■ 第二十八課 家
家ニハ石造モアリ、煉瓦造(レンガヅクリ)モアレド、我ガ國ニテハ木造最モ多シ。内地ニテハ、家ヲ造ルニ、多ク杉・松・檜ナドノ材ヲ用フレドモ、朝鮮ニハ杉モ檜モ産セザレバ、多ク松ヲ用フ。
材木ニテ家ヲ造ルニハ、先ヅ、土臺ヲ置キ、柱ヲ立て、桁(ケタ)・梁(ハリ)・棟木(ムナギ)ヲ載セテ、床板ヲ張リ、壁ヲ塗リ、戸・障子ヲ立テ、窓ヲ設ク。温突家屋(オンドルカオク)ニテハ、床板ヲ張ラズシテ、厚ク土ヲ塗リ、其の上ニ紙ヲ張ル。
家ヲ建ツルニハ、濕氣ナキ地ヲ擇ブベシ。濕氣ハ身體ニ害アリ。又、成ルベク日アタリヨキ地ヲ擇ブベシ。日光ハ健康ノタメニ必要ナリ。且ツ家ハ人ノ住居スル所ナレバ、生活スルニ便利ナルヨウニ造ラザルベカラズ。
・ 練 習
一、家ノ造リ方ヲ、口語體デ、文ニオ作リナサイ。
二、家ヲ造ルニ注意スベキコトヲオ話シナサイ。
三、次ノ文語體ヲ口語體ニ改メテゴランナサイ。
(イ)友ヲ擇ブベシ。
(ロ)友ヲ擇バザルベカラズ。
(ハ)勉強スベシ。
(ニ)勉強セザルベカラズ。
今度は、文語体の文章です。自分だけかも知れませんが、片仮名文は如何にも堅苦しく、慣れないせいもあって読みにくいですね。
建築科でもあるまいに、小学生に家屋の造り方や立地条件をほんのさわりとはいえ、教える意味があったのでしょうか。それとも「家制度」を基本に据えた戦前の価値観によるものなのでしょうか。
ありがとうございました。
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