タイ音楽を聴くための媒体(メディア)は、徐々に様変わりしつつある。初訪泰はちょうど30年前、1989年5月のことである。日本ではCDが主流になりつつあったが、未だ音楽カセットテープ絶頂期であった。さすがにレコード盤は見かけなかった。しかし今日では、無料・有償を問わず、インターネットで音楽ファイルをダウンロード出来る時代になり、わざわざCD店に足を運ぶ必要もなくなったというわけ。メディアにしてもUSBメモリーに収録されたものさえある。
したがい、メディアを購入せずとも、タイの樂曲を語ることは可能なわけだが、習慣になってしまって、つい。
1.MP3;แกรนด์เอ็กซ์ ชุด โดนใจ....ใช่เลย. 50 tracks
GrandEx(グラン・エック)がとっても大好き/版元;RightBeyond
GrandExは、'80年代のバンドブームを牽引した代表的グループ(男だけの9人組)。昭和40年代のグルーサウンズ流行に相似する。世界的に観れば英国のビートルズやローリングストーンズなどが元祖であろう。しかし、源流はエルヴィス・プレスリーらの米国ロックンロールにあると思う。ただし、おのれの趣味で言うと、ヤクザっぽいバンドは好まず、貴公子然としたデイヴクラークファイヴ(英)、ヴィレッジシンガーズ(日)などが好みであった。要するに、根が体制順応型なのですよ。
タイ国内樂では土着のルークトゥン(含;モーラム・プアチヴィットなど)系とグローバルなポップス系に大別されるが、GrandExはポップス系に属している。が、ハードロックは、プアチヴィットに多い。分類の根拠が何なのか、外国人の当方には解りかねる。
さて、肝腎の中身のほうだが、既知の曲は次の二曲だけしか入ってなかった。
030 เพื่อน(ぷぇん;友達)
029พบรัก(ぽっぷらっく;愛を見つける)
両曲とも、'80年代を舞台とするタイ映画《เฟรนด์ชิพ เธอกับฉัน(フレンドシップ君と僕)》(2007年)のエンドロールと挿入歌として使われていたので知った次第。特に「友達」は、悲劇的結末に合致して、歌詞が分からずとも感動の涙を誘うに充分である。
*映画予告編*
件の日本語ガイド氏も言っていたが、あの頃('80年代)の歌が最も好きで懐かしいそうだ。彼にとってのいわゆる「懐メロ」なんですね、きっと。
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