第四學年用第十五課「牧場の朝」
一、ただ一面(いちめん)に立(た)ちこめた
牧場(まきば)の朝(あさ)の霧(きり)の海(うみ)。
ポプラ並木(なみき)のうつすりと
黒(くろ)い底(そこ)から、勇(いさ)ましく
鐘(かね)が鳴(な)る鳴(な)る、かんかんと。
二、もう起出(おきだ)した小舎小舎(こやごや)の
あたりに高(たか)い人(ひと)の聲(こゑ)。
霧(きり)に包(つつ)まれ、あちこちに、
動(うご)く羊(ひつじ)の幾群(いくむれ)の
鈴(すず)が鳴(な)る鳴(な)る、りんりんと。
三、今(いま)さし昇(のぼ)る日(ひ)の影(かげ)に
夢(ゆめ)からさめた森(もり)や山(やま)。
あかい光(ひかり)に染(そ)められた
遠(とほ)い野末(のずゑ)に、牧童(ぼくどう)の
笛(ふえ)が鳴(な)る鳴(な)る、ぴいぴいと。
今も歌い継がれている名唱歌でしょう。唱歌は、文部省お役人による官製であり、作詞作曲者の名が明かされてない分、「詠み人知らず」的に謎めいて、余計興味が惹かれます。しかし、この曲は船橋栄吉作曲になってますね。国民学校になってからは、作詞作曲者名が明記されるようになりましたが、「尋常小學唱歌」の時代は、そんなことに頓着するお役人もいなかったのでしょうね。
昭和の作曲家では、橋本國彦に大いなる関心があります。
ご参考までに、これまでご紹介してきた中で、作詞作曲者がわかっているものを列挙しておきます。
* 「日の丸の旗」 ・・・ 高野辰之詞/岡野貞一曲
* 「桃太郎」 ・・・ 岡野貞一曲
* 「春が来た」 ・・・ 高野辰之詞/岡野貞一曲
* 「汽車」 ・・・ 大和田愛羅曲
* 「春の小川」 ・・・ 岡野貞一曲
今後は、作詞作曲者名が判明している場合、付記しましょう。
ありがとうございました。
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