しいのかについて、市立船橋高校の教頭は9日、J-CASTニュースの取材にこう話した。
「しりつ」呼びでいいのか、NHKから高校に事前確認が
「正式な読み方としては、『しりつふなばし』です。ただ、『いちふな』が愛称になっていますので、『いちりつふなばし』と使われることがほとんどですね」
いちりつとの呼び方は、「私立」と区別するときに一般的に使われるが、千葉県では、県立船橋高校が競合するため、主に県立と区別するために呼ばれるという。県立船橋は、「ふなこう」「けんふな」との愛称がよく使われるそうだ。
教頭によると、NHKからは、市立船橋の読み方について8月に入って試合前に確認の連絡が入った。放送するに当たって、「しりつ」と正式な名称でいいかと聞いてきた。学校では、愛称の呼ばれ方もあることを伝え、NHKからは、放送中に愛称についても触れたいと話があったという。
しりつふなばしの読み方について、教頭は、「放送の決まりに準じてやってもらえればいいと考えています」と問題視しない考えを示した。
なぜ「しりつふなばし」との読み方にしたのかについて、NHKの広報局は8月9日、取材に対し、次のようにメールで答えた。
「学校の正式名称の市立(しりつ)船橋高等学校を使っています。高校駅伝など他のスポーツ中継などの場合でも『しりつ』と読んで放送しています。地元では『いちふな』の呼び方で親しまれていることは承知しており、放送のコメントでその名称を使用することはあります」
高校への連絡でどんなやり取りをしたかについては、「個別の取材や制作に関することについては回答しておりません」と述べた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
コメント総数;934件
一、正式名と通称(俗称)が違うのは何も問題ない。むしろこれの違いを問題視する人たちの存在に違和感を感じる。
日本語は同じ音の漢字が多い。なので書き言葉と話し言葉を使い分けるのが日本語のセオリーである。
「市立」と「私立」はどちらも「しりつ」が普通に正しい。しかし同じ音では誤解されやすいので、通称として「いちりつ」「わたくしりつ」と言い、TPOで使い分ける。これは日本人なら中学生レベルの常識であるはずだ。
正式名と通称、どちらが広く用いられているとしても、その二つを適時使い分けるのは当然のこと。
これを問題視するのは日本人の感性ではないのではないか。
二、NHKは基本的に放送法なりアナウンスの規則に基づいて俗称、略称を使わないので、民放と違い正式な「しりつ」を使うのはある意味当然の流れではある。むしろ、市立船橋はサッカーなどであまりに「いちりつ」が定着しているので、わざわざ正式名称が間違っていないか学校に確認したり、アナウンサーが俗称を使わず正式名称で実況すると断りを入れて実況したという方が、珍しい話。
高校野球のチバテレビや朝日放送、高校サッカーの日テレなど民放はそんな規則を気にする必要がないので、普段は違和感なく「いちふな」と言っているが、NHKはそうもいかない。ただ、特例で固有名称を使うケースは過去にもあるので、反響を受けて次戦以降方針が変わる可能性はある。
三、正式名称を使っているのであれば、何の問題もないでしょう。
なぜなら公共放送だから…
愛称も良いですが、愛称はあくまでも愛称なので普段の会話では使っても良いですが、正式名称が違うのであれば、正式名称を優先すべきだと思います。
途中、途中で注釈があるのならば良いことだと思いますしね。
他の放送局も基本的には正式名称を使えば何ら間違いはないですね。
勿論愛称を使うのも間違いではないと思います。
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どうでもいいようなニュースにコメントが934件も寄せられるとは、驚きである。地元船高(ふなこう;千葉県立船橋高等学校)出身者として、一言申し上げておきたい。
在校中(昭和38年4月~昭和41年3月)、近隣三校で対抗野球練習試合が年中行事化されていた。母校の対戦相手校は市船(いちふな;船橋市立船橋高等学校)と習高(ならこう;千葉県立習志野高等学校)であった。当時の地元民から呼ばれた各校の略称(愛称)は上記のとおりであった。従い、自分自身も何の疑問も抱かず船高(ふなこう)、市船(いちふな)、習高(ならこう)と呼んでいた。
ところが、県大会・東関東大会ともなると校数が増えるためか、略称表示も変わって一般に県船(けんふな)とされることが多かったように記憶する。母校は未だ甲子園出場経験のない野球弱小校(最高成績=東関東代表決定戦準決勝進出/昭和30年代中頃)なれど、在校中は対抗戦で何と優勝したこともあるのですよ。三年生時(昭和40年)には、全国大会準優勝校の銚子商木樽投手に軽く捻られて0-12の7回コールド大敗を喫したことを憶えている。卒業翌年(昭和42年)夏の全国大会で習高が初出場初優勝を成し遂げた。市船の甲子園初出場はずっと後年を待たねばならない。
因みに、大学では各地方高出身の同級生もいて、その略称が千差万別でなかなか興味深かった。千葉高(ちばこう;千葉県立千葉高等学校)、熊高(くまたか;熊本県立熊本高等学校)、桐蔭(とういん;和歌山県立桐蔭高等学校)、深志(ふかし;長野県松本深志高等学校/公立)、一高(いっこう;茨城県立土浦第一高等学校)など。
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