昨夜、チャンネル桜「報道ワイド日本」で、「終戦の詔書」(いわゆる“玉音放送”)が取り上げられた。戦後生まれなので、全文を拝聴するのははじめてだった。
全国の聴視者の皆様、御起立願います。
と言うアナウンサーの先導で放送がはじまる。「畏くも天皇陛下におかせられましては・・・云々」があり、続いて、管弦楽による国歌「君が代」の演奏だ。聴き慣れた耳にはより遅く、荘厳で重々しく感じた。
「終戦の詔書」そのものでは、結びの部分が強く印象に残った。
朕ハ茲ニ國體ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ常ニ
爾臣民ト共ニ在リ若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同
胞排掯互ニ時局ヲ亂リ爲ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ
朕最モ之ヲ戒ム宜シク擧國一家子孫相傳へ確ク神州ノ不滅ヲ信
シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ總力ヲ將來ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ
志操ヲ牽クシ誓テ國體ノ精華ヲ發揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコ
トヲ期スヘシ爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ體セヨ
再び国歌の演奏が流れたあと、
我々臣民は、只々詔書の御旨を喫緊に誓って、国体の護持と
民族の名誉保持のため、滅私の奉公を誓い奉るしだいでござ
います。
とアナウンサーが結んで終了した。
戦後の出発点が、この放送にある。身体が打ち震えるほど、感動した。当時の国民(臣民)が敗戦の事実を子々孫々にどう伝えたかったのか、を少しは理解できたような気がしてきた。
天皇を戴く国体の護持と道義国家としての民族の名誉保持を、戦後における最大の課題にしていたことが容易に想像できる。
英霊の皆様が現代に甦られたとしたら、どのように思われるのだろうか?
考えてみただけで、恐ろしくなってしまう。
少なくとも自分は、現代を生きる一人として、この詔書に立ち戻り、日々を意義あるものにしたいと考えている。
2006年8月10日(木)の記事
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