蔡総統も視察!高雄メトロ橋頭糖廠駅のネコ駅長「ミカン」
配信日;2021/03/19/TAIWAN TODAY 日本語版
日本の和歌山電鐵貴志川線の貴志駅にはネコの駅長がいて多くの観光客を引きつけているが、台湾南部・高雄市を走る高雄メトロ橋頭糖駅にも、ネコ駅長がいるのをご存知だろうか?名前は「蜜柑」、日本語読みで「ミカン」と呼ぶ。台湾全土のネコ好きの心をわしづかみにし、橋頭糖廠駅の利用客はなんと以前の約3割増しとなっている。蔡英文総統はきょう(19日)、同じ愛猫家である高雄市の陳其邁市長の誘いを受け、高雄に足を運んで「ミカン」の働きぶりを視察した。
高雄メトロ橋頭糖廠駅にいるオレンジ色の毛並のネコ「ミカン」は、もともと高雄メトロを運営する高雄捷運公司が引き取った野良猫で、のちに橋頭糖廠駅で「勤務」することになった。ネットユーザーたちから「ミカン駅長」と呼ばれるようになり、最近になってさらに人気に火が付いた。旧正月にファンたちからたくさんの「紅包(=お年玉)」をもらったことなどは大きな話題となった。高雄メトロもネコ用の特製スカーフや、「ミカン」をモデルにしたポスターなどを作り、橋頭糖廠駅の宣伝に役立てている。
陳其邁市長が「ミカン」のもとを訪れたのは今年2月末のこと。可愛い「ミカン」のとりこになった陳市長は、「ミカン」名義で蔡総統にポストカードを書き、その場で投函した。これに対して蔡総統が陳其邁市長のフェイスブックにコメントし、機会があればぜひ「ミカン」の働きぶりを見に行きたいと書き込んだ。
そして18日午前、高雄市小港区高鳳路の舗装工事を視察に訪れた陳其邁市長は、メディアの取材に対し、蔡総統が翌19日に「ミカン」の働きぶりを見るため、高雄メトロ橋頭糖廠駅にやって来ることを明らかにした。陳市長は「(蔡総統の飼い猫である)阿才や想想(クッキー)もきっと、ミカンといい友達になることができるだろう」と述べた。
高雄メトロ橋頭糖廠駅を視察した蔡総統は、「ミカン」駅長と高雄メトロの職員たちがしっかりと職務を全うしていることに感謝した。また、駅構内にネコをモチーフにしたさまざまなオブジェや郵便ポストがあることに触れ、より多くの人たちが高雄メトロを利用してここを訪れるよう期待していると述べた。
橋頭糖廠駅には「ミカン」の「執務室」もあり、出勤時間も決まっている。勤務表によると毎週水曜と金曜の正午から午後5時まで、毎週土曜と日曜の午前10時30分から午後5時30分までが「ミカン」の出勤時間となっている。
もしかしたら、同じ「ネコ駅長」つながりで和歌山電鐵貴志川線の貴志駅と「姉妹駅」協定を結び、交流を深める日も来るかもしれない。
ネコ駅長「ミカン」を見るために高雄メトロ橋頭糖駅を訪れた蔡英文総統(前列左)。高雄市の陳其邁市長(右)の誘いに応じてやってきた。(中央通訊社)
好いなあ、こういう微笑ましい心温まるニュース。しかし、徳川五代将軍綱吉(1646-1709年)の「生類憐みの令」は悪法とされるが、強制を伴わない自然な感情として、生きとし生けるものに対する慈愛の心がなければ共感し得ないことも事実であろう。
記事にもあるように、「ネコ駅長」という発想は我国起源である。「忠犬ハチ公物語」とか戦時中の国民学校唱歌『軍犬利根』など、身近な禽獣を家族同様に慈しむ習慣は我国独自のものと思っていたが、台湾でもこうした心情が理解されているようだ。靖国神社遊就館前には、軍馬、軍犬、軍鳩の慰霊塔が建っている。あたかも苦楽を共にした戦友たちを祀るかのように。
文部省唱歌『軍犬利根』(昭和17年)
一、
行けとの命令まつしぐら
かわいい軍犬まつしぐら
カタカタ カタカタ カタカタ
ダンダンダン 弾の中
二、
あの犬うてうて うちまくれ
のがすなのがすな うちまくれ
カタカタ カタカタ カタカタ
ダンダンダン 敵の弾
三、
よし来いよし来い 利根来い来い
わたしだわたしだ 利根来い来い
カタカタ カタカタ カタカタ
ダンダンダン 弾の中
動画サイト→https://www.nicovideo.jp/watch/sm24725014
オリジナル音源ですが、無関係な映像が邪魔ですな。
この歌に関する逸話が伝わっていて、もともと或る少女が可愛がっていだ子犬だそうで、後に軍犬としての訓練を受け、戦地で伝令役(犬)を務めて兵隊さんに愛されたのだとか。突然、前谷惟光の漫画『ロボット三等兵』を思い出した。
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