この年の流行のリズムはツイスト。この頃、毎年のように新しいリズムがポピュラー音楽界を賑わしていた。1960年に世に出たサウンドだが、本家アメリカでもこの年にブレイクしている。
*ご参考*
The Twist by Chubby Checker(昭和35年)
☆ 涙の日記 by スリーファンキーズ(昭和37年)
☆ オリジナル盤
Lost Love by Barry Darvell(昭和36年)
グループリーダーは確か長沢純だったはずだが、高橋元太郎の目立つ歌声がそれを喰ってしまった感じ。本国アメリカではヒットせず、日本でのみ流行った曲。当時、こうした例が結構多かった。曲をカバーした側(日本人歌手)の人気度にも比例するのだろう。それに、失恋歌だからメロディが暗いですよね。アメリカ人みたいに根が陽気な人々の間では、辛気くさくて敬遠されたのかも。
☆ 失恋の海 by 斎藤チヤ子(昭和37年)
☆ オリジナル盤
Sea of Heartbreak by Don Gibson
バイオグラフィによると、当時まだ20歳だったんですね、斎藤さん。中学三年生から見たら、ずいぶんとお姐さまに映ったけど。この曲はB面だしA面『愛のバルコニー』ほどの馴染みはないが、元来がカントリー歌手だから、こういう曲のほうがよく似合う。
☆ ライオンは寝ている by デュークエイセス(昭和37年)
☆ オリジナル盤
The Lion Sleeps Tonight by The Tokens(昭和36年)
デュークエイセス盤の存在は知らなかった。しかし、件のフジテレビ番組『ザ・ヒットパレード』には、他のダークダックス、ボニージャックス、スリーグレイセス等コーラスグループをはじめ、伊藤素道とリリオリズムエアーズやダニー飯田とパラダイスキング等のバンドグループも総出演だった。大自然を想わせる曲感だが、もともと南アフリカで戦前から流行っていた曲だそうで、それなりに由緒があるらしい。
以上は大分在住時の曲。この年8月に千葉県へ引っ越したので、以後は千葉在住期に聴いた曲ということになる。
☆ クレメンタイン by 渡辺トモコ(昭和37年)
☆ オリジナル盤
My Darling Clementine by The Browns(昭和21年)
オリジナル盤は終戦直後の映画『荒野の決闘』主題歌であるが、理由もなくこの年になって急にレコード化されたとは考えにくい。想像するに、同じメロディのダークダックス『雪山讃歌』がこの頃、歌声喫茶ブームに乗って広く歌われていたのに肖ったのではなかろうか。
* ご参考 *
雪山讃歌 by ダークダックス(昭和33年)
なお、このメロディは、韓流ドラマ『봄의 왈츠(春のワルツ)』でも使われていた。
☆ Clementine by 이지수(李智秀) 봄의 왈츠 O.S.T
☆ ロコモーション by 伊東ゆかり(昭和37年)
☆ オリジナル盤
The Loco-Motion by Little Eva(昭和37年)
懐かしのポピュラー音楽 - 昭和35年 -の稿で書いたキャロル・キングの作になる曲。日米ともにヒットした。映像がなくてアレだが、電車ごっこのように連なり、蒸気機関車に模して脇に手を構え前後に振るダンスアクションが可愛らしかった。
* ご参考 *
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