韓国に利用された構図「日韓首脳会談」
弱腰の岸田政権
、尹大統領と「懇談」強調も「『解決済み』の懸念事項を自ら蒸し返した」室谷氏
9/22(木) 17:00配信/夕刊フジ電子版
岸田文雄首相は21日午後(日本時間22日未明)、米ニューヨークで、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と初めての懇談を行った。日本政府は今回の接触をあくまでも「懇談」と強調するが、韓国側は「略式会談」とアピールしている。懇談では、いわゆる「元徴用工」問題をはじめとする懸案解決に向けて、外交当局間の協議加速で合意したという。ただ、日本政府は徴用工や慰安婦の問題は「解決済み」という立場だ。韓国問題の専門家は「今回の接触は、明らかに韓国側に利用された構図だ」と指摘している。
注目の懇談は、21日午後12時20分過ぎから約30分間行われ、報道陣には公開されなかった。
中央日報(日本語版)は22日、岸田首相が同日に参加した包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効を目指す首脳級のフレンズ会合の会場に、尹氏が訪問するかたちで実現したと報じている。両首脳が対面で接触したのは、6月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせたスペイン訪問で短時間会話して以来。
正式な首脳会談は、2019年12月に、当時の安倍晋三首相と文在寅(ムン・ジェイン)大統領の会談以来実施されていない。
ジャーナリストの室谷克実氏は「日本は今回の接触を『懇談』と表現するが、実質的には会談だろう」と指摘する。
日本政府によると、尹氏は北朝鮮による日本人拉致の問題解決へ「日本を支持する」とした。日韓は互いに協力すべき重要な隣国であり、日韓、日米韓協力の重要性で一致した。1965年の国交正常化以来、築いてきた友好協力関係を基盤に、両国関係を健全な関係に戻し、未来志向で関係を発展させるとした。
韓国側が「日本と協議を加速して解決を目指す」とした懸念には、徴用工や慰安婦の問題が念頭に置かれている。
ただ、日韓の請求権問題は、1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決」している。日本政府は当時、無償3億ドル、有償2億ドルの計5億ドルを韓国政府に提供した。元徴用工に資金が渡らなかったのは、一方的に韓国政府の問題である。
慰安婦問題は2015年の日韓合意で「最終的かつ不可逆的な解決」を確認している。岸田首相は当時の外相である。いずれの問題も、ボールは韓国側にあるのだ。
加えて、文政権下では、「韓国国会議長(当時)による天皇陛下(現上皇さま)への謝罪要求」や、「韓国海軍艦艇による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件」「自衛隊旗(旭日旗)への侮辱」など、数々の「反日」暴挙が連発されてきた。そのケジメは一切付けられていない。
朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「岸田首相は従来の日本政府の立場を毅然(きぜん)と維持して、相手にすべきではなかった。徴用工や慰安婦の問題などは本来、両国による『協議』の対象ではない。韓国が国内での解決案を日本側に『報告』するべきで、日本は1ミリも譲歩してはならない」と警鐘を鳴らす。
今回の懇談については、韓国政府が15日、「会談の実施を日本側と合意した」と一方的に発表して注目された。
これに対し、松野博一官房長官は同日の記者会見で、「現時点では何ら決まっていない」と説明した。林芳正外相もニューヨークで19日(日本時間20日)、韓国の朴振(パク・チン)外相と会談した後、両首脳の接触について「何ら決まったことはない」と語っていた。
前出の室谷氏は「韓国側が会談予定を勝手に発表した際、一部報道では岸田首相の『それなら会わない』という発言が取り上げられた。まるで水面下では既定事項だった会談について、先に発表されたことが悔しいかのような反応だ」と疑問を呈する。
日韓首脳懇談をめぐる韓国側の狙いはどこにあるのか。
前出の松木氏は「支持率が低迷する尹政権は、日韓関係改善に向けた国民へのパフォーマンスとして、会談実現の実績がほしかったのだろう。一方的に会談を発表した経緯も、なし崩しを狙った戦術で、日本に会談を拒否をさせない常套(じょうとう)手段だ」と指摘する。
韓国側に利用された印象が強く、岸田首相としては外交的強硬姿勢を示せなかった今回の懇談をどう見るか。
室谷氏は「岸田首相や林氏は韓国と良好な関係を築きたいあまり、すでに『解決済み』の懸念事項を自ら蒸し返してしまった。このまま韓国のペースに乗せられないように、自民党全体で外交姿勢を修正する必要がある」と提言した。
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一、外交に人の良さは関係ない。あるのは国益だけである。岸田政権はいかに日本の国益を最大化するかに腐心すべきだ。岸田総理といい林外相といいそのことを理解しているようには見えない。会って話をするくらいならとあまりにも安直に考えすぎているようだ。徴用工問題も慰安婦問題も国際法的には解決済であり、尹政権には韓国の国内問題として解決させるべきである。不用意な首脳会談は、たとえ懇談形式であれ尹政権に国内向けに利用されるだけである。尹政権に対して毅然とした外交姿勢すら示せないようでは、この先岸田政権への信頼は崩れるばかりである。
二、だから支持率も低下している。
大臣の人事もダメだし。
そもそも小石河に政権を取らせないためとはいえ、岸田首相は何したくて、日本をどうしたいから総裁選に立候補したのかが、全く見えない。
就任して約一年になるが、まだ見えない。
野合がだらしないから、まだ内閣の支持率低下で済んでいるが、外交も駄目となると、本当に厳しい。
そもそも日韓基本合意で日本は韓国との約束を履行している。
それに対して韓国が日本に対する約束を履行していない。
その時点で普通なら、会う必要もない。
韓国との問題は徴用工だけではない。
レーダー照射、竹島、慰安婦。
なのに徴用工が解決したら万事OKみないな考え方にも違和感を感じる。
参院選後に黄金の3年なんて言われていたが、3年持つかな?
