☆ 国际歌(インターナショナル) ☆
学生時代を除けば、自ら歌う機会はほとんどなかったものの、在職中、貧乏労組歴が長かったので、我が人生に思い入れ深い曲である。政治的にはノンポリを自認しているが、無理に分類すれば、やっぱり左翼系かもしれない。
音源は、初めて大陸旅行した1984年、北京・王府井にあった新華書店で真っ先に買ったカセットテープから取り出したもの。当時、日本で発売されていた同曲は軽音楽愛唱歌風のものが多く、薄手で物足りなかった。それだけに、フルオーケストラをバックに悠然と歌いあげるこの演奏を聴くと、全身に勇気が漲る感じで、かなり気に入っている。
中国は小学生時分から憧れの国であった。そこがあたかも桃源郷のように思い込んでいた。しかし、その“夢”は儚くも破れ去った。件の新華書店女店員たるや、無愛想な上に『请给我看看(見せて下さい)』と頼むと、商品を放り投げて寄こす。中国民航の空中小姐に自席を尋ねると、アゴをしゃくるだけで動こうともしない。敦煌行の便では、空中小姐が後部座席に隠れて胡瓜を囓っていた。ホテルでは、暖房目当てに寄ってくる人民を警備員が追っ払っている。真っ昼間から働き盛りの若者が何もせず、所在なげにぶらぶら屯している。これを“失業者”とは言わず、“待業青年”と称するとか。モノは言いようである。至る所に掲げられた《为人民服务(人民に奉仕しよう)》のスローガンが空しい。
そのとき、『ああ、この国はダメだな。』と、直感しました。
翻って、日本が何とまともな国に思えたことか。
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