《 第28話 》 「謎の女」
【 あらすじ 】 月光仮面はアジトに仕掛けられたダイナマイトの火を消し、警官隊は危機を逃れる。一方、どくろ仮面の車に乗り込んだ繁はどくろ仮面のあとを追うが、途中で見失う。そこへ女が現われた。女は風間の妹だと名乗ると、繁に柳木博士への手紙を渡す。
山本が電話をかけに行った間隙に、繁が居なくなる。五郎八と山本、墓地で腰を下ろしての会話。
五郎八 「さあ~て、みんな引き揚げてしまったが、どうします山本さん。」
山本 「うむ、僕の責任だからねえ。繁君の手がかりがつくまでは捜してみよう。」
五郎八 「そう言われれば、僕だって責任がありますよ。何しろ祝先生から預かった大事な子供ですからねえ。」
山本 「とにかく、もう少し捜してみよう。」
五郎八 「弱っちゃったなあ。こういう時こそ月光仮面が現れてくれるといいんだがなあ。」
山本 「はは。そうこっちの都合ばかり言ってられないよ。月光仮面には月光仮面の都合があるからね。」
あくまで「作り話」ではありますが、昔の人の強い責任感と、自分のことは自分でする、という明確な意思が窺い知れる場面です。
どくろ仮面第二のアヂト、丸の内ビル街の路地裏。
繁 どくろ一味を追って 「あれっ? 消えちゃった。」
ユリ 「坊や。いいものを見せてあげるから、いらっしゃい。」
繁 後すざりながら 「だっ、誰だ。」
ユリ 「怖がることなんてないのよ。あんたに、ぜひ柳木先生に打ち明けて欲しいことがあるの。」
繁 「ん~?」
ユリ 「あたしはね、こう見えても味方なのよ。」
繁 「えっ、味方?」
ユリ 「ええ、嘘なんて吐くもんですか。あんた、どくろ仮面にさらわれた赤星博士の顔を知ってるでしょう?」
繁 「うん。赤星さんなら、僕、前に柳木先生の所で会って知ってるよ。」
ユリ 「そうでしょ。じゃ、ちょうどよかった。一緒にいらっしゃい。」
繁 後すざりして 「でも~、僕~。」
ユリ 「怖いことなんかないわよ。さらわれた赤星博士の居所を、あんたに教えてあげるだけよ。」
繁 「えっ、ほんとっ。」
ユリ 「ええ。そのかわり、絶対誰にも内緒よ。本当のことを言うとね、赤星先生に頼まれたのよ。この手紙、柳木先生にお渡ししてくれって。」
繁 「じゃあ、赤星さんは生きているんだね。」
ユリ 「ええ、ちゃあ~んと。この手紙を渡してくれればわかるわ。どくろ仮面に見つかると大変だから、早く届けてちょうだい。」
繁 「だけど、お姉ちゃん、誰だい?」
ユリ 「名前は教えられないけど、柳木先生に、死んだ風間の妹だ、と言ってくれればわかるわ。」
繁 「わかりました。」
ユリさん、良い子には、本当のことを言ってあげてください。子供は直ぐ真似しますからね。小父さんは、一部始終を見てましたよ。「嘘なんて吐くもんですか。」などという、見え透いた大嘘を吐いてはいけません。
>> 「あたしはね、こう見えても味方なのよ。」 <<
ウソばっかし。見知らぬ人が、敵も味方もあるもんか。ユリお姐さん、それほど大事な用事にも拘わらず、何で自分でやらずに子供に頼むの? わかった、自分では怖くて出来ないからだ。意気地なし!
ありがとうございました。
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