〝ケジメなき〟接近 日中50周年行事
岸田首相の出席報道 首脳会談含むハイレベル協議も検討
日本は中国救う愚行を繰り返すのか 門田隆将氏が警鐘
9/7(水) 17:00配信/夕刊フジWEB版
岸田文雄政権が、中国に歩み寄りの姿勢を見せている。29日に迎える日中国交正常化50周年を見据えて、岸田首相と習近平国家主席との首脳会談を含む、日中ハイレベル協議の開催を検討しているようなのだ。ただ、中国は先月初め、台湾を取り囲むように大規模軍事演習を展開したうえ、日本の排他的経済水域(EEZ)に弾道ミサイル5発を撃ち込んできた。今月に入り、北方領土を不法占拠するロシアと極東地域で軍事演習を実施している。最新刊『日中友好侵略史』(産経新聞出版)が話題となっている作家でジャーナリストの門田隆将氏も、ケジメなき接近に警鐘を鳴らした。
「犠牲になられた方及びそのご家族に対し哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に対し心からお見舞い申し上げます」「被災地が一日も早い復興を遂げることをお祈りします」
岸田首相は6日、中国四川省カンゼ・チベット族自治州瀘定県で発生した地震を受け、中国の習主席らにお見舞いのメッセージを送った。隣国の地震被害に寄り添う姿勢は理解できるが、この直前、気になるニュースが流れた。
共同通信は4日、「首相、日中50年行事出席へ」「ハイレベル対話呼びかけ」「経団連開催、安定化図る」のタイトルで、岸田首相が、29日の日中国交正常化50周年に合わせ、経団連や日中友好団体が東京都内で開く記念行事に来賓として出席する方向で調整している―と報じたのだ。
記事によると、岸田首相のほか、「政界屈指の親中派」である林芳正外相や、孔鉉佑駐日中国大使らが出席を調整。実行委は、中国側に習氏や李克強首相のメッセージも要請しているという。
ただ、中国軍は先月初め、沖縄の漁業者が普段は漁をしている日本のEEZに弾道ミサイル5発を撃ち込んだ。沖縄県・尖閣諸島周辺にも中国海警局船が連日のように侵入している。日本の抗議を中国が一蹴するなかで、国交正常化50周年など祝えるのか。
さすがに、岸田首相は4日、「今現在、出席の予定はない」と記者団に答えたが、水面下で調整が進んでいる可能性は高い。
林氏は8月30日夜のBS―TBS番組で、「(日中の)トップ同士を含めたさまざまなレベルで意思疎通をすることが大事だ」「主張すべきは主張するが、共通の課題では協力しなければならない。建設的かつ安定的な関係を目指す方針は一貫している」と語った。
さらに、秋葉剛男国家安全保障局長と、中国外交のトップである楊潔篪共産党政治局員は8月17日、中国・天津市で7時間に及ぶ会談を行った。
この会談について、ジャーナリストの歳川隆雄氏は8月29日発行の夕刊フジの連載「永田町霞が関インサイド」で、「(日中両政府は)11月下旬の岸田・習会談の実現を目指している」と喝破している。
日中の一連の動きをどう見るか。
前出の門田氏は「中国は現在、対米関係の悪化に加え、新疆ウイグル自治区や香港での深刻な人権弾圧で国際世論の批判を浴びている。経済の落ち込みもひどく、国内政治も窮地だ。日中ハイレベル協議は追い込まれた中国を利するだけだ。天安門事件後の国際情勢とよく似ている」と指摘した。
1989年の天安門事件では、民主化を訴える学生らを、中国共産党は人民解放軍を動員して弾圧した。欧米など国際社会の厳しい制裁を受けて窮地に立たされた中国を救ったのは、ほかならぬ日本だった。
海部俊樹首相が91年8月に訪中して友好ムードを醸成し、翌年10月、宮沢喜一政権下で天皇、皇后両陛下が中国を訪問された。これを呼び水に、欧米諸国の制裁は緩和し、中国の発展につながる各国の投資が広がった。
門田氏は「当時の銭其琛外相は、天皇訪中を『制裁を打破する積極的役割を発揮し、意義は両国関係の範囲を超えたものだった』と回想した。中国は日本を利用して国際社会に完全復帰した。現在、似たようなスキームで、岸田政権に仕掛けてきている」と語る。
日本としては、天皇訪中で日中の過去を清算し、友好関係を発展させ、中国の民主化につなげる狙いだった。ところが、中国は共産党独裁のまま経済を発展させ、軍事的覇権拡大を進めて、日本や世界を脅かしている。
門田氏は最新刊『日中友好侵略史』で、この屈辱の歴史を振り返り、岸田政権に警告した。
「EEZに弾道ミサイルをぶち込まれ、中国とロシアが日本海でわが物顔で軍事演習をしても、ケジメを取るどころか、まともな抗議さえしない。あらゆるルートで毅然(きぜん)と対峙(たいじ)しない限り、中国が日本に一目を置くことはない。岸田政権には、そうした『国家観』を感じることができない」
コメント総数;181件
一、門田さんの言うことはもっともだが、岸田は多分、習近平と会うだろう。
(会えるよう、必死に調整してると思う)
岸田は首相としての器ではない。
自分が何をなすべきかなど、今まで考えたこともないと思う。
ただ、支持率がどんどん下がっているので、習近平に会えば、支持率が上がるだろうと考える程度の男である。
