岸田政権の親中姿勢
「二股外交」で米から信用されない日本に
…毅然と中国に立ち向かえ!
2021.11.20 配信/夕刊フジWEB版
岸田文雄首相が、中国を念頭に置いた人権侵害法(日本版マグニツキー法)の制定を見送る方針を固めた-と報じられた。「親中派」の林芳正氏を外相に任命するなど、政権の対中姿勢が注目されていたが、中国に甘い姿勢が確認されたかたちだ。
このままだと、岸田政権が、ジョー・バイデン大統領の米国と、習近平国家主席の中国の双方にいい顔をする「二股外交」を展開し、同盟国である米国の信頼を損なう懸念が出てきた。
これは杞憂ではない。私は「現実になる可能性がある」とみる。というのは、米国は日本を「どうも頼りない」とみているフシがあるからだ。そんな見方は、これまで表面化していなかったが、米中対立が深刻化するにつれて、深い闇から浮かび上がるように、顕在化しつつある。
一例を挙げよう。
米シンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」は10月26日、中国が台湾の南西にあるプラタス諸島(東沙諸島)に武力侵攻するケースを想定したシミュレーションの報告書を発表した。
それによると、いったん人民解放軍の侵攻を許した後では、米国と台湾が協力して島を奪い返す手段は「ほとんどなかった」という。そのうえで、だからこそ「関係国が事前に準備し、対応を調整して、中国の侵攻を阻止することが重要」と指摘した。
鍵を握るのは、日本だ。ところが、シミュレーションは「日本が必ず、米台の側に付く」とは想定していない。報告書はこう書いている。
「このゲームでは、日本の関与が重要だった。米台は『日本の支持なしでは、中国と交渉する米台の立場が弱くなる』と説いて、繰り返し、日本の立場を問い合わせた」
「日本の断固たる台湾支持がなければ、中国に撤退を迫る米台の努力を損ない、尖閣諸島のような日本の領土に、中国が抵抗なしに侵攻する先例を作る結果になる」
「この戦いで、米国と台湾は『日本や他の友好国が重要な役割を果たす』と説得する必要がある」
つまり、それほど日本は信用されていないのだ。オーストラリアの国防相が最近、台湾有事が起きれば、米国を支援する姿勢を明確にしたのとは、対照的ではないか。
歴代の日本政府は事あるごとに、「日米関係は日本の平和と繁栄の基盤」と表明し、多くの日本人もそう思ってきた。だが、当の米国側は、専門家でさえも「いざとなったら、日本は本当にわれわれと一緒になって、中国と戦うのか」と疑念を隠せないでいる。
岸田政権が対中政策で揺れ動くようなら、なおさらだ。いずれ緊張がさらに激化すれば、米国は「日本は中国にどう立ち向かうのか」と本気で迫ってくるだろう。そのとき、躊躇していていいのか。
米ワシントン・ポスト(電子版)は16日、記者の署名コラムで、バイデン政権が来年2月の北京冬季五輪について、外交団を派遣しない「外交ボイコット」の方針を固め、近く発表する見通し、と報じた。
北京五輪問題が最初の試金石になる。岸田首相は腹を据えて、中国に毅然と立ち向かうべきだ。
■長谷川幸洋(ジャーナリスト)
1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。
コメント総数;75
一、通報台湾国民対象の国防問題世論調査でも台湾有事に日本が参戦してくれるのは当然、と圧倒的な結果が出ているぞ 岸田に、それに応ずる覚悟は絶対にない
そうなれば高市早苗の一択、だ
二、速く岸田政権を交代させないと 気がついたら紅組傘下になる シェーシェー幹事長や親中議連の外務大臣 人権批判の行動はこれから考慮の補佐官 親中財界の忖度 ets
三、日本の歯切れが悪いのは貿易やビジネスでの関係があるからでしょう。しかし、有事の際、日本への設備投資や雇用創出を行わずに、中国で工場を作っているような企業関係者などが捕虜、人質、拷問の犠牲になったとしても仕方がないことでしょう。旧満州に居た邦人たちがどうなったのか、そして、現在のウィグルでどんなことが起きているか、知らなかったわけではないでしょうに・・・。
四、岸田内閣は親中派をあぶり出すリトマス試験紙と考えれば少しは気も収まるというもの。参議院選挙後に岸田内閣を退陣に追い込み、高市早苗、岸信夫、萩生田光一などなど、肝の据わった面々に安全保障を任せたい。維新、国民民主両党と協力して憲法改正を達成し防衛予算の増額して自衛隊を戦える組織にしていただきたい。
その際、間違っても河野太郎を閣内に入れてはダメ!
