習近平氏に「反旗」を翻した2人の人物
出始めた3期目続投への「不安定要因」
4/21(木) 11:30配信/ニッポン放送WEB版
■中国、ソロモン諸島と安全保障に関する協定締結
中国外務省は4月19日の記者会見で、南太平洋のソロモン諸島との間で安全保障に関する協定を結んだことを明らかにした。この地域での中国の軍事的な影響力拡大につながるとして、周辺国からの反発が強まることが予想される。
飯田)位置的には、オーストラリアの北にパプアニューギニアがありますが、そのさらに東寄りになります。
青山)ソロモン諸島と言われてもはっきりとイメージできないかも知れませんが、「ガダルカナルのある国」と言えば、若い人でも歴史で勉強していると思います。日本軍が玉砕したガダルカナル島に首都があるのです。
飯田)ガダルカナル島に。
青山)オーストラリアにとって、また、アメリカやニュージーランドにとっても大事な位置にあります。
■安全保障を名目にしてチャイニーズマネーを入れる
~中国は他の国を脅かすための軍事拠点に
青山)安全保障はどこの国にも必要ですが、いま、ソロモン諸島という国に誰が攻めてくるのでしょうか。「中国と安全保障の取り組みを結んだ」と言っているけれども、本当は安全保障を名目にチャイニーズマネーを入れて、中国が他の国を脅かすための軍事拠点にするということなのです。
飯田)実際に報道でも、港を使う等々というところまで出ています。
青山)実質的に中国の南太平洋における前進基地にするのと同じです。
■イギリス連邦であったソロモン諸島
飯田)グアムやハワイからオーストラリアに線を引っ張ると、ちょうどここが真ん中になります。
青山)アメリカはこの件について、カート・キャンベルさんという知日派の方を派遣予定だと表明するなど、大急ぎで対処していますが、ウクライナ情勢が響いて対応が遅れました。前からソロモン諸島には大きな問題がありました。私の知る限り、国民は中国嫌いの人が多く、暴動まで起きているのです。
飯田)政府に反対してという。
青山)最近の政権が親中派になってしまった。ソロモン諸島はもともとイギリス連邦だったのです。「ソロモン」という国名も、古代イスラエルのソロモン王が由来です。イギリス連邦ですから、そういう文化でもあるのです。
飯田)イギリス連邦だった。
青山)フィジーと同じです。フィジーもイギリス文化の国ですけれど、そこに権力者だけが特権でチャイナと結びついて、国民の感情を逆撫でしている。ロシアのウクライナ侵攻で耳目があちらに集まっているときに、中国が手を伸ばして、それに乗っかったということです。
■日本とオーストラリアに楔を打ち込もうとする中国
青山)安全保障を名目にしているということで、オーストラリアもニュージーランドもアメリカも、かなり怒っているわけです。日本も無関心ではいられません。日本とオーストラリアはクアッドでの結びつきもあり、AUKUSという枠組みにJをつけてJAUKUSとなる可能性も十分にあるので、そこに楔を打ち込むように中国軍が動いてくるということは、大きな問題です。
飯田)そうですね。
青山)すべてはお金の話なのです。ソロモン諸島の国民が豊かになるのであれば、また話が別だけれども、一帯一路の例があるように、中国が考えるのは常に自分の利益だけです。アフリカ諸国にあれだけ中国が入っていますが、私が知っている限り、アフリカの方で中国に好意を持っている人はいません。
■国際化していない中国
~共産党の教育が問題
飯田)労働力まで中国から連れて行くので、ほとんど地元にお金も落ちないし、技術も落ちないと言われています。
青山)そういう発想がないのですよね。
飯田)全部自分たちで建設してしまう。
青山)一言で言うと、中国は国際化していないのです。これだけ大規模に世界に出て行っているけれども。国際化というのは、民族や国籍、国が違っても、お互いに利益を共有して生きるということですが、それを感じることはありません。やはり共産党の教育に原因があるのだと思います。
■習近平主席への不安定要因
~朱鎔基元首相や李克強首相らエコノミストからの反乱
飯田)中国は、今年(2022年)秋には党大会を迎える予定です。
青山)不安定要因が既に出ています。朱鎔基元首相というエコノミストです。中国は当時、胡錦濤国家主席と温家宝首相のコンビにより、10年で日本経済を抜いて世界2位になった。それでもまだ日本は世界3位ですけれども。現在の中国は、当時の経済成長率の約半分しかないのです。習近平国家主席と李克強首相のコンビは、経済で実績がないので、これまで毛沢東さんでもできなかった「台湾併合」をやろうとしているというのが真の姿です。
飯田)台湾併合を。
青山)そこに朱鎔基元首相がはっきりと反旗を翻して、習近平国家主席は10年でそのまま辞めるべきだと。1期5年、2期まで任期を決めたではないかと。それを延長する理由があるのか、ということを言っているのです。
飯田)任期を決めたではないかと。
青山)朱鎔基さんは、中国の政治のなかでは最も私心の少ない人で、比較的、権力亡者ではない。ヨーロッパでもアメリカでも通用する人です。
飯田)朱鎔基さんという人は。
