麻生副総理、台湾のコロナ対策を称賛
「中国との往来をバサッと切った」
2021/01/30 15:41配信/フォーカス台湾(中央通訊社電子版)
(東京中央社)日本の麻生太郎副総理兼財務相は、28 日の参院予算委員会で台湾の新型コロナウイルス対策に言及し、早い段階で国境封鎖に近い対策を取った蔡英文(さいえいぶん)政権を称賛した。
中国湖北省武漢で発生したコロナの感染拡大を受け、台湾は昨年1月、中国人を対象とした入境制限を強化する方針を発表。その後も先手を打った対策を打ち出し、30日現在の累計感染者は909人にとどまっている。
麻生氏は、馬英九(ばえいきゅう)前総統が国民党籍で、中国と極めて近かったと思われるのに対し、現在の民進党政権はその種の関係が全然ないと分析した上で、経済的に密接な関わりを持つ中国との往来を「中華民国(台湾)側がバサッと切った」と指摘。当時聞いたさまざまな報告の中で、「中国人による感染というのをきちっと決め打ちしてやったところが一番すごいと思った」と述べた。
(楊明珠/編集:塚越西穂)
この麻生副総理発言は、世界広しと言えども中国人(中国共産党と中国国民党)同士の内紛論争に過ぎない「一つの中国」の欺瞞性を暴く重大な言説である。然りながら、我国マスメディアは全く報道していない。面白いことに、震源元の中共政府もその手先機関である中国メディアも何ら反応していない。唯一、台湾メディアのみが(麻生発言を歓迎する立場から)報じた魔訶不思議なニュースだ。TVも新聞も目にしなくなった自分自身、全く知らなかった。
要するに麻生副総理は、「台湾は台湾であって中国ではない。中国は中国であって台湾ではない」という至って当たり前の「事実」につき、あらゆる歪曲や虚飾を排してシンプルに述べたただけなのだ。「台湾=民進党」「中国=中国共産党・中国国民党」と置き換えると更に明解になろう。因みに民進党(民主進歩党)は、「台湾」はもとより「中国」など凡そ国号と思しき枕詞を一切冠していない。実は「中国民主進歩党(2005年~)」を僭称する政党が台湾に存在するのだとか。その名称からして胡散臭い。中国国民党と同根の事大主義者とお里がバレよう。
「一つの中国」は、終戦直後に中国国民党軍が〝日本軍の武装解除″を名目として当時日本領だった台湾へ侵攻し、そのまま不法占拠(盗んだ)したことに端を発する。後年、国共内戦に敗れた中国国民党が首魁蒋介石ともども台湾へ逃げた後も「中華民国」の国号を維持したまま、国連(UN)などの諸国際機関の「中国代表」として居座り続けたのだ。(←1960年代まで=米国が寝返るまでは、西側先進国など少なからぬ国際的支持を得ていた背景もある)
この間、中国共産党(毛沢東)は『台湾もオレのもの』と言い出し、中国国民党(蒋介石)も『中国はもともとオレのもの』と言い返し続ける有り様となる。どっちもどっちの私利私欲・党利党略に凝り固まったウシハク同士と言わざるを得ない。
註)「ウシハク(主履く)」=万物を主(あるじ)の私有物とする思想。
「シラス(治らす)」=万物を構成員の共有物とする思想。(出典;古事記)
重要なことは、中国共産党も中国国民党も、「台湾人」を自国民とは考えていない点だ。証拠は幾つもある。当時「日本人」だった台湾住民大虐殺〝二・二八事件(1947年)″の首謀者は、他ならぬ中国国民党ではなかったのか。また中共の言う〝台湾解放″に大義名分があるとすれば、【盗賊(中国国民党)からの台湾人民解放】でなくてはなるまい。ところが習近平中共現政権は、あろうことか「敵」であるはずの中国国民党と気脈を通じたばかりか、解放すべき台湾人民が選び出した蔡英文政権を敵視する倒錯した党策に固執している。これこそ台湾人民を自国民と認めていない証拠でなくて何と言おう。つまり、中共の言う〝台湾解放″とはお為ごかしの外面に過ぎず、火事場泥棒的〝台湾乗っ取り″の邪悪な策謀に他ならない、ということだ。
こうした情況をポンぺオ米前国務長官は、【中共の弱い者いじめ】と喝破している。【溺れる狗を叩く(弱い者いじめ)】が中華思想の本質とするならば、真逆の【弱きを救け強きを挫く(弱者の味方)】が我が大和心の核心であり伝統的精神ではないか。なのに見て見ぬふりをし続ける我国政財官学マスコミ界に巣食う驕れるブタと化した〝お偉いさん″どもは、卑怯者の謗りを免れまい。翻って麻生発言こそが我が国民感情を代弁している、と断じても差し支えなかろう。
《ご参考》
【竹田学校】歴史入門編②~なぜ日本だけ2000年続いたのか?