五、茂木の幹事長から始まり、外相に林芳正をもってきたのにはたまげた。習近平の国賓訪日を再び唱えだしたら赤信号。北京五輪に対する態度も示していない。
デジタル田園都市構想なる政策を得意げに掲げ、竹中平蔵をメンバーにしっかりと入れ、公明には頭も上がらずどこが新自由主義からの脱却なんだ。結局岸田は日本の保守層を裏切り、外交安全保障も経済も全てに怪しい。習近平はもうこの男の緩さ加減を見切った行動に出るだろう。日本は呑気に構えていられる局面ではないと思うよ。
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TPO(時間・場所・場合)に応じて言説を翻す人を絶対信用しない。これが不肖ワタシメの信念である。その意味で、岸田政権には端から懐疑的だったが、愈々馬脚を現し始めた。岸田総理の特技は「他人の話を聞くこと」と自ら語っている。山本常朝『葉隠聞書』に、大和魂(やまとごころ)の三本柱(知・仁・勇)が解り易く説かれている。即ち、
「知」とは、他人の話をよく聞く事である。
「仁」とは、他人の欲する事をしてやるまでだ。
「勇」とは、歯を食いしばって我慢する事である。
と。これに照らせば、なるほど「知」はお持ちのようだけれど、「仁・勇」が伴ってないのが問題だ。九割超とされる我が国民の反中共感情を逆撫でするばかりか、国際輿論に背を向けて中共に擦り寄り、あまつさえ自ら掲げた「新自由主義からの脱却」も反故にしかねない為体だ。「知」も「仁・勇」があってこそ初めて活きる。おそらく、GHQ自虐史観に侵された戦後ニッポン人特有の悪しき風潮としての自我(絶対的価値)より彼我意識(相対的価値)で物事を判断しがちな人なのだろう。こういうタイプを人呼んで「日和見主義者」と言い、やがて誰からも相手にされなくなる。もっと悪し様に言えば、岸田総理は善人を装った単なる「弱虫・臆病者」としか映らない。
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台湾は「創作に寛容」 中華系マレーシア歌手・Nameweeさん
2021/11/18 11:24配信/フォーカス台湾(中央通訊社)日本語版
(台北中央社)歌手や映画監督、ユーチューバーなどマルチに活躍する中華系マレーシア人のNamewee(黄明志)さん。作った楽曲の歌詞が中国を揶揄(やゆ)していると見なされ、中国のSNSから削除された一方で、台湾などから人気を集めている。Nameweeさんはこのほど中央社のインタビューに応じ、台湾は創作に寛容だと称賛した。
曲名は「玻璃心」で、「ガラスのハート」を意味する。ミュージックビデオ(MV)ではパンダの着ぐるみが踊り、歌詞には中国を連想させる敏感なフレーズが並ぶ。先月15日の発表から間もなく、中国のSNS「微博(ウェイボー)」からは削除されたものの、ユーチューブ上での累計再生回数は3000万回を超えた。
Nameweeさんが作詞作曲を手掛け、台湾を拠点に活動する中華系オーストラリア人の女性歌手とデュエット。台湾でMVを撮影した。
台湾とマレーシアを行き来し、過ごす時間は同じくらいだというNameweeさんは、台湾社会の許容度の高さをたたえる。台湾を風刺する楽曲「鬼島」を発表した際、「ある国では怒られたり驚かれたり、禁止されたりするけど、(台湾では)ゴールデン・メロディー・アワード(音楽賞)にノミネートされてしまった」と振り返り、これこそが台湾の度量の深さだと語る。「台湾は私にとって、ちゃんと作品を発表できる場所」とも話した。
玻璃心には多くの人から好評が寄せられたという。意外だったのは、中国で共に仕事をしたことがある人から送られてきたメッセージ。中国の通信アプリで「曲名をここに打つことはできないけど、あの曲は本当に良い」と伝えられた。「同業者から褒められたことはとても誇りに思う」と笑顔を見せる。
デビュー以来、敏感な話題でもためらうことなく声を上げてきたNameweeさん。子供の頃から反骨精神を持っていたという。「民族間の問題というのは非常に敏感だけど、だからこそ話し合うことが必要だと思うんだ」。問題は話し合われてこそ、解決が望めると力を込めた。
(王心妤/編集:楊千慧)
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このニュースに接して、ふと思ったことがある。巷間、「米中戦争」「民主主義対全体主義」「自由対統制」「人権擁護対人権抑圧」などと、対中政策を巡って喧しい。国家体制に於いて、中国と我ら民主国家を峻別するもっと分かり易い対立軸はないものかと考えてみた。それが「上意下達(トップダウン)」と「下意上達(ボトムアップ)」である。
【上意下達】-じょういかたつ-
上位の者の考えや命令を下位の者に伝えること。
【下意上達】-かいじょうたつ-
下位の人の気持や意見が上位の人に達すること。
あらゆる組織体は、欧米企業をはじめ概ね前者である。とりわけ軍隊・警察・消防等の指揮命令系統が明確な治安組織ほどその度合いが強い。後者はあらゆる組織体を一種の運命共同体と捉える考え方(いわゆる「シラス思想」)に基づき、世界標準とは異なる形で我国独自に成り立ってきた。過去形にしたのは、外圧に屈して大抵が崩壊してしまったからに他ならない。ところが、凡そ近代国家と呼ばれる大多数の国々は、「主権在民」を唱っている。それが「民主国家」たるる所以だからだ。実態はともかく、法規範(建前)上は「下意上達」の仕組みなのだ。何のことはない、今や国際社会は「シラス思想」を手本にしているのだ。何でも西洋の文物思想を有り難がる政治家・文化人の底の浅さが透けて見えよう。
中国(中国共産党)最大の弱点は、「上意下達」一辺倒で「下意上達」が一顧だにされないことだ。これを衝かない手はない。「上意下達」ではコントロールできないのが、芸術文化というわけだ。かつて、鄧麗君(テレサテン)をはじめ台湾歌手の歌声がシナ大陸全土を席捲したが、中共に人民感情を揺さぶる詩歌など逆立ちしても作れまい。NAMEWEE氏の狙いもそこにある気がする。
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