【ニュースの核心】「米中二股外交」で岸田政権“大失態”か
林外相自ら訪中要請公表…訪中すれば米国反感、しなければ中国侮辱
2021.11.27配信/夕刊フジWEB版
岸田文雄政権の外交姿勢に不信感が高まっている。欧米諸国が、中国当局によるウイグルや香港での人権弾圧を受けて、北京冬季五輪の「外交的ボイコット」を検討するなか、政界屈指の「親中派」とされる林芳正外相が、中国の王毅国務委員兼外相による訪中招待を公表し、前向きに反応したのだ。そもそも、中国は日本への軍事的圧力を強めており、米国との同盟関係を重視する自民党外交部会などから強い反発も出ている。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、林氏の「外交的失態」と、瓦解(がかい)し始めた岸田政権の「米中二股外交」を厳しく指弾した。
先週のコラムで、私は「日本が米国と中国の双方にいい顔をする『二股外交』を展開し、同盟国である米国の信頼を損なう懸念が出てきた」と書いた。残念ながら、懸念は現実になりつつある。
林氏は21日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」や、BS朝日の「激論!クロスファイア」で、中国から訪中要請されたことを明らかにした。林氏は18日、中国の王毅外相と電話会談した。外務省はその際、中国からの訪中打診を公表していなかったが、大臣自ら語ってしまった。
林氏は訪中するかどうか明言を避け、訪中する場合も日程は未定としたが、BS朝日で「招請を受けたので調整はしていく」「米中両方と話ができるのが日本の強み」などと前のめり気味に番組で語った。
これを聞いて、中国は「林外相は必ず来る」と確信し、小躍りして喜んだに違いない。事務方が伏せていた話を、大臣本人がテレビで公表したからには、来ないわけがない。
公表していなければ、行かなかったところで、波風は立たない。だが、公表した後で行かなかったら、大臣が意図して「中国の顔に泥を塗った」も同然になるからだ。
林氏は「ここは政治家として売り出す絶好のチャンス」と思ったのかもしれない。だが、米国は「日本は二股をかける気だ」と思ったに違いない。「米中両方と話ができる」という発言には、そんな思惑がにじみ出ている。
この発言は「日本が米中対立の仲介役になる」という意欲表明のように聞こえる。そうだとすれば、まさしく二股以外の何物でもない。対立している一方に肩入れして、仲介役は務まらないからだ。
林氏は勘違いしているのではないか。
米中両方と話ができても、それは「日本の強み」でも何でもない。オンライン上とはいえ、米中のトップ同士、ジョー・バイデン大統領と、習近平国家主席は16日、すでに直接会談している。そこに日本が割って入ったところで、米国から見れば「余計なお世話」ではないか。
◆要請は蹴飛ばすべきだ
そもそも、日本は米国の同盟国だ。中国に脅かされている当事者でもある。
沖縄県・尖閣諸島周辺での度重なる挑発は言うに及ばず、中国海軍艦艇は17日、4年ぶりに鹿児島県の屋久島周辺で領海侵入した。中国とロシアの爆撃機4機も19日、日本周辺の上空を飛行している。
脅迫されている被害者の日本が、脅かしている張本人の中国に招かれて、ホイホイ出かけているようでは、話にならない。ここは毅然(きぜん)として「まず、そちらの態度を改めよ」と要請を蹴飛ばすべき局面だろう。
林氏の訪中には、自民党内からも慎重姿勢を求める声が出た。
佐藤正久外交部会長は「(欧米では、北京冬季五輪に対する外交ボイコットが議論されるなか)海外に完璧に間違ったメッセージになる」と指摘した。
林氏が訪中すれば、中国は必ず五輪開会式への要人出席を求めてくる。林氏は、それにどう答えるのか。
答えもさることながら、私は訪中要請の公表自体が、とんだ「外交的失態」だと思う。訪中すれば、米国を怒らせ、しなければ、中国に余計な恥をかかせるかたちになるからだ。岸田政権の「二股外交」は始める前から、早くも失敗しつつある。
■長谷川幸洋(ジャーナリスト)
1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。
コメント総数;78
一、「米 C 両方と話ができるのが日本の強み」
米も C もそんな事微塵も思ってないよ。
日本を介さなくても対話はできるだろ。
米と北の橋渡し気取りの蝙蝠大統領と一緒だ。
K 大統領は死に体になっても 5 年の任期があるが、日本の宰相は実力勝負。
岸田は参院選で大惨敗して辞任だろ。
一国のトップは八方美人じゃ駄目なんだよ。
ここまで尻尾振る情けない男だとは思わなかった。
せめて高市次期総理(多分)に負の遺産を残すなよ。
二、今こそ岸田政権は「親Chinaでいくのか、親自由主義諸国でいくのか」ハラを決める時だ。
でも大多数の国民は、前者に理解を示すことはない。
記事にもあるが、どっちつかずの態度が招いた失態だ。 外相の訪中要請を受けたとき「尖閣に不法侵入するような国に行けるか!」と怒鳴って机を蹴っておけばよかったのだ。
能のない政治家は、その役目から自ら降りるのが波風を立てない唯一の方法だ。
三、どっちつかずのコウモリ外交をしている隣の国は結局アメリカ、中国どちらからも信用されず自ら苦しい立場に立ってしまった。日本もそうなるのはゴメンだね
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【岸田政権 米中二股外交】『高橋解説 トンデモ補正予算』
2021/11/24公開/長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル
