「日和見主義(≒ご都合主義)」と「事大主義」は、相手を批判したり非難する際によく用ゐられる語だが、似ているようで微妙に違う。出典を辿ると「日和見」は歴とした日本語(大和言葉)だが、「事大」は孟子の書(梁恵王下)に依拠する言葉という異なった背景がある。
【日和見】
原意;空模様を見ること。また、その観測役人。
転じて;自己の確固たる定見を持たず、有利なほうにつこうと形勢をうかがうこと。
【事大】
弱小者(国)が強大者(国)に上手く取り入ろうとすること。
《「孟子」梁恵王下の「惟智者のみ能く小を以て大に事うるを為す」から》
こうした〝謂われ″があってか、国内問題では「日和見主義」が、特亜三国(中国・韓国・北朝鮮)問題に関しては「事大主義」が専ら遣われるようだ。したがい、現在の菅内閣は日和見政権、文在寅韓国大統領は事大政権と言えなくもあるまい。
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菅首相、“最大の弱点”が早くも命取りに
……今後も改善の兆しなしでお先真っ暗
1/12(火) 10:45配信/デイリー新潮WEB版
~四頁中最終頁のみ転載~
内閣のキーマンは?
興味深いことに、安倍内閣を支えた今井尚哉氏は、“政治的カンを持った官僚”という珍しいタイプだったという。
「今井さんの特徴は、政策を進言するにしても、安倍首相に政局や有権者の動向を見据えながら説明していたことです。霞が関にエリート官僚は、それこそ掃いて捨てるほどいますが、ああいう人はなかなかいません」(同・政治担当記者)
昨年の12月16日に菅政権が発足して3か月になることから、日本経済新聞は15日、「首相、二階・林・森山氏と密接 3カ月間の面会、政権構造浮かぶ」の記事を掲載した。
日経が菅首相の面会記録を調査すると、二階俊博・幹事長(81)、森山裕・国会対策委員長(75)、林幹雄・幹事長代理(73)の3人が上位となったとし、この3人が《政権の手綱を握る構図》が浮かんだと指摘した。
「3人の中でも特に菅内閣のキーマンと言えば、二階幹事長と森山国対委員長でしょう。二階さんは和歌山県議、森山さんは鹿児島市議から政治の世界をスタートさせた叩き上げで、同じように横浜市議だった菅さんとは気が合うのでしょう」
政権迷走の原因
実務派であるところや、寝業師的なイメージなど、確かに3人には相通ずるものがあるようだ。
「二階さんも森山さんも実力者であることは間違いありませんが、政策通だったり、傾聴に値する国家観を持っていたりするようなタイプではありません。新型コロナに際して、日本という国家をどう舵取りするかといった点でアドバイスをすることはできないでしょう。こうして結局、菅さんは1人で何事も決める必要に迫られ、処理能力の限界を超えて政権は迷走しているのです」(同・政治担当記者)
週刊新潮WEB取材班
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【社説】民心を読めない文大統領の「新年の辞」
1/12(火) 10:09配信/韓国中央日報WEB日本語版
文在寅大統領の昨日の「新年の辞」は、セルフ称賛と根拠が弱い経済楽観論で国民の共感を形成するのに失敗した。事実上、任期最後の新年メッセージだったが、国政大転換の決断は出てこなかった。執権中ずっと国民を分裂させ、突然に包容を前に出したが、2人の元大統領に対する赦免には言及しなかった。国が半分に割れ、国民が光化門と瑞草洞に分かれて向かっていく状況だが、「秋美愛-尹錫悦対立」にも具体的な発言を避けた。ただ不動産問題に関連して「落胆が大きい国民に申し訳ない気持ち」と言っただけだ。
経済・民生イシューには自画自賛があふれた。「K防疫」を自慢し、今年上半期には韓国経済がコロナ以前の水準を回復すると自信を表した。しかし国民が現実で体感しているのは政策の失敗による苦々しい結果だ。あいまいな基準で業種間の公平性論争が強まり、「不服デモ」が生じているのが現状だ。病室・医療スタッフ・ワクチンがない「3無」の冬を送り、国民は恐怖を感じている。経済の要となる40代の就業者は2年以上も減少している。財政で作った短時間アルバイトばかりが増え、「雇用率上昇」という錯視をもたらした。
強固な韓米同盟と隙のない安全保障態勢は国家の基本だ。金正恩政権は第8回労働党大会で「核保有国として完全無欠の核の盾を構築した」と宣言した。我々に向かって「強力な国防力で祖国統一を操り上げる」と威嚇した。文在寅政権は一貫して金正恩委員長の非核化と平和の意志は確実だと強調してきた。その間、北朝鮮は韓米の防御網を無力化する原子力潜水艦と極超音速ミサイルを開発し、国防力の強化を党の規約に明示した。
大統領の「新年の辞」は国政哲学と国政懸案に関する発言だ。政府がやるべきことと進むべき方向を表す。希望を込めた口頭禅に終わってはいけない。しかし今年も例年のようにこれといった新しい内容はなく、経済も南北関係もバラ色の修辞で終わった。なら、文大統領は現在の我々の経済と安全保障が正しい方向に進んでいると本当に信じているのか、見たいものばかりを見ているのではないのか、という疑問を抱く。先導国家に飛躍するには、企業に活力を与えなければいけない。投資促進と雇用創出の近道だ。そのためには大統領が財界と意思疎通をしなければいけない。不動産問題を解決するには需要に合わせた供給対策が一日も早く求められる。国民統合と包容のためには2人の元大統領の赦免が第一歩となるだろう。大統領が自ら支持層を説得し、意思疎通をしなければいけない問題だ。K防疫が成功するには、自営業者の被害を最小化し、東部拘置所のような公共機関の集団感染遮断に先制的に取り組む必要がある。すべて自画自賛だけでは難しいことだ。
昨年は政治が国民に挫折と苦痛、怒りを与えた年だった。巨大与党の独走が法治主義と民主主義を揺るがした。複合危機の泥沼から抜け出すには、政治が中心になって方向と目標を明確に提示しなければいけない。経済を活性化し、安保を固め、国民を統合させる信頼の政治であるべきだ。ポピュリズムとドグマに陥った政策でなく、実事求是に政策基調を大転換することが求められる。文大統領が決断する時だ。
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両記事とも我が政治信条とは懸け離れているものの、「日和見主義」と「事大主義」のパターンをよく表しているように思う。つまり、我国も韓国も真の独立国とは言い難く、お寒い政権と言わざるを得まい。事大主義の行動様式からすると、文政権の「反日」は、我国を弱小国と認識すればこその政策だから、強い姿勢に転じれば忽ち腰砕けになってしまう。文大統領の『新年の辞』とやらは知らないが、おそらく〝対日非難″はなかったか、トーンダウンしていたに違いない。〝土下座外交″を繰り返してきた「敗戦国日本」ではなく、戦前の「五大列強国日本」のイメージが世界に拡がりつつあるのかもしれない。これを〝戦後レジームからの脱却″と言わずして何と言おう。
特亜三国との決定的な違いは、【弱きを救け強きを挫く】のが我国の正義とすれば、【溺れる犬を叩く(弱い者いじめ)】が彼国の文化である。
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