会社を辞めた2005年(平成17年)を機に、新聞(朝日・聖教・あかはた)の購読を中止し、テレビも見なくなった。経済的理由もあるが、年齢を重ねるごとにマスコミの報道が嫌になったからだ。それでも、ネット上で否応なく時事ニュースには目を通してしまう。
そんな折、“マスコミ嫌い”になった原因を裏付けるような、嫌な報道記事を眼にしてしまった。
三原じゅん子議員;『八紘一宇』【毎日新聞;3月17日付】
慰霊碑の修復不評(パラオ)【毎日新聞;3月18日付】
安倍首相、自衛隊を「我が軍」【朝日新聞DIGITAL;3月23日付】
おのれの思想信条とは相容れない論調のせいもあるが、それだけではない。それぞれの記事から、「悪意」が感じられるのである。
具体的には、『八紘一宇』の記事が、【八紘一宇は戦前、日本の侵略を正当化するための標語として使われていた。】の部分。『パラオ慰霊碑』の記事が、【島民やパラオ在住の日本人からは「広々とした海が見えづらくなった」「碑の形がよくわからない」などと不満の声が上がっている。ある島民の男性は取材に「工事をストップしてほしいと思ったぐらい」と話した。】の箇所。『「我が軍」発言』では、【憲法9条は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定める。2006年の第1次安倍内閣の答弁書で「自衛隊は我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織で、『陸海空軍その他の戦力』には当たらない」とした。一方、自民党が12年に発表した憲法改正草案には「国防軍」の創設が盛り込まれている。】の部分。
つまり、報道の在り方としては著しく公正さを欠き、すでに記者(新聞社)の思想信条に基づくバイアスがかかっているということ。読者を「反政府」へと煽り立てたい意図が見え見え。政党機関紙ならいざ知らず、これが日本を代表する新聞社の報道記事ですかねぇ。
「毎日」「朝日」と言えば、戦中は国策に乗じて『提灯記事』を量産していた新聞社。戦後になって、今度は手のひらを返したように「反政府」を煽り立てる。いやはや、この“節操のなさ”が何とも滑稽ではないか。しかも、両社に限らず「四権」(行政・立法・司法・報道)の一つに祭り上げられた「マスコミ」は、(無知な)読者・視聴者を“啓蒙”しようなどと、能力もないくせして思い上がっているから始末が悪い。TVドラマの劣化が激しいのも、国民を見下すかのような立ち位置が起因しているように思う。
「保守派」に頗る評判の悪いNHKにしても、昔のニュース番組では、アナウンサーが視聴者に向かって深々とお辞儀(最敬礼に近い)をしていた。即ち、三波春夫じゃないけれど、お客様(視聴者)は神様ですの姿勢があった。ドラマも同様の精神に基づき、玉石混淆なれど家族ぐるみで愉しめる番組が多かった。それがどうだろう、何時頃からか思い上がって高い位置から視聴者を見下ろすかのようになってしまった。
その昔、黎明期のテレビは、主に舞台・映画関係者から『電気紙芝居』などと揶揄されていた。また、『一億総白痴化』(昭和32年)なる流行語を生み出したのは大宅壮一だが、まさに予言(?)通りになってしまった。いや、決して一般大衆(国民)がそうなったわけではなく、テレビ局側が分不相応に思い上がって堕落した結果に過ぎない。
ウィキペディア『一億総白痴化』に面白い記述を見つけたので、引用しておこう。
民主党の菅直人議員が、2006年1月放送の討論番組『朝まで生テレビ』の中で、大宅壮一の名を出し、彼の説を引用。これに対して司会の田原総一朗は「(国民は白痴に)なってないよ」と反論したが、菅直人議員はさらに「(国民が白痴化したからこそ)だから自民党が(前年の郵政選挙で)勝ったんじゃないですか。」と持論を展開した(B層問題)。 対する田原は、「じゃあこないだの参議院選挙で民主党は勝った。あれは国民が馬鹿だから勝ったのかい? こういう馬鹿な奴が居るから民主党は駄目なんだ!」と反撃した。
まさに、言い得て妙ですな。
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