■ 第十八課 分業ト共同
世ニハ農夫アリ、大工アリ、商人アリ、又、醫者・學者等アリテ、ソレゾレ手分シテ、世間必要ノ業務ヲ爲ス。之ヲ分業トイフ。
又、まっち製造ノ如ク、複雑ナル手數ヲ要スル仕事ヲ、多クノ人々ガ手分シテ爲スモ、同ジク分業ナリ。
分業ニテ仕事ヲ爲セバ、一人ニテ悉ク之ヲ爲スヨリモ、其ノ出來バエ甚ダ良シ。且ツ人々己ニ適スル仕事ヲ爲スコトヲ得ベク、又、常ニ同ジ仕事ヲ爲スニヨリテ、自ラ之ニ熟スルニ至ルベシ。
分業ト共ニ必要ナルハ共同ナリ。分業ハ人々ガ手分シテ仕事ヲ爲スモノナレバ、共同一致ヲ必要トス。まっちヲ製造スルニモ、人々思フガマゝノ事ヲ爲シテ、其ノ間ニ一致ナクバ、まっちハ終ニ出來ザルベシ。又、農工商等ニ從事スル人々ガ、互いニ相助クルコトナク、却リテ相妨グルガ如キコトアラバ、何レノ業モ遂ニ盛ンニナルコト無カルベシ。
サレバ分業ト共同トノ二ツハ、社會ノ進歩ヲ計リ、人民ノ幸福ヲ進ムルニ、極メテ大切ナルモノナリ。
・ 練 習
一、分業トハドンナコトデスカ。之ヲ口語文ニオ作リナサイ。
二、分業ノ利益ヲオ話シナサイ。
三、共同の必要ナコトヲオ話シナサイ。
四、次ノ文ヲ口語體ニ改メテゴランナサイ。
(イ)我が國ニテハ、明治八年ヨリ、まっちヲ製造スルニ至レリ。
(ロ)まっち製造ノ手數ヲ一々數ヘ上グレバ、一箱ノまっちガ我等
ノ手ニ入ルマデニハ、數十人ノ手ヲ要スルヲ知ルベシ。
(ハ)我ガ國ニ於ケルまっち製造ハ甚ダ盛ンニシテ、今日ニテハ、
外國ヘ輸出スルモノノミニテモ、一年間ニ一千萬圓以上ニ達ス。
この課は、日本人の伝統的思想の根幹をなす重要なる単元でしょう。ここでは、職業における「分業と共同」が説明してありますが、世の中そのものが「分業と共同」で成り立っている、と自分では思っています。
日下公人氏言うところの「共同体意識」ですね。これは、我が国独特の考え方らしいです。人間は一人では生きていけない、という諦観から出た智慧でしょうか。
自分のことは自分でする。
子どもの頃、親や先生からうるさく言われてきたことですが、この歳になっても独り暮らし。己の得手・不得手がよくわかります。
恥ずかしながら、家中全体がゴミ箱と化しておりますです。ゴキブリさんが徘徊するのも道理ですね。
世の旦那様方よ、山の神様の有り難さを噛みしめてますか ?
カミ様が傍に付いていないと、こうなるのですよ。
ありがとうございました。
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