バッハ『カンタータ第80番』
《我らが神は堅き砦》
-宗教改革記念日(10月31日)用-
超有名なカンタータにも拘わらず、リヒター盤『教会カンタータ選集全26巻(各巻分売)』には何故か収録されていない。従って、お馴染みの礒山雅氏解説文も転載不能。所有CDのなかには、リヒター盤もあるが、独グラモフォン直輸入盤のため邦文解説は付いていない。他の所有盤も英国EMI、仏国エラート、米国ヴァンガードと全て輸入盤だから、日本語は皆無。ゆゑに、ただでさえ、語学不案内な自分には解読不能。悪しからずご容赦下されたし。
* 楽曲構成 *
第1曲-合唱(四声部)/マルティン・ルター作
第2曲-アリア(バス)・コラール(ソプラノ)
アリア/台本;ザロモ・フランク、コラール/M.ルター作
第3曲-レチタティーヴォ(バス)/S.フランク
第4曲-アリア(ソプラノ)/S.フランク
第5曲-コラール(四声部)/M.ルター作
第6曲-レチタティーヴォ(テノール)/S.フランク
第7曲-二重唱アリア(アルト&テノール)/S.フランク
第8曲-コラール(四声部)/M.ルター作
保有CDは録音年順に次の四種。不思議なことに、独逸プロテスタント教会ルター派の金城湯池地域である北東ドイツ系演奏が一枚もないとは、これ如何に。
1.プロハスカ盤(1951年モノラル録音)
指揮;フェリックス・プロハスカ
ウィーン・バッハギルド合奏団&合唱団
マヤ・ヴァイス-オズボーン(ソプラノ)
ヒルデ・レッスル-マイダン(アルト)
クルト・エクヴィルツ(テノール)
ワルター・ベリー(バス)
2.ウェルナー盤(1959年録音)
指揮;フリッツ・ヴェルナー
プフォルツハイム室内管弦楽団
ハイルブロン・ハインリヒ・シュッツ合唱団
インゲボルク・ライヘルト(ソプラノ)
ヘルタ・テッパー(アルト)
ヘルムート・クレブス(テノール)
フランツ・ケルヒ(バス)
3.ゲンネンヴァイン盤(1967年録音)
指揮;ヴォルフガンク・ゲンネンヴァイン
南ドイツ・コンソルティウム・ムジクム&マドリガル合唱団
エリー・アメリンク(ソプラノ)
ジャネット・ベーカー(メゾソプラノ)
テオ・アルメイヤー(テノール)
ハンス・ショティン(バス)
4.リヒター盤(1979年録音)
指揮;カール・リヒター
ミュンヘンバッハ管弦楽団&合唱団
エディット・マティス(ソプラノ)
トルデリーゼ・シュミット(アルト)
ペーター・シュライヤー(テノール)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バス)
自分は、この曲を独逸プロテスタント教会の〝軍歌″だと思って聴いている。曲名にある「砦」からは、ルターもバッハも縁あるアイゼナハ「ワルトブルク城」を想起させる。その意味で各盤とも一長一短だが、戦闘的(?)な「1」を最も好む。ただし、合唱陣のヴィブラート唱法がいただけない。
なお、宗教改革記念日の為に、バッハはもう一曲、BWV79を書いている。第80番の陰に隠れて殆ど演奏されないが、ラミンが佳演を遺してくれている。リヒターがチェンバロ奏者で参加した珍蔵盤である。
バッハ『カンタータ第79番』
《主なる神は日なり、盾なり》
-宗教改革記念日用-
* ご参考 * ラミン盤(1950年聖トーマス教会での録音)
指揮;ギュンター・ラミン(トーマスカントール)
ライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団
ライプツィヒ聖トーマス教会聖歌隊
聖トーマス教会聖歌隊員(ボーイソプラノ、ボーイアルト)
ハンス・ハウプトマン(バス)
カール・リヒター(チェンバロ)
コメント