《 第23話 》 「声はすれども」
【 あらすじ 】 五郎八は月光仮面を探すが見つからず、「案ずるなかれ」の手紙が塀に張られていた。松田警部と五郎八がとみに疑いの目を向け始める中、ガスで殺されかけた節子が柳木邸に避難してくる。五郎八はカボ子もどくろ一味に狙われるのではと心配して…。
柳木博士邸の玄関口。
五郎八 とみの様子に 「う~ん、どうも気に喰わんやつだな。」
松田 「何のことだね?」
五郎八 あごでしゃくって 「とみのことですよ。」
松田 「君もそう思うかね。一度、部下に洗わせてみるよ。」
五郎八 「おろっ、節子さん。」
節子 「あの~う、兄は来てましょうか。」
五郎八 「ああ、来てるよ。それよりどうしたの。顔色が悪いぞ。」
節子 「それで来たのよ。」
三村警官 敬礼した後 「はっ。自分が節子さんのアパートの警戒に当たっていたのであります。それがどうも、奇妙なことが起こりまして。」
松田 「奇妙なことって?」
三村 「節子さんが瓦斯で殺されかけたんです。」
松田・五郎八 「え~っ。」 びっくりして仰け反る。
山本 「どうしたんだい。あれほど留守を頼んでおいたのに。」
五郎八 「それどころじゃないんだ。節子さんが瓦斯で殺されかけたんだ。」
山本 「なにっ、瓦斯で?」
ここでの節子さんは、“お兄様”でなく、他人行儀に“兄”と呼んでいますね。他人さま(柳木博士)のお宅ですから、当然でしょう。
昭和三十年代の雰囲気を出すため、“ガス”を敢えて“瓦斯”と表記しました。
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