G7だけでなく、NATOまでのこのこ出て行って、中国への警戒に賛意を示してもらったこととの整合性の問題など、3回東大に落ちた男に分かるわけがない。
欧州から見れば、北にロシア、南に中国がいる日本の方が欧州より余程、危険なのに何とノー天気なと思っていることであろう。
本来は対中強硬派の首相と親中派の林外相の組み合わせであれば、バランスが良かったはずなのだが。
岸田では尖閣有事には絶対対応できない。確信できる。
二、要するに岸田政権はやることをやらず日中首脳会談をしようとするから批判されるのだ。
岸田政権の今回の第四次台湾海峡危機の対応は論外だった。我が国のEEZに弾道ミサイルを撃ち込まれても直後に国家安全保障会議(NSC)を開かず内閣改造をしてから僅かな時間だけ開いただけだ。北朝鮮の弾道ミサイルが我が国にEEZに撃ち込まれた場合には直ちにNSCを開くことが多いのに中国の場合は何故か違うようだ。
その他に米国はほぼ毎月1回米海軍艦艇が台湾海峡を通過しており先月も2隻の巡洋艦が通過した。これは中国が台湾海峡を国際水域ではないとデタラメな主張をし自国の内水のように扱い航行の自由を脅かしているので航行の自由の重要性を訴えるため実施している。日本は今回の危機で中国が海上封鎖をするような演習をし航行の自由を脅かされたのだから本来なら実施する必要がある。
やるべきことをしてからなら批判は少なくて済むのだが。
三、門田さんのご指摘通り。首脳・外務大臣会うこと自体がだめである。日本のEEZ内に打ち込んだミサイルに対して岸田が中国大使を呼び出したらしいが、反応なく 電話で抗議したらしい。そんな中国大使には帰ってもらいなさい。ちゃんと対応しないことが、日本 台湾はチベット・香港・ウイグルと同じになる。譲歩したら遠慮はしない。また進んできて自分の理論だけで支配する。戦争をしないで全てを支配される国になるか。武力で支配される国になる。日本人はウクライナを見た、誰も他国の為には軍を出さない時代になった。アメリカの武器をもって国民が戦うことになる。
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夕刊フジは親米右派系紙である。何処が門田氏の見解なのかが判然としないものの、ジャーナルの基調は、岸田弱虫政権に批判的だし、コメント欄も、ほぼこれに同調する意見が大勢を占める。だが、飽くまで憶測の域を出ない記事に過ぎない。憶測は何処までも憶測であって、必ず予想通りにコトが運ぶとは限らない。だから『事実は小説より奇なり』なのだ。
伝統的に中国は、権謀術数を巡らす世の中である。一方の我国には自然体を是とする真逆の考え方をする。
【権謀術数】
相手をたくみにあざむくはかりごと。種々の計略をめぐらすこと。
【自然体】
体または心がありのままの状態でいること。気負いのない自然な態度
また、特に柔道で、きわめて自然に柔らかに立った構えをいう。
ところが、お互いの考え方は、自国の習性に基づくことになる。つまり、中国側の観方は「日本も何らかの計略を巡らしてくるはず」となり、日本側は「中国は(言葉通りの)善隣友好を望んでいるはず」となる。ここに相手側の真意に対する錯誤が生じる、というわけだ。こうした国民性の違いは、経験に基づく智慧がモノを言う。
【智慧・知恵・智恵】
① 仏教語。六波羅蜜の一つ。
一切の事象や道理に対して的確な判断を下し、心中の惑いを絶つはたらき。
② 物事の道理をさとり、是非・善悪をわきまえる心のはたらき。
物事の筋道を知り、前後をよく考え、計画し、正しく処理していく能力。
また、それを有する人。
③ 才知のはたらき。すぐれた機知、工夫、やりくり、思いつきなど。才覚。
④ 学問、知識を積み重ねただけのものではなく、人生の真実を悟り、
物事の本質を理解する能力、または知識を正しく使用できる実践的な英知。
たとえば、プラトンでは理性的霊魂のもつ徳で、魂の気概的部分と
情欲的部分を指導する実践的な能力。
岸田首相に豊富な智慧があるかどうか甚だ疑問である。おそらく、(戦後の)政治指導者を何の疑問も抱かず、ただ模倣しているだけではないのか。模倣の典型的なモデルが岸田派の先輩格に当たる宮澤喜一元総理、河野洋平元自民党幹事長らと推測されるから救いようがない。
自分が岸田首相の立場なら、習近平ら中共首脳の計略(対中包囲網潰し)を見破り、協力するよう見せかけて、ウイグル・チベット・南モンゴル・香港などの人権問題解消を迫るけどなあ。どうせ呑めない要求だろうから破談になる。この場合、中国側が話を壊したことになるから、何も日本が困ることはない。ただ、彼らにとっては死活問題だから、ひょっとして瓢箪から駒で一部要求を呑む可能性もゼロとは言えまい。
残念ながら、弱虫岸田総理にそんな腹芸は逆立ちしても出来まい。我国の得意技は、相手の能力を利用することである。合気道然り、柔道然りである。武道ならずとも、軍事戦略に於いてをや。
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