昭和31年(1956年)のパリーグ第5位は近鉄パールス。「バファロー」になったのが1959年、複数形「バファローズ」は1962年以降のこと。初代愛称「パールス(真珠)」は、おそらく親会社の近畿日本鉄道志摩線賢島駅がある英虞湾特産の真珠に因んだのだろう。まさか愛称のせいではあるまいが、後の“猛牛打線”とは程遠く、この頃は万年Bクラスに甘んじていた。
154試合68勝82敗4引分勝率.455
首位西鉄とのゲーム差29.5、監督芥田武夫(背番号50;52歳)
芥田さんはプロ選手を経ない珍しい監督。但し、アマ(早大、満鉄)では選手経験があり、東京六大学野球の初代首位打者だし、都市対抗野球でも所属チームが初代チャンピオンに輝いている。
主力野手(打撃順)
・27・・木村勉(左翼手・35歳)/打率.287・打点22・本塁打1・盗塁22
・7・・鈴木武(遊撃手・24歳)/打率.244・打点17・本塁打0・盗塁37
・1・・武智修(一塁手・30歳)/打率.237・打点56・本塁打0・盗塁21
・2・・小玉明利(三塁手・20歳)/打率.273・打点82・本塁打13・盗塁16
・28・・大石雅昭(中堅手・22歳)/打率.238・打点34・本塁打2・盗塁9
・26・・戸口天従(二塁手・24歳)/打率.241・打点45・本塁打7・盗塁12
・4・・B・ピンカード(右翼手・25歳)/打率.187・打点43・本塁打16・盗塁11
・10・・加藤昌利(捕手・20歳)/打率.202・打点28・本塁打4・盗塁1
名前を憶えているのは、小玉選手だけ。おそらく、平和台球場でも観戦したことがないのだと思う。
控え野手(代打・代走・守備固めなど)
・31・・松岡洋治(外野手・20歳)/打率.166・打点18・本塁打0・盗塁14
・24・・日下隆(外野手・26歳)/打率.258・打点16・本塁打0・盗塁9
・34・・君野健一(内野手・21歳)/打率.235・打点11・本塁打0・盗塁2
・25・・島田光二(内野手・19歳)/打率.271・打点14・本塁打1・盗塁3
・6・・原勝彦(捕手・25歳)/打率.194・打点10・本塁打0・盗塁1
・38・・石黒誠作(外野手・20歳)/打率.171・打点11・本塁打1・盗塁7
・11・・山田清三郎(捕手・22歳)/打率.135・打点2・本塁打0・盗塁3
・3・・D・パレニイ(内野手・24歳)/打率.215・打点4・本塁打0・盗塁2
・9・・山本静雄(内野手・34歳)/打率.145・打点3・本塁打0・盗塁2
・5・・鬼頭政一(内野手・35歳)/打率.245・打点10・本塁打0・盗塁3
・29・・関森正治(外野手・19歳)/打率.184・打点3・本塁打0・盗塁1
控え選手となると、もはや誰も憶えていない。
投手陣
・16・・武智文雄(右・29歳)/投球回数255.2/3・16勝16敗・防御率2.43・奪三振113
・19・・関根潤三(左・29歳)/投球回数152.1/3・9勝11敗・防御率2.94・奪三振66
・18・・山下登(右・21歳)/投球回数126.2/3・5勝11敗・防御率3.83・奪三振73
・20・・佐藤良一(右・21歳)/投球回数152.2/3・5勝9敗・防御率2.76・奪三振90
・17・・沢藤光郎(右・36歳)/投球回数106.1/3・7勝5敗・防御率2.69・奪三振38
・14・・榎原好(右・31歳)/投球回数93.1/3・5勝5敗・防御率2.59・奪三振49
・22・・黒田勉(右・19歳)/投球回数152.1/3・6勝4敗・防御率2.71・奪三振90
・15・・岡本教平(右・21歳)/投球回数108.1/3・4勝7敗・防御率4.79・奪三振24
・12・・永井康雄(右・24歳)/投球回数143.1/3・8勝11敗・防御率3.50・奪三振63
投手なら武智・関根・山下の名前ぐらいは記憶にある。勝ち頭の武智投手は、今や絶滅危惧種の下手投げ(アンダースロー)でしたね。この頃は、米国流『ベースボール』とは一線を画した我国独自の『野球』があった。今日では米大リーグとの距離が近くなったせいか、プレースタイルが限りなく『ベースボール』化していくのは残念なことだ。
現在のオリックス・バファローズで、背番号を受け継いでいるのは誰だろう。尤も、オリックスの前身は「阪急」だから、鈴木啓示投手の「1」も永久欠番ではなくなっている。
1・・・中島宏之(内野手;35歳)、2・・・欠番、3・・・安達了一(内野手;30歳)、
4・・・福田周平(内野手;25歳)、5・・・西野真弘(内野手;27歳)、
6・・・宗佑磨(内野手;21歳)、7・・・欠番、9・・・S・ロメロ(外野手;29歳)、
10・・・大城滉二(内野手;24歳)、11・・・松葉貴大(左投手;27歳)、
12・・・C・マレーロ(内野手;29歳)、14・・・松葉一将(右投手;28歳)、
15・・・佐藤達也(右投手;31歳)、16・・・欠番、17・・・増井浩俊(右投手;33歳)、
18・・・岸田護(右投手;36歳)、19・・・金子千尋(右投手;34歳)、
20・・・近藤大亮(右投手;26歳)、22・・・伊藤光(捕手・28歳)、
24・・・宮崎祐樹(外野手;31歳)、25・・・西村凌(捕手;22歳)、
26・・・東明大貴(右投手・28歳)、27・・・A・アルバース(左投手;32歳)、
28・・・塚原頌平(右投手;25歳)、29・・・田嶋大樹(左投手;21歳)、
31・・・小谷野栄一(内野手;37歳)、34・・・吉田正尚(外野手;24歳)、
38・・・小島脩平(内野手;30歳)、50・・・小田裕也(外野手;28歳)
現役選手で顔と名前が一致するのは西武にいた中島選手ぐらい。エースだから金子投手も名前は知ってるが、顔が思い浮かばない。こうしてみると、62年前の近鉄パールス時代とあまり変わらないなぁ。はっきり言って、殆ど関心のないチームということ。
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