青山)しかし、軍と結託するようなことはないので、習近平国家主席は甘く見ているのでしょう。ただ、この動きは朱鎔基さんだけではありません。李克強首相が「私は10年で辞めます」と言っているのは、エコノミスト、経済実務家側からの反乱です。
コメント総数;94
一、中華は何処まで行っても中華の古よりの伝統文化を大事にされてる様です。王朝の栄枯盛衰は必然として起こります。一番の原因は民衆の蜂起ですね。何故、民衆の蜂起が起こるのかと言えば、徳と恩恵を施し外敵より生命財産を守ってくれる王が王たる所以であるのに、自身と一族郎党の利権闘争に注力し権力の腐敗が蔓延していたからです。現在の中華でも徳と恩恵の統治が行われれば然程国内に不満が溜まる事も無いが、今の共産党政権の在り様が徳と恩恵とは掛離れた治世で、そろそろ民衆の不満の限界に近づきつつあり、それを察知したライバルの共産幹部が王朝(共産主義)を破壊する事無く、王に禅譲を迫る事態になりつつあるところか?。四半世紀前にも掲げられた三大改革も方向性は大いに認められるも、成果は出せて無い。何がそれを止めているかを問えば、共産党統治(現王朝)の統治に問題有りとなる。
二、>権力者だけが特権でチャイナと結びついて
日本でも甘い汁吸っている人が多そうだな。
政治家はもちろん、テレビ局には随分海外資本が入っているみたいだし、コメンテーターあたりも懐柔されてて都合の良いことを喧噪させて、世論をコントロールしてそう。
ロシアが引き起こしたウクライナへの侵略戦争についてどこかの元弁護士先生が筋の通らない発言を繰り返しているのもそういう背景でもあるんだろうか。
三、ソロモン諸島は、どこの国に脅威を感じて安全保証協定を締結するのか。
オーストラリアやニュージーランドが脅威なのか。
ソロモン諸島にとっての脅威は中国だと思う。
中国の脅威に備えてオーストラリアや米国と協定を結ぶのが本筋だと思う。
札束に目が眩んだ指導者達が国を売ったのでしょうか。
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先稿で書いた分析の正しさを裏付けるかのようなニュースだ。〝類は友を呼ぶ″とはよく言ったものだ。利己主義(エゴイズム)に凝り固まったカネの亡者どもは、どこまでもカネに群がる。これがゲゼルシャフト(利益体)社会の実態だ。単にカネで結ばれた関係に過ぎないから、「カネの切れ目が縁の切れ目」となり易く、彼らがよく口にする血盟関係など構築できるはずもない。
政治の理想は、リンカーン(1809-1865年)が言った「人民の、人民による、人民のための政治」だと思う。何故なら、「利他」に基づく言葉だからだ。これを尺度に現代政治を観れば自ずと答えが見えてくる。この言葉を『教育勅語』に置き換えると【公益世務(こうえきせいむ)】のことである。分かり易く説明すれば、〝世(国家・社会)のため他人のため″あるいは〝滅私奉公″ということになる。もうお気付きのことと思うが、「利己(エゴ)」とは真逆の「利他」の精神が行動原理に大きく作用しているところに着目したい。しかも、行動自体が強制によらず、自発的意思に基づくことが重要である。
引用記事はニッポン放送だし、対談も飯田浩司アナが青山繁晴参院議員に訊く形式で行われている。したがい、純国産メディアかつ右派系の中共批判になっている。とりわけ青山議員は、「日本の尊厳と国益を護る会」の代表幹事であり、我国の伝統文化に立脚したガチガチの保守派政治家である。
『古事記』に依拠する「シラス・ウシハク」思想で世界を二元化するなら、次のようになる。
■シラス(知らす・治らす・統らす)
・万物を自然界の共有財産とする考え方。
・利他主義的互助互恵・共存共栄型共同体(ゲマインシャフト)社会の
・個人の私益より学校・会社・国家等帰属集団の公益を優先させる傾向が強い
→適材適所の役割分担に基づく有機的人間関係を保持→性善説的高信頼社会
■ウシハク(主履く)
・万物を主(あるじ=支配者)の私有財産とする考え方
・利己主義的階級闘争型利益体(ゲゼルシャフト)社会
・帰属集団の公益より個人の私益を追求する傾向が強い
→争い・対立の絶えない弱肉強食禽獣型人間関係→性悪説的懐疑社会
無論、我国を含めて「シラス・ウシハク」を標榜する国など皆無であり、国家体制もまちまちだから、あくまで勝手な私見に過ぎず、どちらかに傾いている程度の分類である。総合して、シラス的傾向が強い国家のほうが稀で、欧米先進国をも含む大半はウシハク的国家と言っても差し支えあるまい。我国を別にすれば、シラス思想を理解していると思われるのは、台湾やパラオなど戦前まで日本が統治していたごく一部の国だけだ。
しかし、最近では、神仏を思わせる利他的精神が欧米先進国でも注目され始め、民間レベルで〝日本精神″の一大ブームになりつつある。20世紀までの対立の時代から、今世紀は互助互恵・共存共栄型国際協調路線へと変革しようとしている。換言すれば、ウシハクからシラスへと時代が代わろうとしているのである。
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