2020/03/18に公開済み
《追伸》
今でこそ「親日」とされる台湾だが、その昔の国是が「反日」だったことはあまり知られていない。自分は1980年の初訪台以降、'90年代初頭にかけて8回ほど台湾を訪れている。蒋介石の息子蒋経国政権時代は、公式には日本語を禁止していたのだ。しかし実態は、本屋には日本の雑誌・書籍が北京語本を上回るほど並べられ、レンタルビデオ店には前日放送された日本のTV番組が、北京語字幕入で貸し出されていたし、「日語補習班(日本語学習塾)」は大盛況であった。日本統治時代の名残からか、山岳民族(所謂「高砂族」)では、部族間の共通語が日本語という有様だったのだ。つまり、竹田恒泰センセイの講義を借りて説けば、統治者(中国国民党)と台湾人民とは対立関係にあった、ということになる。
それを中国国民党内部から改革したのが李登輝元総統(在任1988-2000年)である。本省人(土着の台湾人)として生まれ、国籍上は日本人として就学期を過ごし、後に国民党に入党して外省人(戦後大陸から渡来した中国人)の内実も知り尽くしている。簡単に言うと、彼らの事大主義を逆手に取り〝褒め殺し″に出て国民国家としての道筋を築き上げて行ったのだ。台湾人にとっての「建国の父」とは、ウソつき孫文でも国盗人蒋介石でもない。李登輝元総統こそが世に隠れもない「建国の父」である。
《 追 伸 》
2021/02/06配信
台湾チャンネル第359回@チャンネル桜
①台北で人気の羊肉料理店。
②台湾の「国」扱い発言を繰り返す麻生太郎副総理に中国が非難の声を上げなくなったのはなぜ?
③台湾問題への無知ぶりを露呈する日本メディア。バイデン政権が台湾を中国領土と認めたと重大誤報。④ガイアナ共和国が台湾代表機関の関設を破棄。
麻生副総理が中共の恫喝外交を無効化する方法を暗示してくれている。故李登輝元総統のように、彼らの事大主義的性向(強者にペコペコ・弱者に居丈高)を逆手に取るのだ。李登輝元総統の場合は内輪のこととて「褒め殺し戦法」を採ったが、麻生副総理は真逆で、中共が最も怖れる皇軍(大日本帝国軍)の進撃をイメージした戦法に出た。支那に対して連戦連勝、不敗無敵だったからだ。中共幹部の習性は悪ガキと同じ。弱者には威張るが、強いと観たら手も足も出せない。中共をヤクザの大親分みたいに思うからいけない。内実は将軍様(親分)が自軍兵(手下)を置き去りにして真っ先に逃げ出す卑怯者・小心者なのである。つまり、〝恫喝(脅し)″は弱虫(概ね計算高い利口者=日和見主義者)には有効だが、物怖じしない一般庶民なら馬耳東風・屁の河童、まったく通用しないということ。
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