時間が経つのは早いもので、チェンマイ滞在16日目となって残り5日間限りである。逗留先は、南北をイスラム系と財閥系の小中学校(タイでは義務教育一貫校が一般的)に挟まれており、今朝も7時50分にタイ国国歌が流れ、朝礼が始まった。今回の旅行は、珍しく日本時間のままの暮らしを持続している。従って、タイ時間で午前6時起床、午後11時就寝と、年寄りが本来あるべき生活習慣に回帰できている。
----------------------------------------------------
「タイの音楽メディア評」は、今回が最終第10回目です。明日から小旅行に出かけるので、ちょうど区切りがよい。三点まとめてみよう。
14.VCD นิธิทัศน์ ดีที่สุดแห่งปี 2531
15.VCD นิธิทัศน์ ดีที่สุดแห่งปี 2532
16.VCD นิธิทัศน์ ดีที่สุดแห่งปี 2533
あれほど敬遠していたVCDをなぜ買ったかというと、同シリーズCDを既に所有しており、音声差し替えが可能だったため。ただし、CDが16曲に対し、VCDは14曲しか入っていない。アルバム名を直訳すれば《ニティタド社2531年(1988年)のベスト盤》と、かなりの入れ込みようである。どれだけ売れたか知らないけれど。
タイの《'80年代懐メロ》に拘るようだが、ちょうどTVホームドラマ全盛期の昭和30~40年代日本と共通する【旧き佳き時代】を想い起こさせてくれるのですよ。具体的には、明るく健康的な愉しい歌が多い。しかも、【惚れた腫れた】の恋歌一辺倒でなく、生活歌・労働歌やホームソングなども交え、家族ぐるみ・仲間同士、みんなで歌えるのが好い。
いつものように、幾曲か聴いて(視て)いただきましょう。
14-06.หลงรักเธอ(彼女の恋の裏側)
by โอเวชั่น(Ovation)
歌手名はOvationというバンドグループになっている。だが、実際に歌ってるのはก้อย พรพิมล ธรรมสาร (コーイ・ポンピモン・タムサン)。ノリが良くて好きな曲の一つ。欲を言えば、当シリーズには入ってないものの、同年かつ同メンバーによる次の曲のほうが更に好き。
*ご参考*
กีตาร์สายเพี้ยน(ちょっと違ったギター路線) by โอเวชั่น
映像がないので雰囲気が伝わらないが、自分が持ってるVCD盤では、ギター教室に通う生徒と教師も含めた人間模様をコミカルに描いてあり、歌と映像がマッチして実に愉しい。
14-13.คำมั่นสัญญา(誓いの言葉)
by กิตติคุณ เชียรสงค์(キッティクン・チェンソン)
今度は一転してしみじみとした佳曲。映像から察するに、幼い頃の想い出がテーマなのだろう。誰にでもありそうな出来事なので、映像の主人公を自分に置き換えるだけで感情移入が出来ようというもの。
15-02. ดำดีดูดี(よく見える良い潜り)
by ฟอร์เอฟเวอร์(Forever)
これまた愉快なコミックソング。メンバーを観るとまだ子供たちみたい。映像で、新聞記事に《Top LP&TAPE》と出ており、まだCDもDVDもないアナログ時代だったことを実感させてくれる。初訪泰時(1989年)のヒット曲である。
16-08.สาวเชียงใหม่(さうちぇんまい;チェンマイ娘)
by จรัล มโนเพ็ชร กับ คณะ(カナとチャラン・マノペット)
チェンマイを歌った曲なので採り上げたが、1989年以降8年間ほど訪泰しなかったため、聴き憶えはない。素朴な民謡調の曲だから、ポップスの範疇外ではないかとつい考えてしまう。しかし、ルークトゥン・モーラム系に入れないのは、グローバルスタンダード的なフォークソングという判断なのだろう。そう言えば、ルークトゥン系とは歌唱法が明らかに違いますね。
以上、完。
コメント