あ~ぁ、また買っちゃった、今度はヘッドホン。所有するイヤホン・ヘッドホンは、DAP付属品を除く使用可能なものだけでも、米国シュアーのSE-215とSE-535LTD、独国ゼンハイザーのIE-80、米国ウェストンのWST-W40、それに城下工業のSW-HP10と5種類ある。このうち、ヘッドホンはSW-HP10だけで、残りは全てカナル型イヤホン。おとなしい鳴り方のWST-W40をメインに、曲種によってSE-535LTDかIE-80を偶に使っている。
国産品(外は全部Made in China)のSW-HP10は、デスクトップパソコン(EPSON MR7300)用として買ったのだが、パソコン自体は主に作業用としてしか使ってない。映像や音楽ファイル等は、ほとんどノートPC(Pnasonic LX2)に移し換えてある。旅行時、携行するウォークマンA-16とPCソフトMediaGoを同期させるためだ。
しかし、しょっちゅう旅行に出かけるわけではない。年間通じて合計50日ほどにもなろうか。残りの約315日(つまり大半)は、自宅で過ごすということ。30年以上前に買った本格的オーディオ装置がないではないが、ここ数十年間、一度も使ってない。かといって、自宅に居てさえモバイル音楽環境のままでは、オーディオオタクでなくても具合が悪い。カナル型イヤホンは、携行に便利な反面、肝腎の「音」が完璧とは言えない。ヘッドホンに比べて音場が狭く、臨場感に乏しいのはやむを得まい。とりわけ、フルオーケストラによるスケール雄大な楽曲には、少なからぬ遜色を抱える。
そこで、唯一のヘッドホンSW-HP10を流用してみたところ、DAP向けに作られていないためか、些か高域が粗っぽいうえ「音」が取り出しにくい。そこで新たにオーバーヘッド型ヘッドホンを物色することにした次第。ところがそれらは、高級であるほど本格的なオーディオコンポ向け仕様のため、コードも長いしインピーダンスも高すぎる。従い、DAPを基調とした音楽環境には向かない。
こうしてDAP(Walkman A-16)用のヘッドホンとなると、かなり限られてくる。DAP自体が屋外持出用だから、それに適うヘッドホンもモバイル性重視とならざるを得ない。結果的に、ほとんどの製品がオンイヤー(耳乗せ)タイプに収斂されてしまう。旅行の際に携行できるのは有り難いとは言え、そんな用途が本来の目的ではない。あくまで、自宅用のしっかりしたヘッドホンが欲しいだけである。
結局、消去法で残ったのがゼンハイザーのMOMENTUMのみ。尤も、端からの第一候補にしていたから、勝手な理屈をつけて他機を篩い落とした感がなきにしもあらず。結構ファッション性もあって人気モデルらしく、オンイヤータイプやカナル型イヤホン、果てはワイヤレスタイプも発売されるらしいが、購入せしめたのは元祖(オリジナル)版MOMENTUM。ネット上の口コミ情報では、やれ低域が足りないとかそれ装着感が今ひとつといった否定的な評価で賑わっていた。
しかし、音質の良し悪しは、個々の感性や好みに左右されるので、他人さまの評価はあまり参考にならない。自分の耳で確かめるのが一番良いのだが、装着は試せたものの、あいにく試聴ができなかった。ゆゑに、見てくれ(デザイン)だけで決めたわけだが、買って大正解。DAPに適うと言っても、iPod等アップル製品を想定した仕様になっているのだが、通常ケーブルも付属していて問題ない。
肝腎の「鳴り方」は期待通り。所有する何れのイヤホンより、スケール感や臨場感が増す。低域量は確かに多くないが、過不足ない絶妙のバランス。むしろ、期待してなかった高域が絹糸を引くように美しい。意外なことに室内楽・独奏(独唱)曲等の静かな曲(?)や弦楽器との相性が良く、演奏(録音)に立ち会うかのような生々しさを醸し出す。
話変わって、邦人作曲家の続きです。自分は旧いタイプの人間だから、戦後よりも戦前・戦中作品のほうが性に合う。
橋本國彦『交響曲第1番“皇紀2600年奉祝曲”』(1940)
by 沼尻竜典指揮東京都交響楽団
最終(第三)楽章が式典唱歌『紀元節』の主題と変奏フーガになっていて堪らない。
大澤壽人『ピアノ協奏曲第3番“神風”』(1938)
by サランツェヴァ(P)/ヤブロンスキー指揮ロシアフィル
“神風”の副題は、《特攻隊》のそれではなく、東京~ロンドンを当時の新記録で飛んだ朝日新聞社の飛行機「神風号」に因む。クラシック曲には珍しく、第二楽章でサキソフォンが使われており、興味を駆り立てる。
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