やれやれ、せっかく作った原稿が消えちゃった。毎回、ワープロ「一太郎」で作成した原稿をWEB上の投稿画面にコピペしている。コピペを終えたら元原稿は消去し、投稿画面で若干の修正を加えるのがいつものパターン。ところが今回、コピペを終えて元原稿を消去した時点でブラウザが突然ハングアップしたからさあ大変。元原稿を消去したうえ、投稿画面も保存前とあってパソコン上から投稿予定記事が完全に消えてしまった。「一太郎」のバックアップを取るか投稿を終えるまで消さなければよかったのだが、まさかハングアップしようとは思いも寄らず、先走っての失敗だった。とうとう一から書き直すハメになった。トホホ。
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昔の映画・TVドラマは、何も時代劇に限らず現代劇でも佳いものだ。「現代劇」とはいえ、今となっては「過去」の記録だから、「時代劇」に近い感覚で観ることが出来る。レコードや音楽テープ・CD類が【音の缶詰】とすれば、こちらは【映像の缶詰】に当たる。つまり、制作年代に応じた風俗・習慣・流行などがそのまま封印されているわけ。流行歌の蒐集で、殊更オリジナル録音に拘る理由がここにある。映像の場合、時代劇よりむしろ現代劇のほうが制作当時の雰囲気をよく伝えてくれるのかもしれない。
ごく最近、CS放送チャンネルNECO(有料)で『若い川の流れ』(日テレ;全17話;昭和43年)が再放送された。昭和43年と言えば大学三年生時分、ヒマは充分にあったはずなのにリアルタイムで視た憶えがない。当時の自分は「恋愛」など他人ごとに過ぎず、少女趣味な番組など関心外だったのが真相だろう。
石坂洋次郎同名小説の映像化は、本作がオリジナルではない。
1.日活映画(昭和34年)
田坂具隆監督/池田一朗ほか脚本/佐藤勝音楽
石原裕次郎、北原三枝、芦川いづみ、小高雄二、川地民夫、清水まゆみ
東野英治郎、轟夕起子、千田是也、山根寿子、高野由美、安井昌二
2.フジテレビ(全4回;昭和37年)
松木ひろし脚本/渡辺岳夫音楽
寺島達夫、河内桃子、清水将夫、三宅邦子、梅野泰靖、中西杏子
3.日本テレビ(全17話;昭和43年)・・・本作
鍛冶昇ほか監督/窪田篤人脚本/池田正義音楽/矢島正明ナレーター
主題歌;万里村ゆき子作詞作曲/パープルシャドウズ歌唱
松原智恵子、浜田光夫、磯部玉枝、川口恒、池田秀一、岡田由紀子、川地民夫
若原雅夫、奈良光枝、加藤治子、大坂志郎、松井八知栄、太田雅子、伊藤るり子
池田昌子、玉川伊佐男、小沢直平、毒蝮三太夫
1、2ともに未見ながら、調べたところ家族構成や物語展開がそれぞれ多少異なるらしい。参考までに映画版と本作の登場人物(キャスト)を対比してみよう。
・曽根健助・・・石原裕次郎/浜田光夫
・北岡みさ子・・・北原三枝/松原智恵子
・川崎ふさ子・・・芦川いづみ/磯部玉枝
・室井敬三・・・小高雄二/川口恒
・健助の両親・・・東野英治郎・轟夕起子/登場せず代わって姉役池田昌子
・みさ子の母・・・高野由美/加藤治子
・みさ子の弟(妹)・・・川地民夫/岡田由紀子
・ふさ子の両親・・・千田是也、山根寿子/若原雅夫、奈良光枝
・敬三の兄弟・・・登場せず/川地民夫・池田秀一
・北岡家隣人父娘・・・登場せず/大坂志郎、松井八知栄
役柄こそ違え、両方に出演しているのは川地民夫のみ。本作主演の松原智恵子、浜田光夫とも日活専属だったが、デビュー前につき映画版には出ていない
懐かしいなぁ。まず、TVカラー化初期とあって、冒頭「カラー」のロゴマークが眩しく映える。そしてグループサウンズ調パープルシャドウズの主題歌が、当時の雰囲気をそのまま伝えてくれる。また北岡家近くを走る小田急電車が碧色と橙色のツートンカラーなのも新鮮だ。何でも代々木上原駅付近で撮影されたのだとか。地下鉄千代田線乗り入れ前で高架化されておらず、まだ踏切があったのですね。この辺りは自宅から新宿駅までとほぼ同距離。気が向けば山手通り沿いに足を伸ばしたりもするが、今やすっかり無機的な街並みに成り果ててしまった。第5話だったか、みさ子と妹マキ子が早朝ジョギングで自宅から代々木八幡宮まで出かけるシーンがある。撮影が冬場のようで樹木が枯れ気味なれど、ここだけは今なお当時のままである。
みさ子の妹役岡田由紀子さん、同名異字のアイドル歌手故岡田有希子さんに比べれば無名に等しいが、子役時代は東映所属だったみたい。片岡千恵蔵主演『軍兵衛目安箱』(NET;昭和46年)では女中おぼん役で出演していた。こちらを先に視て名前だけは知ってたわけだが、どちらも御侠な役柄でまたそれがよく似合うから不思議。健助姉役池田昌子さんの場合、女優より外国映画・ドラマの吹替声優として成らした人。初めてご尊顔を拝し奉ったが、声を聞くだけでついオードリー・ヘプバーンがオーバーラップしてしまう。【思い込み】とは恐ろしい習癖ですねぇ。
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