■ 第六課 雁
燕ハ、暖カニナルト、南ノ方カラ飛ンデ來テ、涼シクナルト、マタ南ノ方エ飛ンデ行キマス。雁ハ、燕ノ歸ル頃、北ノ方カラ飛ンデ來テ、燕ノ來ル頃ニ、マタ北ノ方エ歸リマス。
モウ秋ニナリマシタカラ、雁ガ追イ追イ飛ンデ來マス。雁ハ多ク列ヲ作ッテ飛ビマスガ、其ノ時ニハ、一羽ノ雁ガ列ヲ離レテ、少シ先キノ方ニ飛ンデ行キマス。ソレハ道案内デ、ホカノ雁ハ其ノアトニツイテ行キマス。
又、飛ブ時ニハ、鳴キ合ッテ合圖ヲシマス。若シ列カラ離レルヨウナコトガアッテモ、其ノ合圖ヲ聞クト、直グ列ニ加ワルノデス。
雁ノ聲ヲ聞クノハ、空ガ晴レテ、月ノ明ルイ晩ニ多イモノデス。曇ッタ晩ヤ暗夜ニハ道ニ迷ウカラ、大抵、月夜ニ飛ビマス。ヨク注意シタモノデハアリマセンカ。
・ 練 習
一、燕ト雁ハ、イツ來テ、イツ歸リマスカ。
二、雁ガ空ヲ飛ブ時ノコトヲ、文ニオ作リナサイ。
三、次ノ文ニアヤマリガアルナラバ、ソレヲオ直シナサイ。
一羽ノ雁ガ列カラ離レルヨウトシテ居マス。雁ハ合圖ヲ
聞クト、直グ列ニ加エルノデス。
こういう生態観察的視点に立つ読み物は、子供の頃から大好きです。自分が若し、当時の朝鮮普通学校に通っていたならば、先生を質問攻めにしていたでしょうね。
燕や雁といった渡り鳥を題材にした唱歌も多くあった気がします。彼の唱歌「何事も精神」では、
二、小(ちひ)さき蟻(あり)も、いそしめば、
塔(たふ)をもきづき、燕(つばめ)さへ、
千里(せんり)の波(なみ)を渡(わた)るなり。
ましてや人(ひと)と生(う)まれ來(き)て、
一(いつ)たんめあて定(さだ)めては、
わき目(め)もふらず、怠(おこた)らず、
ふるひ進(すす)むに、何事(なにごと)か
など成(な)らざらん、盤石(ばんじやく)の
重(おも)きもつひにうつすべし。
と、「蟻や燕に負けるな」の精神が歌われてあります。
ありがとうございました。
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