ゲスト;石橋文登(政治ジャーナリスト)
石平の中国週間ニュース解説・11月27日号
2021.11.27公開/石平チャンネル
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バルト3国議員団が訪台
総統と会談へ、中国反発も
11/28(日) 19:29配信/共同通信WEB版
【台北共同】バルト3国のリトアニアとエストニア、ラトビアの国会議員団が28日、台湾北部の桃園国際空港に到着した。台湾外交部(外務省)によると、議員団は蔡英文総統や蘇貞昌行政院長(首相)らと会談する。一行は来月2、3日に台北で立法院(国会)などの主催で開催される国際フォーラムに出席する。中国が反発するのは確実。
欧州では覇権主義を強める中国への反発が拡大。リトアニアの首都ビリニュスに18日、「駐リトアニア台湾代表処(代表部に相当)」が設置されるなど、台湾との関係を深めている。
中国は欧州初の「台湾」の名称を用いた代表処の設置に猛反発している。
コメント総数;42
イ、中共もそろそろ諦め時だわ
侵略が許される時代じゃないし、
領土を広げて国力が上がる時代じゃない。
ただただ面子、
言った事を実現しなければ、面子が潰れる
それだけの事に、多くの血を流すなら、
中国は世界から孤立して当たり前だと思う。
ロ、リトアニアも「台湾代表処」を認可して外交関係も活発になってきた。
民主国家が雪崩を打ったように次から次へと外交を活発化させたり訪台を始めた。
怪しげな中国のマネーより国家発展のためには民主国家連盟を活発化させた方が正しい道だと目が醒めたようだ。
ハ、バルト海の3カ国・リトアニアを始めラトビアやエストニアの議員団が台湾を訪問、蔡英文総統と会談したとのことですが、中国の反発は予想どおりですね。しかし、威圧的な共産党政権に対峙するには数カ国が一丸となることも重要なようです。
台湾の有事は即日本の有事です。岸田首相も圧力には屈しないというバルト三国の気概を見習うべきだと思います。
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二股かける愚の諺として有名なのは「二兎を追う者一兎も得ず」だが、これは西洋起源である。我国にも「虻蜂取らず」といった似た諺がある。お題に選んだ「大欲は無欲に似たり」は意外に知られていない。
【大欲は無欲に似たり】
①大きな望みを持つ者は、小さな利益に目もくれないから、欲がないように見える。
②欲の深い者は、欲のために却って損をしがちで、欲のない者と同じ結果になる。
また、大欲を抱いて目的達成しても、有効に用いなければ小欲と同じである。[徒然草]
林芳正外相は、この先②になって泣きを見るに違いない。飽くまで想像だが、王毅中国外相との電話会談の際、「宜しければ一度こちら(中国)へいらっしゃい。歓迎します。」といった類の誘いがあったのだろう。具体的な会談内容は公開されていないので、単なる就任挨拶程度の軽い話だったはず、そこで出た〝招待″だから外交辞令以外の何物でもあるまい。煽てられて大物になった気分で、つい口を滑らせたのだろう。
横暴な中国共産党に対し欧米などから反撃の気運が高まっているのに、国際潮流に逆らうかのようなはしゃぎようは、一国民である当方まで恥ずかしくなってしまう。巷間、総理になりたいために参院から衆院に鞍替えしたと囁かれていると聞く。こういう権力欲の強い御仁ほど、裏を返せば権威権力に弱い(逆らえない)本物の弱虫・臆病者なのだ。
オリジナル版『鬼平犯科帳』('69/NET)第40話《かわうそ平内》に印象的なシーンがある。親の仇(横森久)を討つため江戸に出た下級武士杉田兄弟(草薙幸二郎・山本勝)だが、無外流辻平内(有島一郎)道場に弟子入りしたものの、一向に稽古をつけてもらえず、自暴自棄になった弟はヤクザの用心棒に成り下がり、或る喧嘩沙汰で火盗改めに捕まる。その時の鬼平(初代松本幸四郎)との遣り取り。
杉田弟 『このままでは、兄上や国許の縁者にも申し開きできません。』
鬼平 『ならば何故、無頼の徒の口車に乗ったのだ。』
杉田弟 『所詮仇討が敵わぬなら、何をしても同じと・・・。』
鬼平 『何故敵わぬ?いや、敵との力量の差が何故それほど気になる?例え返り討ちになっても仇討ちは仇討ではないか。それだけの決心や胆力がなければ、どのような相手でも仇討ちなど出来るわけがない。』
杉田弟 『では、拙者を臆病者と言われるのですか。敵を怖がっているのだと。』
鬼平 『ん?違うかな?おのれを知りおのれに勝たねば、敵など討てるものではない。世を呪い、他人を罵る前に、まず自分を顧みることだ。早々に発ち帰れ。』
杉田弟 『えっ、それでは何のお咎めもなく・・・。』
上記鬼平の説諭とは矛盾するが、弱者(弱小国)が強者(強国)を負かす術(すべ)は、〝捨て身(私心我欲を無くす)″にある。強者を怖じ恐れるのは、逆らえば痛い目に遭わされかねないと、つい守勢で考えてしまうからだ。ならば逆転の発想で、自らが死人に成り切れば、痛くも痒くもなかろう。これが、孫子の兵法にはない「捨身戦法」である。
事実、先の大戦で米軍は、自艦目掛けて突進してくる捨身の我が特攻隊攻撃に恐怖した。彼らの常識(生命至上主義)では考えられない戦法だからだ。バルト三国が中共に対し、決して「捨身戦法」を挑んでいるわけではなかろうが、その勇気ある果敢な行動は称賛に値する。それに引き換え、我が政府は・・・。止めておこう、愚痴になる。
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