第三學年用第二七課「かぞへ歌」
一(ひと)つとや、
人人(ひとびと)忠義(ちゆうぎ)を第一(だいいち)に、
あふげや、高(たか)き
君(きみ)の恩(おん)、國(くに)の恩(おん)。
二(ふた)つとや、
二人(ふたり)のおや御(ご)を大切(たいせつ)、
思(おも)へや、ふかき
父(ちち)の愛(あい)、母(はは)の愛(あい)。
三(みつ)つとや、
みきは一(ひと)つの枝(えだ)と枝(えだ)、
仲(なか)よく暮(くら)せよ、
兄弟(あにおとと)・姉妹(あねいもと)。
四(よつ)つとや、
善(よ)き事(こと)たがひにすすめあひ、
惡(あ)しきをいさめよ、
友(とも)と友(とも)、人(ひと)と人(ひと)。
五(いつ)つとや、
いつはりいはぬが子供(こども)らの、
學(まな)びのはじめぞ、
愼(つつし)めよ、いましめよ。
六(むつ)つとや、
昔(むかし)を考(かんが)へ、今(いま)を知(し)り、
學(まな)びの光(ひかり)を
身(み)にそへよ、身(み)につけよ。
七(なな)つとや、
難儀(なんぎ)をする人(ひと)見(み)るときは、
力(ちから)のかぎり
いたはれよ、あはれめよ。
八(やつ)つとや、
病(やまひ)は口(くち)より入(い)るといふ、
飮物(のみもの)・食物(くひもの)
氣(き)を附(つ)けよ、心(こころ)せよ。
九(ここの)つとや、
心(こころ)はかならず高(たか)くもて、
たとひ身分(みぶん)は
ひくくとも、輕(かる)くとも。
十(とを)とや、
遠(とほ)き祖先(そせん)のをしへをも
守(まも)りてつくせ、
家(いへ)のため、國(くに)のため。
如何にも修身(道徳)的な数え歌ですね。当然のように、戦後は歌われなくなってしまった唱歌です。
学科としては、「道徳」より「修身」のほうが、日本人にはぴったりくるような気がしています。つまり、「道徳=人々が守り従わなければならない規範」では、みんながやるなら自分もやらねば、という相対的な印象をぬぐえません。が、「修身=身を修めて立派な行いをするよう努めること」となれば、他人がどうであれ、己の主体的な意志が基準になる感じがするのであります。
ありがとうございました。
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