英空母が初参戦 今夏日本近海に集結、自衛隊と共同訓練
民主主義諸国が“暴れ龍”中国包囲網
「世界戦略の中心がインド太平洋へ」英政府
5/1(土) 16:56配信/夕刊フジWEB版
【日本を守る】
中国海軍初となる強襲揚陸艦「海南」の就役式が23日、習近平国家主席が出席して海南省三亜(海南島)の軍港で行われた。東・南シナ海での軍事的覇権拡大、強襲上陸作戦を見据えた装備で、台湾や沖縄県・尖閣諸島の危機は高まったといえる。これに対し、日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」に加え、英国やEU(欧州連合)などが、「中国共産党政権の暴走」を阻止する構えを見せており、今年夏、英最新鋭空母「クイーン・エリザベス」など、欧米の海軍艦船が日本近海に集結する。外交評論家の加瀬英明氏が、自由主義陣営の覚悟に迫った。
日本のすぐ近くまで、「戦争の足音」が迫っている。緊張が増しており、刻々と平和が脅かされている。
今年7月、英海軍の最新鋭空母「クイーン・エリザベス」(排水量約6万5000トン、全長約280メートル)を中核とする空母打撃群が、オランダのフリゲート艦などとともに、南シナ海を抜けて長崎県・佐世保港に入る。
英国の空母打撃群が戦闘体系をとって極東の海に姿を現すのは、1953年に休戦となった朝鮮戦争以来のことだ。68年ぶりだ。
「クイーン・エリザベス」は、英海軍や米海兵隊が運用する短距離離陸・垂直着陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機「F35B」を搭載している。太平洋で海上自衛隊と合同訓練を行うことが予定されている。
英国政府は4月に「統合安全保障指針」を発表したが、世界戦略の中心が、日本に至るインド太平洋地域へ移ったと述べている。
海自の補給艦「はまな」が2月、米海軍駆逐艦「カーティス・ウィルバー」と、フランス海軍のフリゲート艦「プレリアル」と、九州西方の海域で共同訓練を行った。その写真が公表されている。この夏には、ドイツとベルギーも、海軍艦船を日本近海に派遣する。
日本はいまから80年前、追い詰められて、ハワイの真珠湾を攻撃することによって、対米英蘭(オランダ)戦争に突入した。「ABCD包囲網」によって石油、鉄鉱石などの供給を絶たれたからだった。開戦前から、日本の新聞に「ABCD包囲網」という言葉がさかんに踊っていた。Aはアメリカ(米)、Bはブリテン(英)、Cはチャイナ(中国)、Dは(ダッチ=オランダ)だった。
習主席の中国が、周りに人がいないように独り勝手に振る舞うのを受けて、ジョー・バイデン大統領の米国、ヨーロッパをはじめとする民主主義諸国の堪忍袋の緒(お)が切れて、中国を押さえ込むために結束するようになった。
いまや、A(米国とオーストラリア)、B(英国とベルギー)、C(カナダ)、D(オランダ)、F(フランス)、G(ドイツ)、I(インド)、J(ジャパン)の「ABCDFGIJ包囲網」が、“暴れ龍”の中国を、檻(おり)の中に閉じ込めようとしている。
中国が沖縄県・尖閣諸島を襲うかもしれない。英政府の「指針」は、日本を「最も緊密な戦略パートナー」と呼んでいるが、日本にそれだけの緊張感があるのだろうか?
習主席は、どうするだろうか?
