《 第46話 》 「救われたユリ」
【 あらすじ 】 どくろ仮面は爆弾を奪い返すようタイガーに命じ、逮捕されたユリを毒殺すると告げる。タイガーは恋人であるユリを助けてくれるよう懇願するが、聞き入れられない。そしてユリの母親を名乗ったバテレンお由がユリに毒入り饅頭の差入れを届ける。
警視庁。捕まえたユリを取り調べる松田刑事。
松田 「どうだね。いい加減に首領の正体を教えてくれんかね。」
ユリ 「知りません。わたし、どくろ一味じゃありません。」
松田 「ふふ。しかし、柳木博士という生き証人もいることだからね。君も日本人なら、日本人らしくしたらどうかねっ。」
ユリ 「・・・・。」
松田 「まあ、よ~く考えるんだね。」
こちらはどくろ仮面丸の内アジト。
どくろ 「なにいっ、月光仮面にしてやられたか。」
タイガー 「ええ、これ(月光の置き手紙)を見てください。」
どくろ 「う~ぬ、馬鹿者っ。タイガー、貴様の責任だ。それから、ユリのことは諦めろ。」
タイガー 「えっ?」
どくろ 「敵の手に一旦渡った以上、ユリをもう信用は出来ん。ババアに命じて毒殺するよう命令を出した。」
タイガー 「首領、そりゃあんまりだ。ユリは私の恋人ですよ。」
どくろ 「ふっはっはっは。甘っちょろい考えは許さん。黙って命令に従っていろ。嫌かあ?」
タイガー 「嫌ではありません。しかし、ユリだけは助けてやってください。お願いします。お願いです。お願いします、首領。」
再び警視庁。ユリに饅頭が差し入れられる。
松田 「ほう、さっ、おあがり。」
ユリ 「食べてもいいんですか?」
松田 「君に差し入れられた物だからね。ほら、お腹空いているんだろうがね。」
ユリ 「ええ、ぺこぺこです。」
松田 「じゃあ、食べ給え。」
祝 「待ち給え。それは毒が入っている。」毒饅頭を投入した水槽で浮き上がった金魚を確認し、「危なかった。君(ユリ)はどくろ一味によって殺されかけたのだ。」
ユリ 「信じられない。」
祝 「しかし、信じざるを得ない。もっと自分を大切にすると同時に、善い人々を信じ、善い人たちが幸福になる世の中を作るために協力したらどうだね。」
ユリ 「・・・。」
松田 「ま、よ~く考えることだね。」
「義理」一筋に生きる悪党と、松田・祝の人情(浪花節)作戦にご注目ください。悪人道に「人情」は御法度なのです。血も涙もない世界たる所以ですね。
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