訪台中のチェコ上院議長を中国がどう喝
スロバキア大統領が批判ツイート
9/2(水) 18:17配信/中央通訊社(フォーカス台湾)日本語版
(台北中央社)台湾訪問中のチェコの上院議長が、中国の王毅外相から「高い代償を払わせる」とどう喝されたのを受け、スロバキアのズザナ・チャプトヴァー大統領は現地時間1日、ツイッターを更新し、欧州の国家元首として初めて、同議長への中国の威嚇は「受け入れられない」とする立場を示した。
チェコのミロシュ・ビストルチル上院議長は、約90人の訪問団を率いて8月30日に台湾に到着した。これを受けて王氏は同31日、訪問先のドイツでメディアに対し、台湾は領土の一部であるとする中国の姿勢を強調。「1つの中国原則に盾突くということは、14億人の中国人を敵に回すことで、国際的な背信行為だ」などと強く反発した。
チャプトヴァー氏は、2019年3月に行われたスロバキアの大統領選挙で当選した、同国初の女性大統領。上述のツイート文では、欧州連合(EU)と中国の関係は対話と相互の尊重を基礎としており、加盟国やその代表に対する威嚇は双方のパートナーシップと矛盾すると王氏を批判し、「スロバキアはチェコを支持する」とつづった。
欧州ではこのほかにも、ドイツ連邦議会(下院)外交委員長を務めるノルベルト・レットゲン氏が王氏の姿勢に不満を表明。チェコが中国の報復を受けないよう、立場を一致させるべきだとEUに呼び掛けた。
また、EUの政策執行機関、欧州委員会のPeter Stano報道官が1日、記者会見で、好ましくないとの見方を示したほか、同日王氏と面会したドイツのハイコ・マース外務大臣も、面会終了後、EUは外国のパートナーを尊重するが、相手側からも尊重されることを望むとして中国を非難し、チェコを支持する立場を表明した。
(編集:塚越西穂)
コメント総数;60
1.チェコに不満を表明するのは自由だ。チェコが台湾を訪問するのが自由なのと同じ。ただ、その内容が酷い。「1つの中国原則に盾突くということは、14億人の中国人を敵に回すことで、国際的な背信行為だ」 中国が正義の全てだ、中国が世界を牛耳っているのだ、と言っている訳だ。他者を認めないこの様な思い上がりは、返って逆効果だ、という事に何故気付かないのか。あまりに時代遅れなやり方は「後進国」を露呈してしまっている事に気づいていない。未だ未だ、だ。
2.王毅の、欧州珍道中ー。イタリアの首相から会談をキャンセルされ、イタリアにいたカナダの外相と急遽会談することになった。が、スパイ容疑で中国に拘束されているカナダ人を即刻解放しろ、と迫られる。その後、イタリアの首相がキャンセルした理由は、どうもファーウェイの5G導入のキャンセルを決定したから、と判明。欧州随一の親中国であるイタリアから最悪のニュースを受け取る羽目に。その後、オランダに行き外相と会談したが、その会談直後オランダ議会がウイグル人権法案が議会に提出されたと知り、激怒。その後、チェコの訪台へと繋がる。以上、王毅の珍道中でした!
3.中国政府=中国マフィア となってしまった。中国に楯突くとはどういう了見だ? 中国が世界のスタンダードと言うのか?思い上がりも甚だしい。世界は結束して中国との貿易を完全に停止し、徹底した孤立化を図り、中国人民による革命で自由主義国家に変わることを期待する。
このニュースを独逸の社会学者F・テンニース(1855-1936)の説に倣って考察してみる。
彼は基本的に進化論者で、時代とともに世界(社会)は、ゲマインシャフトからやがてゲゼルシャフトへ深化発展するとした。
・ゲマインシャウト(Gemeinschaft;共同体)
自然な「本質意志」にもとづき、結合を本質とする基礎的集団。
家族・友人仲間・近隣などを例とし、成員は感情的・全人格的に融合する。
前近代的な社会類型。相互尊重という意味で多分に横型社会
個人的には、「人間関係で融合の論理」(多様性の肯定)・・・下意上達型もあり
・ゲゼルシャフト(Gesellschaft;利益体)
人為的な「選択意志」にもとづき、分離を本質とする機能的集団。
企業・大都市などを例とし、利害・打算で行為する。
近代的な社会類型。ヒエラルキー(階級)構造という意味で概ね縦型社会
個人的には、「人間関係で排他の論理」(多様性の否定)・・・概ね上意下達型
テンニース説では、非難を浴びる中国こそが世界で最も進化した国ということになる。中国に非難を浴びせているのは、EU(欧州連合;1999-)の国々である。EUとは英語(European Union)の略称なので分かり難いが、もともとEEC(1957)が母体の組織で日本語では「欧州(経済)共同体」と呼称していた。独逸語では〈Europäische Gemeinschaft〉と綴る。真にゲマインシャフトですね。しかし、EUという組織自体が人為的なゲゼルシャフトそのものなのだから、何とも皮肉で面白い。
余談はさておき、EU構想の始まりに〝ゲマインシャフト″の名を冠したのは、刻々とゲゼルシャフト化する世界にあって、伝統的なゲマインシャフト精神(互助互恵・共存共栄・相互信頼)に基づく機構にしようとの意思が働いたことは間違いあるまい。
つまり、このニュースは、ゲゼルシャフト(排他社会)に対するゲマインシャフト(融合社会)の逆襲と観ることも出来よう。極論すれば、地域・民族・集団などが固有に保つ伝統・文化・民俗性などに対する部外者(外国)の干渉も介入も破壊工作も絶対に許さないとする、ゲマインシャフト精神に根ざした覚悟・決意の表明なのだ。
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