三、自民党は菅をおろして岸田にしたが、菅にも些細な問題があったにせよ、仕事は速く、中国韓国にもちゃんと対応していたように思える。岸田は何がしたいのか、まったくわからないし、仕事も何もしていないように見える。外務大臣はまさに最悪の人事だ。このままではアメリカからも見捨てられてしまうかも。菅は言葉足らずだったかも知れないが、官僚をうまく動かせたんだけどな。
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韓国〝通貨危機〟寸前
深刻なウォン安ドル高も「日米がスワップに応じてくれる」と勝手に妄想
通貨3等国の悲惨な現実に迫る
2022.9/22 06:30配信/夕刊フジ電子版
岸田文雄首相は20日午前(日本時間同日夜)、国連総会で一般討論演説を行うため、米ニューヨークに到着した。韓国大統領府は先週、現地で日韓首脳会談が行われると発表したが、日本政府は否定した。岸田首相も出発直前、「何も決まっていない」と語った。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が、日韓関係修復に躍起となっている背景には、深刻なウォン安ドル高で「通貨危機の再来」が指摘されていることがある。これを回避するため、日本や米国との「通貨スワップ再開」を熱望しているようだ。ジャーナリストの室谷克実氏が、隣国の悲惨な現実と勝手な妄想に迫った。
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韓国が、通貨ウォンの対米ドル比での下落に、異様なほど怯(おび)えている。日本円の下落勢に比べれば〝わずかにマシ〟なのに、なぜだ。
ウォンの対米ドルレートは2021年末、ギリギリ1100ウォン台だった。「1200ウォンがマジノ線」と言われた。
が、22年6月には1300ウォンまで切り下がり、9月中旬には「間もなく1400ウォン台に突入」の状況となった(9月20日午前8時45分は1ドル=1390ウォン)。こうした数字を見れば「急激なウォン安」は明らかだ。
しかし、対円で見れば、どうか。
21年までは100円は1000ウォンにプラス何十ウォンが当たり前だった。ところが、22年になると、100円は1000ウォンからマイナス何十ウォンになった(同100円=969ウォン)。
つまり、韓国ウォンは日本円に対して切り上がった。だから、ドル独歩高で世界中の通貨が下落しているなかで、ウォンの下落勢は円ほどではないのだ。
ただ、「日本円ほどではない」と言ったところで、韓国の通貨当局には慰めにもなるまい。彼らは米国追随型の金利引き上げを実施してきた。なりふり構わず「ドル売り・ウォン買い」介入もしている。
それなのに、低金利を据え置いたままの日本円と比較したら、ウォンの下落勢は「円よりはマシ」とも言えるが、「ほとんど同じ」とも言える状況だからだ。
韓国株の中での外国人の持ち株比率は、20年1月には38・91%だったのに、22年9月15日には30・36%まで落ちた。
米国との金利差が広がれば、外国人の持ち株比率はさらに下落する。へたをしたら、外資の大撤退による金融・通貨危機にまっしぐらだ。
といって、米国の利上げに付き合って国内金利を上げていけば、「家計の大破綻」が始まりかねない。家計負債はGDP(国内総生産)規模にほぼ匹敵する。その大部分は不動産(=現に居住しているマンション)が担保であり、ほとんどが変動金利だ。
すでに住宅需要が萎縮し、不動産バブルが崩壊する兆しが次第に濃厚になりつつある。
韓国も食料自給率が低いから、ウォン安により食料品価格、とりわけ農産品の価格が急騰している。一時的現象だろうが、ほうれん草が1束8000ウォンに急騰したことがある。その時、右翼サイト(イルベ)には「暴動が起きるぞ」との書き込みがあった。貿易収支は赤字が拡大する方向にあり、経常収支すら怪しくなってきた。
