行政院、日本5県産食品の輸入解禁を発表/台湾
2/8(火) 10:09配信/フォーカス台湾(中央通訊社)日本語版
(台北中央社)行政院(内閣)の羅秉成(らへいせい)は8日、記者会見し、2011年から続けてきた福島など5県産食品に対する輸入禁止措置を撤廃すると発表した。日本が主導する環太平洋経済連携協定(TPP)への加入を昨年9月に申請した蔡英文(さいえいぶん)政権にとって、5県産食品の禁輸解除が課題となっていた。
台北市の行政院庁舎で開かれた会見には、台湾の貿易交渉トップを務める同院の鄧振中(とうしんちゅう)政務委員(無任所大臣)、陳時中(ちんじちゅう)衛生福利部長(保健相)、王美花(おうびか)経済部長(経済相)、呉釗燮(ごしょうしょう)外交部長(外相)、陳吉仲(ちんきちちゅう)農業委員会主任委員(農水相)らも同席し、各省庁の今後の施策などについて説明した。
台湾は2011年の東京電力福島第1原子力発電所事故以降、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産食品の輸入を禁止していた。昨年12月の国民投票で成長促進剤「ラクトパミン」を使用した豚肉の輸入継続が決まったのを機に、5県産食品の禁輸解除に動いている。
5県産食品の輸入解禁を巡っては、最大野党・国民党などが反対の姿勢を示しているのに対し、政府は国民の健康を第一に考え、国際標準と科学的根拠にのっとり対処する立場を強調してきた。
(賴于榛、陳俊華/編集:羅友辰)
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★白鳥浩(法政大教授/現代政治分析)
これまで風評被害に悩まされてきた被災県を中心とした食品の輸入が認められるようになったことは何よりも喜ばしい。しかしながら、今でも世界では被災県を中心とした科学的ではない偏見を持っているところも多い。この措置は、そうした偏見や、風評被害を乗り越える一助となることが望ましい。いまでも、被災県、そしてその住民は、そうしたいわれのない偏見と闘い続けている。こうした状況の改善につながることを期待する。
★野嶋剛(ジャーナリスト/大東文化大特任教授)
まずは「やっと」という感想だ。本当に難産で、本当なら2016年ごろに解決されるべきだったが、台湾の政治対立に巻き込まれてしまった。5県の人々には朗報だが、実際は食品が安全かどうかが焦点ではなかった。5県の食品を「核食」とレッテルを貼って攻撃した国民党だけではなく、与党の民進党にも支持基盤の食品安全団体など反対派がけっこういて、解禁すれば支持率が一定程度落ちることが予想できた。それでも解禁に踏み切れたのは、蔡英文総統の支持率が昨年後半からかなり安定し、多少の支持率低下に耐えられる計算があった。対日関係の強化を台湾は重視している。特にTPP加入問題で日本の応援は不可欠だし、中国の軍事的圧力にも日米と一緒に対抗したい。日本もワクチン支援を台湾に手厚くするなど借り貸しの積み重ねもあった。昨年の米国産豚肉解禁、今回の5県の食品解禁は、まさに民進党政権が外交的考慮をもとに行った決断だ。
一、風評被害は科学に基づかないから風評被害、それは気持ちの問題である。福島の農産物は検査をしてから出荷であり科学的には何ら問題はない寧ろ安全である。しかし都内で福島の米がスーパーの店頭に並んでいるのを見た事がない。では福島の米はどこへ?答えはほとんが業務用として出荷。
以前よりファミレスのご飯が美味しく感じるのは元々美味しいと定評ある福島のお米を食べてるからです。我々日本人でさえ福島産を未だに不安視している現実はあるのです。その為に安全な物であっても産地をわからないようにしている。
魚はどうだろう?お隣茨城県で水揚げすれば福島沖で漁獲されたものでも茨城県産。これは昨今の問題になってる中国産アサリを熊本産と出荷している事と同じである。このような状況下海外が未だに不安視するのもやむを得ないと思う。台湾の解禁には時間かかりましたが時が解決するのを待つしかない。
二、検査証明書を添付することで、福島県や周辺県の農畜産物の輸入を認めている国が未だにある(→英国、EU加盟各国、インドネシアなど)わけだから、台湾も国民の世論によっては、検査証明書添付という条件が科されるかもしれないけど、台湾にとってはTPP加入と中共との有事に備えて日本からの協力を得たいという表れだと思う。
となると、同じくTPP加盟を目指す中国も今後、禁輸措置を解除する方向に向かう可能性はある。一方、韓国は今のところ、TPP加盟申請に向けて動いていますが、禁輸解除にはなお否定的。原発事故が起きた以上、国民の生命と安全を考えたら、それぞれの国の政府の決定は致し方が無いと思いますし、我々はとやかく言える立場ではない。
とは言え、韓国はこのまま行く可能性が高いから、もし、台湾も中国も禁輸解除をしたら、TPP加入に向けての高いハードルにはなりそう。
三、台湾政府としての対応を読んでみると、もっとも冷静な国のひとつのような気がする。
日本が逆の立場だったら、これくらいのスパンできちんと見極める対応をとってくれれば国民も納得すると思う。
「核食」という蔑称をつかっていた、というが、からだにいれたら害があるものと感じてしまえば、そういう言葉は自然に発生する。
京都市長が、「福島の核にまみれた廃材なんぞをこの京都に入れるわけにはいかん」
とテレビで全国にアジったほうが、ずっと罪深いだろう。
他国民のことばづかいは、しかたないよ。問題は、そうした状況を引き起こしてしまった、日本にあることはたしか。
感情的にではなく冷静に日本のあり方を見つめてくれている国はある意味、味方だと思う。
台湾は、おおかた日本に好意的に接しているもの。そうした人々の言動には、日本人も、それなりの敬意を払いつつ、冷静に対応すべきだと思う。
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自民・高市氏「心から感謝」台湾の食品禁輸解除
2/8(火) 21:22配信/産経新聞WEB版
自民党の高市早苗政調会長は8日の記者会見で、台湾の行政院(内閣)が福島など日本の5県産食品の輸入禁止措置の解除を発表したことを受け「心から感謝し、歓迎する」と述べた。
今後の台湾との関係については「これからも友情、協力関係を深めていきたい」と強調した。
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イ、総務省の時のイメージで高市さんはあまり好きではないと感じていましたが、政調会長になってからの彼女の発言や行動ははっきり言って岸田さんよりも首相の器だと思うようになりました。自国を守るために危険なものを排除するのはその国の判断であり、時間はかかったけれど解除してくれたのだから感謝するの自然だと思う。今後も台湾と連携ができるように両国の繋がりが良いものになり続けますよう願っています。
ロ、台湾にしてみれば自国のTPP加入に向け日本の力援助が必要だから、その為の東北各地の食品禁輸解除という選択をしたのだが、それでもやはり韓国や中国からの謂れなき因縁やイチャモンによる風評被害を受けていることで打撃を被っている農家や漁業関係者は救われるのではないか?
