《 第22話 》 「どくろの指令」
【 あらすじ 】 月光仮面がどくろ仮面の罠に落ちるのではと心配する山本たち。柳木邸の警戒が高まる中、どくろ仮面はとみに電話で指示を伝える。山本は松田警部と協力してどくろ仮面のアジトを急襲することを提案するが、そこへ月光仮面の口笛が響いてくる。
柳木博士邸の玄関口。
とみ 「そんなことを仰られても困ります。」
五郎八 「何を言ってるんだ君は。冗談じゃないよ。僕はお客様じゃないんだ。それを何だ。」
とみ 「でも、先生の許可なくしてお部屋へは・・・。」
五郎八 「うるさいっ。こっちは、緊急やむを得ざる用でやってきたんだ。それを応接間に回すとは・・・。冗談言うなっ。」
山本 「袋君、何を怒っているんだ?」
五郎八 にっこり 「あっ、山本さん。」
とみ 「いえ、袋さんがね、いきなり先生のお部屋にお通りになると仰るもんですから。」
五郎八 「まだ言ってやがる。俺はね、祝十郎先生から柳木博士とお嬢さんを護れと命令されているんだ。余計なことを言うなっ。」 にっこりして 「ねえ、山本さん。」
山本 苦笑いしながら 「そりゃあそうだけれども、とみさんにはとみさんの立場ってものがあるからね。」
あや子 「とみさん、いいのよ。五郎八さんだけは、これから特別にしてあげてちょうだい。」
とみ 不服そうに 「はい。」
五郎八 威張って 「わかったか。よくおぼえておき給え。ふん。」
とみ 五郎八に深々と頭を下げて 「失礼致しました。」
みんなが去ったのち、
とみ 独り言「いまに見ているがいい。」
この場合に限っては、如何に女中とみがどくろ仮面一味であろうとも、五郎八に非あり。しかも、未だどくろ仮面一味とはみんな知らない段階ですからね。誰が何と言おうと、わたくしは、おとみさんがとった態度のほうを是とします。
何処にでも居るんですよね、此処での五郎八みたいな態度を取る人が。所謂「虎の威を借りる。」ってやつ。自分としては、最もなりたくないタイプですね。
昔の「修身教科書」には、“召使いを憐れみ”とありますし、信頼される条件としての“恭謙な態度”にも反しています。嫌われる男の最たる例でしょう。五郎八がカボ子さんに対して、同じような態度をとれるでしょうかね。きっと怖くて、出来やしないでしょうよ。
ところが、「筋書き」とは奇なもので、五郎八のこの個人的感情が、とみの正体を暴くきっかけになるのであります。
ありがとうございました。
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