今回は、タイポップス(ルークトゥン系含む)になった日本オリジナル曲に触れてみたい。タイ人の感覚からして我国は、芸術文化面でも欧米に並ぶ先進国という位置付けのようだ。私奴さえ知らないようなマイナー曲が、ちゃっかりタイ音楽に潜り込んでいたりする。
最初に気付いたのが次の曲。
อาทิตย์อุทัยรำลึก(昇る太陽の記憶)
by สุรพล สมบัติเจริญ(スラポン・ソムバッチャルン)
一聴してオリジナル(原曲)を言い当てられる人はかなりの年配者だ。そう『リンゴの花は咲いたけど』(コロムビア・ローズ;昭和27年)である。オリジナル盤発売時当方は未だ4歳児、恥ずかしながら全く聴き憶えがない。スラポン盤を知ったのは、タイ映画《มนต์รักทรานซิสเตอร์(邦題;わすれな歌)》-2001年-の挿入歌に使われていたから。チェンマイの屋台で、英語字幕のVCDを買ったのがきっかけだ。
สัญญาด้วยใจ(心からの約束)
by นิภาวรรณ ทวีพรสวรรค์ (ニパワン・トゥィポンサワン)
オリジナル曲『悪女』(中島みゆき)とは対極をなす健康的な歌に改変されている。この曲は初訪泰(1989年)時にバンコックの屋台で買ったカセットテープに入っていた。彼女はこれより約14年後、タイ映画《แฟนฉัน(邦題;僕の恋人)》-2003-にヒロインの母親役で出演している。当人が子供みたいな頃を知ってるだけに、映画を観たとき、妙な気分だった。
คนข้างเคียง(寄り添う人)
by สุทธิพงษ์-จุฑามาศ(スティポンとジュタマ-)
原曲は『しあわせの一番星』(浅田美代子;昭和49年)である。初訪泰時、ジュタマー・イサラヌクリットのカセットテープを買い、後の訪泰時には、この曲のCDも手に入れたが何時の間にか亡失してしまって現在は手許にない。
ดาวประดับใจ(煌めく星)
by ฝน ธนสุนทร(フォン・タナスントン)
原曲は有名な『昴』(谷村新司)だから誰でも気付くと思う。タイ人離れした美形のフォンさんだが、タイ芸能界はとりわけ西洋人とのハーフが多い。フォンさんがその一人かは知らない。
ทำไมทำกับฉันได้(私に出来ることを何故するの)
by พัชรา แวงวรรณ(パチェラー・ウェンワン)
日本で人口に膾炙した『港町ブルース』(森進一;昭和44年)が原曲。これも初訪泰時に買ったカセットテープに入っていた。MVは初見だが、映像からするとメロディーだけを採って、曲趣は全く別物に改変されてるみたい。'80年代にNITITADレーベルの花形歌手として活躍したパチェラーさん(1964-2012年)だが、もうこの世の人ではない。
=つづく=
コメント