そうした中で、台風11号によるポスコ浦項製鉄所の被害は甚大で、「完全な正常化までには6カ月を要する」とされる。
政争はますます醜くなっている。経済は光明の一点も見いだせない。いきおい与野党も、経済界も、マスコミも「日本・米国と通貨スワップを締結すべきだ」と叫び、尹政権を叱咤(しった)する。
韓国の政権が「スワップを結びましょう」と提案すれば、日米が応じると彼らは考えているのだろうか。
いや、そう考えているようだ。「反米政権から親米政権に変わったのだから、米国は韓国の要望を受け入れるはず」「日本とは歴史的にいろいろあったのだから、日本が韓国を特別に優遇するのは当然だ」と。
こんな妄想を抱いている限り、韓国は〝通貨3等国〟から脱出できないだろう。(室谷克実)
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国家元首(大統領)が文在寅(左派)から尹錫悦(右派)に交代したとはいえ、歴史的に韓国は事大主義の国である。強そうに見える方に靡く外交は不変と観る。
【事大主義】-じだいしゅぎ-
小国が礼を以て大国に事(つか)えること,また転じて勢力の強い者につき従う行動様式をさす。《孟子》梁恵王章句下に,斉の宣王が隣国と交わる道を問うたのに対し,孟子は〈大を以て小に事うる(以大事小)者は天下を保(やす)んじ,小を以て大に事うる(以小事大)者は其の国を保んず〉と答えた故事に由来している。
朝鮮史では,李朝の対中国外交政策を事大主義と称する。1392年,高麗王朝に代わって李成桂が創建した李朝は,その前期には明,後期には清に対する〈以小事大〉の礼をもって国号と王位の承認を得て国内の統治権を強化し,定例的な朝貢使(燕行使)の派遣にともなう官貿易によって経済的利益を得,1592‐98年に豊臣秀吉の侵略をうけたときは明軍の支援を得た。
我国において「事大主義」は殆ど遣われないが、類似語に「日和見主義」がある。
【日和見主義】-ひよりみしゅぎ-
一般的にいえば、一定の原理・原則にとらわれず、事の成り行きをうかがって、どちらでも自分の都合のよいほうにつこうとする態度をとることで、機会主義、御都合主義、便宜主義と同じ意味をもっており、マルクス主義的な政治運動や労働運動で多用されている。
1890年を前後して、イギリスやフランスで社会主義労働運動において改良主義が台頭し、ついにドイツでも1896年にマルクス主義そのものを否認するベルンシュタインの修正主義論が発表されて、マルクス主義は実践と理論の両面において挑戦を受けた。こうした右からの挑戦を、レーニンは『なにをなすべきか?』(1902)で、日和見主義の新しい変種であると批判した。その後、国際社会主義労働運動において公認のマルクス主義に反する理論活動や実践は非難の意味を込めて日和見主義と称されるようになった。ロシア革命期まで日和見主義といえば、主として改良主義や修正主義と同義に用いられていたが、レーニンが『共産主義における「左翼」小児病』(1920)で、革命の客観的条件をリアルに認識して対処せず、主観的願望に基づいていたずらに過激な行動をとる一揆(いっき)的冒険主義を左翼日和見主義と批判したのち、公認のマルクス・レーニン主義から逸脱した左右の理論活動や実践はすべて日和見主義と称されるようになった。
『事大主義』も『日和見主義』も、確固たる自己の思想・信条が欠落している点で共通する。どちらも相手次第(他力本願)ということだ。
【他力本願】-たりきほんぐわん-
仏教で、自己の修行の功徳によって悟りを開くのではなく、もっぱら阿弥陀仏の力によって救済されること。転じて俗に、事をなすのに、ひたすら他人の力をあてにすること。
『事大主義』の韓国に対し、有効な手段は〝強き″に出ること。我国では美徳とされる遜った態度(謙譲)は、むしろ逆効果である。腹芸の出来ない岸田日和見(≒弱虫)内閣では、無理だろうなあ。
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