あ~ぁ、我慢できなくてとうとう買っちゃった、CDアルバム『成田為三;ピアノ曲全集』。もちろん、お目当ては『浜辺の歌変奏曲』。ネットで試聴したところ、他曲も概ね好みに合致。まだ手にしてないが、今からドキドキワクワクしている。
音楽家に限らず戦時中に重用された著名人らは、終戦を境に“戦争加担者”乃至は“戦犯”の謂われなき汚名を着せられ、爾後、一転して不当な扱いを受けている。成田為三もその一人、と言いたいわけではないが、殆どの自筆譜が戦災に遭って焼失してしまったらしい。まことに恨めしからずや。
彼らを“戦犯”呼ばわりする一方で、【御国のために死んでこい】と送り出した自分の身内は、忽ち“戦争犠牲者”に早変わりしてしまう。おのれも含め、誇れるものなき「大衆」は狂ってるとしか言いようがない。古来、【長い物には巻かれよ】との諺があるくらいで、これも我が国民性なのだろうが、戦前なら「卑怯者」の謗りを免れまい。武士道精神に悖る《弱者の論理(奴隷道徳)》だからである。
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『懐かしのポピュラー音楽』の本道に戻ろう。昭和34年は、世のお年寄りたちから、“腰振りダンス”と揶揄されたフラフープが流行った年。
☆ フラフープソング by 水谷良重(昭和34年)
☆ オリジナル盤
The Hula Hoop Song by Teresa Brewer(昭和33年)
自分はコロムビアの中島そのみ盤を持っている。新体操用プラスチック製輪っかみたいなものを腰を使って回す遊戯なのだけど、実際にやってみると意外に難しいんですよね、これが。激しく腰を動かして輪っかを支えてないと、万有引力によっていつの間にか地面に吸い寄せられてしまう。貧しかった当時なればこそ、正規品は高価でなかなか手に入らず、大抵は桶の箍(たが)で代用してました。
この年、皇太子(今上陛下)ご成婚視聴の名目で、我が家にも御テレビ様がお越しになった。開局したばかりのOBS(大分放送)では、当時大分で唯一の民放テレビ局とあって、本来がTBS系でありながらフジ系列の洋楽番組『ザ・ヒットパレード』も放送していた。フジテレビといえば、旧くは松竹映画みたいに富士山の映像で放送開始してましたよ。
☆ フジテレビ『ザ・ヒットパレード』番組主題歌(昭和34年)
懐かしいなぁ。常連だったザ・ピーナッツも、番組と気脈を通じるように、この年デビューしている。双子が持て囃された頃だったのだろうか。歌謡曲部門にはこまどり姉妹がいた。
☆ 情熱の花 by ザ・ピーナッツ(昭和34年)
☆ オリジナル盤
Tout L'Amour by Caterina Valente
知らなかったが、ベートーヴェン『エリーゼのために』のメロディが流用されているとか。言われてみれば、歌い出しがそれとわかる。
カテリーナ・ヴァレンテはドイツで活躍したフランス生まれのイタリア人。多国語を操るバイリンガル歌手として有名で、この曲はフランス語で歌っている。
小六の坊主だった自分が言うのもナニだが、未だ少女と言ってよい十代のザ・ピーナッツが、“大人の歌”を意味もわからず無邪気に歌ってるようで非常に危うく映ったものである。
* ご参考 *
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