現役時代は、仕事や日々の生活に追われて過去を顧みる余裕など殆どなかった。だが、リタイア(2005年)以降、その反動もあって過去を振り返ることが多くなった。幸い、通信簿などの記録類のほか、卒業アルバム・文集なども概ね保存してある。高校・大学('63~'70年)時分の日記も残っている。特に日記は、他人に見せるために書いたわけではないので、死んだら永久に人目に触れないよう処分してもらいたい。なぜなら、第三者に発見されて、当方の意図から掛け離れた解釈をされては困るからだ。
わけても、小学校の卒業文集('60年)が最も懐かしい。今となって現物はボロボロになってしまい、ひと昔ほど前にデジタル化しておいた。先生の送る言葉、父兄挨拶、作文、将来の希望、記念の落書きなどが載せられてある。先に書いたとおり、子供時分には読み返すこともなかったが、単調な人生ながらも、多くの体験を経た今になって思うと、含蓄のある文言が多い。
御卒業おめでとうございます。
早いものですね。あれからもう三年もたってしまったとは。今はみなひょろひょろのびて最上級生になりすましているけど、あの頃はずいぶんちびだったですよ。がやがやわあわあ言って全校で一番あばれんぼうだった。それがもうすぐ中学生、楽しみなようなそして又、何となく不安な気持でいられることでしょう。人生の一つの区切りとして、新しい気持で卒業入学を有意義な物にしていただきたいと思います。
「人間は考えるあしである。」といった人があります。今のような科学が発達し考えなくても生きていける世の中で、やはり人間らしく生きることは考えることだと思うのです。どんな時でも最後まで真面目に考え抜く人、こんな人になっていただきたいと思います。
上記は、同学年別学級担任の女性教師、「三年前」とあるのは、我らが四年生時に転任してこられたから。この時、福岡から転校してきた自分とは同期(?)にあたる。この文集では姓が変わっているので新婚さんだったのか。家庭科だけはこの先生に教わった。相手が女子(をなご)ということで甘く観てさんざん悪戯の限りを尽くしたが、授業できっちりしっぺ返しを受けたものだ。
おかげで「人間は考える葦である」の言葉は知っていたが、長らく誰がどういう意味で言ったのか、気にも留めずにいた、ところが、リタイヤ後ヒマが出来ると同時に、気になって調べてみた。
『パンセ4』ブレーズ・パスカル(1623-1662年/フランスの哲学者・科学者)
原文;『L'homme n'est qu'un roseau, le plus faible de la nature ; mais c'est un roseau pensant. Il ne faut pas que l'univers entier s'arme pour l'écraser : une vapeur, une goutte d'eau, suffit pour le tuer. Mais, quand l'univers l'écraserait, l'homme serait encore plus noble que ce qui le tue, puisqu'il sait qu'il meurt, et l'avantage que l'univers a sur lui ; l'univers n'en sait rien. Toute notre dignité consiste donc en la pensée. C'est de là qu'il faut nous relever et non de l'espace et de la durée que nous ne saurions remplir. Travaillons donc à bien penser : voilà le principe de la morale.(B.347, L.200)』 Blaise Pascal, Pensées
邦訳;人間は一本の葦にすぎない。自然の中でもっとも弱いものである。だが、それは考える葦である。これを押しつぶすには、全宇宙が武装する必要はない。一吹きの蒸気、一滴の水だけで、殺すには十分である。だが、たとえ宇宙が押しつぶそうと、人間は彼を殺すものよりも尊いだろう。なぜなら人間は自分が死ぬこと、宇宙が自分よりもまさっていることを知っているからである。宇宙は何も知らない。 だから、われわれの尊厳のすべては考えることにある。われわれが立ち上がらねばならないのはまさにそこからであって、われわれが満たすことのできない時間や空間からではない。だから、よく考えるようにつとめようではないか。そこに道徳の原理がある。
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総裁選4人争いの構図に
今後どうなる 官邸キャップが解説
9/16(木) 18:34配信/TBS NEWS
野田幹事長代行が出馬する方向となったことで、総裁選は4人の戦いとなる公算です。今後のポイントについて、政治部官邸キャップ後藤記者の解説です。
4人が立候補する見通しとなったことで、総裁選の行方は不透明となってきています。
河野行革担当大臣は、石破元幹事長、小泉環境大臣という世論調査で支持の高いいわゆる“小石河連合”を結成し、党員・党友票で他の候補を圧倒して過半数を獲得することを目指しています。しかし、一定の知名度を持つ野田氏が出馬することで党員・党友票が割れ、決選投票の可能性も高まることとなります。また、岸田・高市の両陣営にとっても、党員・党友票の獲得を確かなものにするためには、野田氏の存在は脅威となりえます。
今後の焦点ですが、ほとんどの派閥が事実上の自主投票を決め総選挙が間近に迫っている状況で、4人の候補にとってはいかに“総選挙に勝てる候補”であると印象づけることが重要となってきます。そのためにも政策面できたる総選挙の政権公約の柱ともなるものを自らどうアピールしていくのか、総裁選の討論の場などを通じて、そうした“アピール力”が試されることになります。
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一、野田さんを推薦した20人は野田さんを応援したいわけではなく票を割らせたいのが目的であるのは間違いない。まともな思考持ってたら配偶者が元ヤクザを首相に推薦なんてしない。
国民はコロナで苦しんでるのにこの期に及んでくだらない権力闘争。ため息しか出ない。
二、野田氏の出馬で票が割れて、河野・石破で過半数の票を取る可能性がまた低くなった。
河野氏、石破氏、小泉氏はマスコミの露出が多く、自分たちは人気があって党員票を多く取り込めると考えているようですが、思っているほど人気はないようです。結局、決選投票になり、安倍元首相、麻生副総理が推している岸田氏か高市氏が総裁に選ばれるのでしょう。安倍元首相や麻生副総理の方が1枚も2枚も上手で、老獪だったということが選挙結果が出たら分かるのではないでしょうか。
三、河野さんの支持議員が57人しか集まらなかったのは、意外でした。高市さんは71人でしたから。河野さんが勝つ可能性は、第1回目で過半数だと思います。ただ、党員票で言うと2018年の安倍さんと石破さんは、224と181で、安倍さんが勝ってますので、河野・石破連合でも、過半数つまり200がMaxだと思います。となれば、議員票186必要になります。これ、普通に考えて無理でしょう。100が精一杯ではないかと。決選投票では、確実に、岸田さんか高市さんに負けるのではと思います。機を見るに敏な、国会議員が、ほぼ負けると思われる候補に付くとは思えず、これからどんどん減ってゆくのではないかと思います。そもそも、石破さんが付いた時点で、負け確定になったのではと思います。マスコミもそれくらいは解っているので、今、一生懸命河野さん推しなんでしょうね。河野さんが負けた自民党を悪役にして、総選挙にと。
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候補者も「人の子(=人間)」である以上、みんな「考えている」のは間違いない。だが、その中身が問題だ。「利己(自らの利益のため)」か「利他(国民の幸福のため)」か、選挙戦が始まれば見えて来るだろう。
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