子供の頃、「神話」や「童話」が好きでした。小女誌まで読んでいたので、女みたいだ、と揶揄されたこともあります。しかし、これが「己の発想の糧」、という気がしています。
なかでも「猿かに合戦」が面白い。ズル賢い悪猿にいじめぬかれて親を殺された子カニが、失意のまま泣いている。これに同情した栗、蜂、昆布、茶臼が、それぞれの武器を活かして、子カニに代わって悪猿を成敗する物語。トドメを刺すのが子カニのハサミ、というところがポイント。
どんなに弱い者でも、必ず「武器」を持っている。ただし、一つだけでは敵わない。だから、力を合わせて「敵」を倒す。これぞ、日本精神文化の神髄ではないでしょうか。
もう一点、栗、蜂、昆布、茶臼は、自己の利益のために助太刀したわけではない。世の中の「悪」を決して許さない、という「滅私奉公」の志あらばこそ、のことでしょう。
世の中は、「互助・互譲・互恵」で成り立っています。
2007年2月3日(土)の記事
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