台湾の議員を会長選出
アジア大洋州医師会連合
9/2(木) 21:16配信/産経新聞WEB版
【台北=矢板明夫】日本などアジア大洋州の19カ国・地域の医師会で構成される国際組織、アジア大洋州医師会連合(CMAAO)が2日、台北市内のホテルで年次総会を開き、台湾の与党、民主進歩党に所属する立法委員(国会議員に相当)で医師の邱泰源氏を新会長に選出した。
これまでも台湾出身者がCMAAO会長に選ばれたことはあるが、台湾の民進党政権下で与党政治家が会長に就任したのは初めて。台湾の関係者からは、世界保健機関(WHO)への加盟問題などで台湾の国際的発言力が高まることを期待する声が出ている。
CMAAOは1956年、日本医師会が中心となり、医師の交流促進や保健水準の向上を目指して設立された国際組織。韓国やオーストラリア、香港などの医師会が参加している。関係者によると、90年代から中国をメンバーとして受け入れることが検討されてきたが、中国は台湾医師会の名称を「中華台北医師会」に改めるように強く要求し、調整がつかなかった。
2日の総会に来賓として出席した台湾の蔡英文総統は「邱氏の会長就任が台湾のさらなる国際貢献につながることを期待する。私たちは全力でバックアップする」とあいさつした。
台湾はWHOに非加盟で、蔡政権発足後の2017年からは中国の反対により、WHO年次総会へのオブザーバー参加も認められていない。台湾は新型コロナウイルス対策の「優等生」として知られ、その知見を国際社会で共有する必要性が指摘されてきた。
台湾医師会の羅浚晅副秘書長は「近年、国際社会での台湾の存在感は高まっており、WHO加盟問題で台湾を支持する輪も広がっている。CMAAOを舞台に台湾の声を積極的に発信していきたい」と話す。
コメント総数;7
一、現状のWHOでは台湾参加は認めないだろう。
その前に我々も現状のWHOは認めてないが。
二、中華台北って、どこのことや。主権国家台湾を貶めるでない。中国政府の領土は、台湾にはない。
三、WHOを解体するか、欧米や日本が脱退して別の団体を作ればよい。
*************************
アジア大洋州医師会連合(CMAAO)なんて国際組織の存在など、全く知らなかった。多分、国連(UN)の付属機関であるWHOとは何の関係もない組織だと思う。実はこの報道のコメント「三」に、中共に買収された国連大改革の重大なヒントが秘められている。
そもそも国際連合(UN)自体が、米国の主導で第二次世界大戦戦勝国(=連合国)が、当時存在した国際連盟(UL;1920-1946年)とは別に、新たな理念に基づく国際機構として発足(1945年-)させた組織である。
第二次世界大戦(★印は国際連合原加盟国)
・枢軸国
ドイツ('73)、イタリア('55)、ルーマニア('55)、フィンランド('55)、ハンガリー('55)
日本('56)、ブルガリア('55)、タイ('46)、満洲(消滅)、★イラク、
フランス(ヴィシー政権)
・連合国
★ポーランド、★英国、★フランス、★カナダ、★ノルウェー、★ルクセンブルク
★オランダ、★ベルギー、★ギリシャ、★ユーゴスラビア(セルビア)、
★ソ連(ロシア)、★米国、★中華民国('71脱退)、★ブラジル、★豪州
因みに、中華人民共和国は、中華民国と入れ替わりで加盟('71)
国連憲章前文(邦訳)
われら連合国の人民は、われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し、正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること、並びに、このために、寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互に平和に生活し、国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し、すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して、これらの目的を達成するために、われらの努力を結集することに決定した。 よって、われらの各自の政府は、サン・フランシスコ市に会合し、全権委任状を示してそれが良好妥当であると認められた代表者を通じて、この国際連合憲章に同意したので、ここに国際連合という国際機関を設ける。
現代中国共産党の所謂「戦狼外交」を観るにつけ、上記国連の設立趣旨に則っているとは言い難い。国連設立時に〝悪″とされたのは、ファシズム(全体主義的・国家主義的独裁体制)である。日独伊三国同盟のうち、ムッソリーニ伊ファシスト党、ヒトラー独ナチ党政権は確かに独裁だったかもしれないが、我国の大政翼賛会は政党ではなく、国防上の単なる一行政機関に過ぎない。困った連合国はやむなく「日本軍国主義」のレッテルを貼ったが、笑止千万である。
今日、傍若無人な中共の戦狼外交への対抗軸として欧米が唱えているのは「自由+民主主義+人権+法の支配」といった概念だ。何故か? 国連憲章前文を読めばわかるとおり、それが国連を創設した趣旨なのだから、当然と言えば当然である。平たく言えば、大小・強弱に拘わらず、全加盟国それぞれが同等の権利と義務を有し、互助互恵・共存共栄型の国際社会を目指すということだ。本来ならば、設立趣旨を踏みにじる中共を追放処分すべきだが、おそらく賞罰条項など想定外で、規定にないと思う。
ただし、「台湾」が不当に排除された現状を鑑みるに、全ての国家が加盟しているわけでないことになる。つまり、「国際(-連合)」の名を冠してはいるが、倶楽部(会員)組織と大差ない単なる任意団体に過ぎないということだ。何となれば、加盟するも脱退するも任意(自由意思)であるはず。
なお、永世中立を国是とするスイスは、紆余曲折あって2002年に加盟した。急に想い出したが、我国が国連(国際連盟→国際連合)に復帰した1956年頃、盛んに「東洋のスイスを目指す」というのが流行った。主に政財官学マスコミ界左派系連中の意図的な政治プロパガンダであった。永世中立という〝絵に描いた餅″、即ち夢物語であり、米国追従という現実とは大きく懸け離れていた。
本気で中共に対抗するのであれば、中共のウラをかいて台湾支持国は敢然と「集団脱退」すべし。少なくとも、国連憲章の束縛からは自由になれる。飽くまで〝伝家の宝刀″だから、最後の手段には違いない。
コメント