先月27日に帰国したばかりですが、3月初旬に「フリッツ・ヴェルナー指揮バッハ・カンタータ選集2」の10枚組CDをネット通販で注文していたことを、暑さボケのせいだけでなくコロッと忘れていました。しかし、タイミングよく帰国後の昨日(2日)届いてホッとしたところです。はっきりいって、半ば諦めてのタイ旅行だったけに、それこそ”果報は寝て待て”ってな結果になりました。
というのもこのCD、今や”入手困難(↓)”なのですよ。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1824801
何だか”宝物”を手にしたみたいな気分。
注文したときは、「通常9~13日以内に発送」となっていたのに、「サプライヤーに在庫なし」とかで延期になること二度、「変更発送予定日5月25日」のメールを受け取ったものの、無いとなると無性に欲しくなるのが人情。都内大手CD店を片っ端から当たってみたがやはり無い。そんなわけで、手に入りそうもないと勝手に決め込んでいたのでした。
余談ながら、久しぶりにCD店巡りをして気がついたのは、何処も彼処も品数が少なくなったし、廃業したCD店も多いですねえ。DVDやBDなどの映像メディアに取って代わられた感じです。そうそう、秋葉原の某店には、狭いながらもアナログ・レコードのコーナーがありましたよ。根強いマニアがあるのでしょうね。
で、肝心のCDを聴いてみた感想は、苦労して手に入れたこともあって大満足。もともと、一部の曲はバラ売り盤を所有していたものの、普段、バッハと言えばリヒター盤ばかり聴いていて、ヴェルナー盤はCD棚に並べてあるだけでした。しかし、こうして改めて聴いてみると、素晴らしいじゃないですか、リヒターやラミン、トーマスといったライプチッヒ系の指揮者にはない、明るさとか優しさとか、そういったものが感じられます。
リヒターやラミンらの、ルター派信仰に根ざした、牧師の説教と共に聴くような厳しい演奏もいいけれど、自分のような信者でもない者が聴くには、ヴェルナーのおっとりとした演奏の方が安らぎます。
尤も、バッハの教会カンタータは、教会で演奏されることを前提として作曲された一種の機会(実用)音楽であろうし、その意味では演奏会やレコード(CD)は、本筋から外れてた聴き方かもしれませんね。
どうでもいいけど、まさか極東の異教徒までが自分の曲を聴いているとは、バッハさん、草葉の陰(ライプチッヒ聖トーマス教会地下墓地)でどんな思いで居るんでしょうか。
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