高市政調会長が台湾の禁輸解除に対し「心から感謝」という言葉には、こうした被害に苦しむ人々の声無き声を代弁していると信じたい。しかし、やはり中国と韓国は今回の台湾の決定に対し真逆の反応を示してきたが、こんな連中と未だに仲良くやっていこうとしている輩が日本国内は数多くいると思うと本当に情けなくなる。
ハ、勿論他の思惑があるにしても、非科学的であり間違ったことを改めた以上は、肯定的評価をするくらいはいいのではないかな。
日本が台湾に対して「食品禁輸の解除は間違ってる!」とか「何で解除したの?」とか言うのも相当おかしな話でしょ?
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嘗て7・8回ほどの訪台経験があるが、もう30年近くご無沙汰している。'80年代には5回訪中したが、天安門事件('89年)以降こちらも行っていない。中国共産党は『一つの中国』なる虚構を喧伝しているが、実際に現地を見聞した者の眼は誤魔化しようがない。政治的・経済的・文化的にも全く「別の国」でしかないことが分かる。
文化的側面を先々稿で連載開始した「中国時代曲」に照らしてみると、上海で勃興した1930年代の台湾は日本統治下にあり、日本国籍の台湾人によるレコードも発売されている。今では「台湾民謡」に分類されているが、元々は(日本の)歌謡曲をモデルとした作風と思しきフシがある。
「雨夜花」(1934年)作詞;周添旺/作曲;鄧雨賢/唱;純純
歌われている言語は、北京語(中国語)でも日本語でもない、まさしく台湾語である。当時の公用語は日本語であったが、台湾人の母語は飽くまで台湾語であったことがよく分かる。北京語(台湾では「北京官話」と呼ぶ)は、終戦のドサクサに紛れて不法占領した中国国民党が戦後持ち込んだもので、日本語世代の台湾人にとっては「外国語」でしかなかったのだ。
今日の台湾も、この延長線上にあって国号「中華民国」とともに北京官話を「国語(公用語)」として踏襲している。台湾語は「台語」と呼ばれ、日常会話でも日々廃れつつあるらしい。茶店を経営する同い年の友人が居るが、1991年当時、夫婦間は台湾語、小六の娘とは北京語で会話する妙な家族だったことを憶えている。
外国(GHQ=実質米軍・中国国民党軍)に占領されたという意味では、戦後我国も台湾も同じ憂き目に遭ったわけだ。1952年に独立を果たしたとは言え米国の属国同然の我国に対し、中国国民党占領が続く台湾では、民主化のお蔭で中国国民党から土着政党(民進党)が政権を奪い、実質的な独立を勝ち取っているのが対照的だ。
このように、日本でも中国でもない台湾文化が厳然と存在するのである。民族的にも日本人でも中国人でもない「台湾人」が存在するのだ。歴史的に客家系シナ人が苦力として定住していたのは事実と認めてもよい。しかしそれならら、国姓爺合戦の鄭成功は母方が日本人ではなかったか、それに苦力が台湾を統治していたわけではない。。
適性検査というのがあって、思考過程が論理的か情緒的かに大別できるらしい。飽くまで私見ながら、日本人が多分に情緒的であるのに対し中国人は論理的傾向が強いと思う。台湾人はその中間で、どちらとも言えないのではないか。つまり、日本人とは心情面で親和性があり、中国人(就中「中国共産党・中国国民党」)を論駁出来るほどの強靭さを兼ね備える、ということだ。
中共と実質的な戦争状態にある台湾は、農産物の禁輸とか、札束攻勢による中南米諸国との断交(ニカラグア)を強いられているが、豪州・リトアニア・チェコ・スロバキアなどの友好国との間で、中共の嫌がらせに対して肩代わりをし合っている。こういう互助互恵・共存共栄型交流は、情緒的傾向の強い日本人が得意とする分野であり、台湾へワクチンを供与したり、パイナップルを大量輸入したりして、東日本大震災に際して受けた支援に対する恩返しをしている。
中共の最も弱い部分は、真にこれなのですよ。自分本位の論理(理窟)でしか思考できないから、対手や第三者の心情が読めない(理解できない・しようともしない)。勢い、頓珍漢な政策で失敗する。失敗と認めたくないから反省もしない。反省しないから同じ過ちを繰り返す。やがて国内外の人心を失って亡国へと転がり落ちる。問題は、今直ぐか何年後になるかだけ。
ニュースを逸脱したポストでごめんなさい。
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