出戻り台風10号の接近で警戒していたが、予想より東に逸れたおかげで11号、9号の時に比べると風雨とも大したことなく幸いであった。
さて、前稿で我国の【旧貨幣】を採り上げたので、今回は諸外国の通貨について書いてみよう。要するに、海外旅行時の現地通貨を日本円に再両替せず、そのまま持ち帰った貨幣類のことを話題にしようというわけ。なかには通貨政策変更に伴い、今や紙屑同然と成り果てた【現金】ならぬ【古銭】もある。
だがしかぁ~し、現物(紙幣)を画像化しようにも、そもそもコピーできない仕組みになっている。旧紙幣といえども有効券とあらば、何でも偽造防止のためだとか、なるほどねぇ。仕方ないのでネット上の画像を可能な限り借用するが、これらは当局の特別許可を得てアップされたものらしい。尤も、違法海賊版画像が混じってる可能性が、なきにしもあらず。
☆ 西洋の通貨 ☆
カナダを訪れたのは2001年8月、父方唯一の生き残りだったトロント郊外在住の叔父に会うため、単身一度渡っただけ。帰国2週間後に例の9.11テロ事件があったので、よく憶えている。奇しくも叔父は半年後に亡くなった。現行最新版は2011年発行の紙幣。したがって、それ以前のものは全て旧紙幣になる。保有する10ドル札が2001年発行(渡航時の最新版)と、5ドル札は1986年発行版である。
ドイツへは東西統一直後の1990年代に五回ほど行った。クラシック(古典音楽)ファンとしては、何せ三大B(バッハ、ベートーベン、ブラームス)の故郷ですからね。50マルク札と20マルク札を持っているけど、現在欧州通貨(ユーロ)圏に加わったため、直接は遣えない。でも、ドイツ銀行へ行けばユーロ貨幣に交換してくれるらしい。
1989年2月、会社の悪友と二人で初めて欧州旅行した際、英国、フランスとともに一度だけ訪れたことがある。英国はユーロ圏には属さず、EUからも離脱したが、ポンド紙幣は持っていない。フランスのフラン紙幣もなし。イタリアはユーロ圏國のため、現在リラ紙幣はそのまま遣えないが、1000リラ札一枚だけが手許にある。「千」の位から高額紙幣をイメージしがちだが、当時のレートで70円程度に過ぎない。大衆食堂でイカスミスパゲッティを食ったところ、一万二千リラ(≒¥840-)請求され、腰を抜かしてしまった。
1990年代、当時の東欧圏ハンガリー、スロヴァキアとともにチェコへも一度だけ行った。スメタナ、ドボルザークやマーラーの生まれた国で、言わずと知れたクラシック絡みの旅行である。通貨単位は日本語で[コルネ]。しかし、紙幣には[KORUN]と印刷されていて、現地発音も[コルン]としか聞こえない。50コルネ札と20コルネ札を持っているが、歴とした現行紙幣である。因みに現行レートで1コルネ≒4円20銭。
その昔、オーストリア=ハンガリー二重帝国だった時期もあり、言語が違うものの文化的には独墺圏になる。ただ、どことなく東洋的な雰囲気が漂い、姓名の書き順が日本と同じなことから妙な親近感が湧く。通貨単位は日本語で[フォリント]。当時のレートが日本円とほぼ同じで覚えやすかったが、現在は1フォリント≒37銭と円高が進んでいる。100フォリント札数枚と50フォリント札を所有している。
何も字数制限があるわけではないが、ここまででかなり長くなったので「東洋篇」は次稿へ譲ることにする。
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