■加瀬英明(かせ・ひであき) 外交評論家。1936年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、エール大学、コロンビア大学に留学。「ブリタニカ百科事典」初代編集長。福田赳夫内閣、中曽根康弘内閣の首相特別顧問を務める。松下政経塾相談役など歴任。著書・共著に『米陸軍日本語学校』 (ちくま学芸文庫)、『新しいナショナリズムの時代がやってきた!』(勉誠出版)など多数。
コメント総数;6
イ.先の戦争では日本の海軍さんが蘭、豪、英、米の合同艦隊をバタビア、スラバヤの海戦で打ち負かした。今度は仲間かあ。感無量。中共の海軍では日本の様には行かないだろうな。
ロ.中国って暴れ龍なんですか。ずうたいがデカいだけでビビりの張りぼてかと思ってました。
ハ.>ABCDFGIJ包囲網 その次の文字が永久欠番ww
危機的な亜細亜情勢を知ってか知らずか、平和ボケした暢気なコメントが痛い。加瀬氏は親米・親台派と目される軍事評論家である。英海軍の空母打撃群派遣が、あたかも日本を守りに来るかのような書き方だが、そうではあるまい。英国だけでなく、EUから仏国・独国などもアジア太平洋海域に海軍艦船を派遣するらしいが、中国の傍若無人な海洋軍事侵攻を阻止するためであり、対中国国際包囲網の一環と観るのが妥当だろう。何も中国の侵略から我国を守りに来たわけでないのは、明明白白である。戦後日本人は、西洋近代主義的的価値観(≒アメリカニズム)を無批判に信奉するあまり、先人たちの伝統的精神を忘却してはいまいか。
ところで、人気時代劇シリーズ『大岡越前』(TBS/1970~99年)は、CS放送「時代劇専門チャンネル」で繰り返し再放送されているので録画してある。全十五部のうち凡そ第五部(1978年)までに物語が出尽くし、以降はリメイク物が中心になってしまうし、大岡忠高役片岡千恵蔵が亡くなって準レギュラー陣も大幅に入れ替わるため、第七部以降は殆ど未見に近い状態だったが、流行り病(武漢肺炎)の御蔭で外出がままならず、目下、視聴に勤しんでいる。
それで以て、第八部第1話の冒頭に、面白いシーンがあった。新任同心蕪木兵助(森田健作)が悪酔いして、十手で酒肴を薙ぎ倒す。見かねた先輩風間駿介(和田浩治)が、「お前、御上から預かった大切な十手を何に使う」と激怒。兵助曰く「十手が何だ、ただの道具じゃないか」と。物語の進行とは何ら関係ない場面であるが、我国の伝統的精神文化に照らして、極めて興味深いセリフである。
脚本家(葉村彰子)が意図的にこの場面を創ったわけだ。駿介が古いタイプのサムライならば、兵助はキャピキャピの現代っ子といったキャラクターなのだろう。戦時中、「大和魂」とか「大和撫子」という語が持て囃された。近年、スポーツ界に於いて復古調表現が流行し、「侍ジャパン(野球)」や「なでしこジャパン(女子サッカー)」などと呼ばれている。女子サッカー代表選手が辺て「大和撫子」とは思えないし、野球代表選手が「侍」というイメージでもない。スポーツ記者が果たして語義を理解しているや否や、甚だ疑わしい。
自分は道具を粗末に扱う人を信用しない。「森羅万象総ての物質には魂(たましい)が宿る」と信じているからだ。これぞ正しく「大和魂(やまとごころ)」の原点である。野球で言えば、王貞治氏、イチロー氏。選手としての実績も素晴らしいが、道具(バット・ヘルメット・グラブ・ボールなど)を大切に扱う姿勢が素晴らしい。決して放り投げたり、粗末にしなかった。
戦時中、『愛馬進軍歌』『軍犬利根』などが愛唱されたのも、同様の理由であろう。人馬一体、軍犬も家族同然とする慈愛の顕われである。禽獣や道具など人間以外のものをも含めて、身の回りの総てを愛する心根。大袈裟に言えば、これが「大和魂」の原点だと思う。対人関係では、「困ったときはお互い様」という相互扶助の心意気である。
簡単に言うなら国民歌謡『隣組』(昭和15年)の精神ですね。
NHKラジオ歌謡『隣組』(昭和15年)
by 徳山璉
岡本一平作詞/飯田信夫作曲
一、とんとん とんからりと 隣組
格子こうしを開ければ 顔馴染み
廻して頂戴 回覧板
知らせられたり 知らせたり
二、とんとん とんからりと 隣組
あれこれ面倒 味噌醤油
御飯の炊き方 垣根越し
教えられたり 教えたり
三、とんとん とんからりと 隣組
地震や雷 火事泥棒
互いに役立つ 用心棒
助けられたり 助けたり
四、とんとん とんからりと 隣組
何軒あろうと 一所帯
心は一つの 屋根の月
纏められたり 纏めたり
作詞者岡本一平の本業は漫画家。仏教研究家でもある。妻は歌人岡本かの子。美術家岡本太郎は長男。俳優池部良は甥だとか。
以上を踏まえて、ニュースに戻ると、欧州のアジアへの艦船派遣は、相互扶助の精神に基づく行動ではないことが分かる。強いて相互扶助に拠ると思われる事象としては、日台民間交流が挙げられよう。中国の嫌がらせで宙に浮いた台湾産鳳梨の輸入肩代わりは、東日本大震災で莫大な義援金を贈ってくれた返礼の意味もある。台湾は戦前には日本領だったせいか、旧き佳き日本人の心(大和魂)に理解があり、近隣諸国では唯一心が通じ合える関係だ。そう考えると、対台湾断交・対中国国交樹立(1972年)した秋の田中内閣は、後世を危うくした大罪人と言わねばなるまい。
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