国内外を問わずテレビドラマに飽きたのは事実だが、昔(昭和期)の作品は別格扱いで、『鬼平犯科帳(萬屋錦之介版)』や『木枯し紋次郎』といった時代劇をこっそり録画して視ている。
なぜか? 音楽録音がそうであるように、写真や映像も摂られた当時のありさまが“缶詰”になっているから。当時を偲ばせる作風も懐かしいが、録音を聴いたり写真や映像を観たりすると、“その頃”の自分が甦るのですよ。
先方が当方を知らずとも、こちらは歌声やブラウン管(古い表現だなぁ)を通して知っている。つまり、長らく消息不明だった知友人に、思いがけずも巡り会えたような錯覚に陥ってしまう。例えば、鬼平役の萬屋錦之介。ご当人は既に他界されているから、幾ら会いたくとも今となっては実現不可能。ところが録画しておくと、こちらが如何に歳を喰おうと、往時の萬屋錦之介に何度でも会える。
主役級の物故者もさることながら、とっくの昔に忘却していたような脇役俳優・タレントを視ることができるほうが何より嬉しい。なじかは知らねど、とりわけ悪役陣に莫大な関心がある。上述の時代劇は題材が題材だけに、往年の悪役たちが多数ゲスト出演している。何を以て悪役とするかは、手前勝手な判断基準によるのだが・・・。
昭和期の『鬼平犯科帳』(松本幸四郎・丹波哲郎・萬屋錦之介版)
・・・西村晃、梅津栄、小池朝雄、山形勲、田中春男、井上昭文、天本英世、川合伸旺、田崎潤、安部徹、武藤英司、進藤英太郎、戸浦六宏、三井弘次、山岡徹也、佐々木孝丸、内田良平、松崎真、桑山正一、高品格、稲葉義男、内田朝雄、小松方正、藤岡重慶、江幡高志、金田龍之介、伊藤久哉、矢野宣、天津敏、深江章喜、蟹江敬三、吉田義夫、野口元夫、伊藤雄之助、石橋蓮司、木村元、西田健、八名信夫、須賀不二男、江見俊太郎など
『木枯し紋次郎』(昭和47年) *** 『鬼平犯科帳』との重複者は割愛
・・・石山健二郎、五味龍太郎、嵯峨善兵、菅貫太郎、佐藤允、郷鍈治、穂積隆信、阿藤海、小林勝彦、山谷初男、原聖四郎など
以上、時代劇ばかりを採り上げたが、昭和期の特徴として家族ぐるみで愉しめるホームドラマが多かったような気がする。平成になってからは、皆無に等しいのではないか。まぁ、一族郎党が一つ屋根の下に住む大家族から、一世代乃至二世代だけの核家族化が進むにつれて、我々国民の生活様式自体が大きく変ってしまったのだから、これも致し方あるまい。
ところで、そうした典型的なホームドラマといってよいTBS木下恵介劇場『おやじ太鼓』(昭和43年)の映像をYouTubeで偶然に発見した。当時はまだ学生で家族揃って視ていた記憶がある。それにしても、ビデオテープが超高価だった時代なのに、よく映像が残ってたものである。
☆ TBS-TV『おやじ太鼓』オープニング部分 ☆
出演者クレジットにある高梨木聖(たかなしこみな)さん、懐かしいなぁ。どれどれ、ドラマでのご尊顔を拝し奉ろう。あれれ、削除されちゃったみたい。昨日まであったのに・・・。仕方がないから、ネット上で見つけた御真影を拝借しましょう。
う~む、こんなキツ~イ表情してたかなぁ。そもそもこの人を知ったのは、同じTBS-TV『咲子さんちょっと』(昭和36年:主演は小泉博、江利チエミの映画『サザエさん』コンビ)に出演していたから。この番組では途中降板する(別れの挨拶をしてたから、降ろされたわけではなさそう)など、とにかく謎の多い人である。他にはNTV『風来坊先生』(昭和39年;山田吾一主演)の女生徒役で出ていた。尤も、後年東京12チャンネル(現テレビ東京)で再放送されたのを視ただけだが。
一時期しか活躍しなかった人だけに、余計懐かしさが増幅する。『おやじ太鼓』はDVDが発売されてるみたいなので、売り切れないうちに購入せしめよう。ボクちゃん、小金持ちだもんね。
私も、高梨木聖さんの消息を知りたい。
以前、アメリカに行きたいような話しをしていました。
投稿情報: サム | 2023年6 月15日 (木曜日) 午前 11時58分
高梨木聖さんの、消息をご存知の方いませんか?
投稿情報: サム | 2021年1 月27日 (水曜日) 午後 08時16分